小合溜,2019年5月12日午前,晴れ

小合溜沿いに立っているのをみつけた釣りに関する看板.水元公園内の釣りのルールは,延べ竿の釣りのみOKで,リール竿禁止,竿以外の道具を使っての採取も禁止,というものです.



ルアー/リールを使わない釣りはOK,釣り以外の魚取りはNG

水元公園は都立公園ですので,そのルールは都立公園条例に基づいて決められています.都立公園条例 第16条には「三 鳥獣魚貝の類を捕獲しまたは殺傷すること.」という項目があり(参考1),都立公園では原則として魚を捕獲するのは禁止されています.しかし,水元公園は独自の事情による例外となっています.水元公園が誕生したのは1965年(昭和40年)ですが,江戸時代から存在する小合溜ではずっと釣りが盛んで「釣仙郷」の別名もあります.このため,水元公園となったあとも小合溜での釣りは認められています.ちなみに,都立公園には,水元公園以外にも釣りが認められているところがあるようです.

ただし,どんな釣りでもOKというわけではなく,ルールが決められています.2005(平成17)年3月31日に水元公園の関連団体の合意によって定められた「準用河川水元小合溜における水面利用の要領」によると,魚の採取について以下の項目が定められています.

  • ① 投げ釣りの禁止(ルアー釣りなど、リール付竿による釣りの禁止)
  • ② 投網、四つ手など、釣りざお(糸)以外での捕獲の禁止
  • ③ 釣り糸、餌などのポイ捨て禁止

これによると,魚を採ってよい方法は釣りのみで,四ツ手網,「お魚キラー」などのワナ,手網を使ったいわゆる「ガサガサ」なども禁止ということになります.また,釣りの中でも,ルアー釣り,リール竿を使うものは禁止となっています.したがって,へらぶな釣りや小物釣り,タナゴ釣りなどはOKとなる一方.リール竿でルアーやワームを操作して移動しながらバスライギョを狙うランガンや,小合溜の遠くの深い方にコイを狙った吸い込み仕掛けを打ち込むブッコミ釣りなどはやってはいけない釣りとなります.

園内でリール竿を使った釣りをしている人を見ることがあります.たぶん,水元公園の釣りのルールを知らない人が多いのではないかと思います.上の看板も掲示されている場所は限られていますし,ルールを知らない人がリール竿で釣っているのを見て,他の人もリール竿の釣りをするという悪循環.


釣り禁止の場所にご注意

園内の掲示板,2023年9月10日午後,晴れ

公園内には釣りが禁止されている池があちこちにありますので,掲示に注意してください.水産試験場跡地や水辺のさとにある池,水生植物園とその周辺の池などでしょうか.


都立公園の本来の原則はいきもの採取NG

園内の林,2025年11月23日午後,くもり

都立公園の大原則は「生きものの採取は禁止」です.上の看板は東京都立公園条例(参考1)をもとにして定められています.ただし,水元公園では,魚釣りと昆虫採集についてはその例外として,特定の条件に合う場合のみやってもよいです,という位置づけとなっています.

水元公園の基本ルールを参照してください.

水元公園の昆虫採集のルールを参照してください.


内溜(ヘラブナ釣り場)と外溜(水元公園)の関係

小合溜は,外溜と内溜の2つのエリアに分かれています.内溜は水元大橋付近から公園外の岩槻橋交差点(南水元)までつづく部分のことで,無料で楽しめるヘラブナ釣り場となっています.内溜以外の小合溜を外溜と呼びますので,公園内にある小合溜の主要部分は外溜です.

内溜は水元公園の外の扱いで,こちらではルールに従った釣りが認められています.外溜は都立公園内なので釣りNGというのが本来のあり方ですが,前述した通り,かつては小合溜全体で釣りが盛んだったため,外溜を釣りNGとするのが利用者に受け入れられないため,便宜的に公園内の外溜の釣りも認めましょう,というのが「準用河川水元小合溜における水面利用の要領」の趣旨のようです.

このような背景から,現在のルールが将来更新される場合は,本来の都立公園のルール通りになっていくものと予想されます.本来とは,都立公園内にある外溜は釣り禁止,公園外にある内溜のみとなるでしょう.少なくとも逆に基準が緩くなっていくのは想像しにくいですね.(自分が知らないだけで,ルールが既に更新されていましたら申し訳ないです),

園内の池,2021年6月27日午前,晴れ

投げ釣り禁止の看板.令和3年6月の日付つき.



参考

  1. 東京都立公園条例. “東京都”. https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00001484.html, (参照 2023-03-31).
  2. . “”. , (参照 ).