ウラギンシジミ Angled Sunbeam
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園内のクズの花でウラギンシジミの幼虫が見つかるという記事をみつけて(参考3),自分も探してみました.何箇所かのクズの群落を見て回っているうち,さくら堤のクズの花で初発見.幼虫の大きなサイズからして終齢幼虫です.1対の突起があるのが尾部の側で,頭部は反対側で隠れています.尾部の突起は,刺激を受けると中から毛筆状の長毛が出てきます(写真なし).
色や模様がクズの花にマッチしてかなり見つけにくい色合いでした.幼虫はクズの花色に近い薄紫色がかった体色です.
基本情報
- 和名
- ウラギンシジミ
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 チョウ目 アゲハチョウ上科 シジミチョウ科 ウラギンシジミ亜科 ウラギンシジミ属 (Curetis)
- 英名
- Angled Sunbeam
- 学名
- Curetis acuta Moore, 1877
- 状況
写真とメモ
寒くて風の強いくもりの日,虫はきっと越冬場所から動かないだろうと思い,隠れ場所っぽいところを回ってみたとき,マテバシイの木の葉が混んだあたりで1頭のウラギンシジミがぶらさがっているのを発見.常緑樹の葉裏にぶら下がるのはウラギンシジミの定番の越冬場所のようです(参考3).ここでは1頭だけでしたが,園内ではたくさん集まっている場所もきっとあるはず.
草地で日向ぼっこ中のウラギンシジミのオスです.何故か冬にオスを見つけたのははじめて.
ウラギンシジミのメス.ウラギンシジミは秋から冬によく見る印象があります.園内で8月に写真を撮ったのは今回がはじめてでした.おそらくこの個体は7月ぐらいに羽化したのだと思いますが,翅がかなりスレていました.秋に成虫になるウラギンシジミの親に当たる世代でしょうか.ウラギンシジミの幼虫はクズ,フジなどのつぼみや花を食べるとのことなので(参考2),園内では春はフジ,夏はクズの花を食べるんでしょうね.園内ではクズもフジも各所に咲いています.
ひさしぶりに公園に来れたのですが,この日はくもりの予報も朝から晴れて気温が上昇,残暑の一日となりました.林の道に何頭かウラギンシジミが飛んでいました.止まって翅を開いたところ,オレンジ色の斑のあるオス.羽化したてらしいきれいな個体です.
上のと別個体.止まるときの前翅と後翅の広げ方で,翅の縁が一直線になります.
雨の上がった朝,林の中の路上に吸水に来ていたチョウの1頭.他にはムラサキツバメやアオスジアゲハなど.暗い林内でぼうっと浮かび上がるチョウが綺麗でした.写真だとあまり暗くないですね.
風のない,ぽかぽか暖かい晩秋の日です.こんな日には,成虫越冬するチョウが飛び出して,日向を飛び交っています.ウラギンシジミはそんな1種です.写真は,花弁が落ちて痛んでいるサザンカの花に吸汁に来ているところ.
ウラギンシジミは名前はシジミですが,ほかのシジミチョウ類とはちょっと離れたグループに属していて,シジミチョウにしてはサイズがかなり大きめで,翅の形も独特です.
翅の表の中央部が白いのはメス.オスはオレンジ色をしています.
園内ではウラギンシジミはよく見るのですが,写真を撮れたのはこの日が最初でした.
参考
- Curetis acuta Moore, 1877 in GBIF Secretariat (2021). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/1931706 on 2022-10-25.
- ウラギンシジミ. “大阪の蝶”. http://butterflyandsky.fan.coocan.jp/shubetsu/shijimi/uragin/uragin.html, (参照 2024-10-19).
- ウラギンシジミ. “多摩森林科学園と関東・中部地方のチョウ(森林総合研究所)”. https://www2.ffpri.go.jp/cherry/chou/shijimi/uragin/6_uraginshijimi.html, (参照 2023-12-24).
- クズの花に、今年も例のアレを見つけました! “水元かわせみの里水辺のふれあいルーム”. https://mkawasemi.exblog.jp/30335916/, (参照 2024-10-19).
- . “”. , (参照 ).
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