基本情報

和名
イネ
分類
被子植物類 単子葉類 ツユクサ類 イネ目 イネ科 イネ属 (Oryza)
英名
Asian Rice
学名
Oryza sativa, syn. Oryza sativa subsp. japonica, Oryza sativa var. japonica
状況

写真とメモ

紫黒米の栽培されている水田

水産試験場跡地の水田,2021年10月3日午後,晴れ

保全池のとなりの水田にイネが植えられていますが,だんだんと垂れてきた稲穂が黒々としているのに気づきました.もみが膨らんできた時期ですが,まだ雄しべの葯と思われる黄色いツブツブが残っているんですね.

水辺のいきもの館の展示資料には,ここの水田の米は「黒米」であるとの説明がありました.黒米または紫黒米(しこくまい)とは,米の食べるところ(胚乳)の周囲の籾(もみ)と糠(ぬか)の部分にアントシアニン色素が含まれているために黒く見えるとのこと(参考2).精米すると普通の白米ですが,玄米だと黒い米になるようです.よく「古代米」と言われますが,黒米,赤米などの有色米は,品種改良を繰り返した現在の品種と比べると,古代からある米の持っている特徴をたくさんもっているために,古代米≒有色米のように使われる言葉ですね.中国や東南アジアでは現在も栽培されている地域があるようです.日本で現在栽培されている紫黒米は,古代からの日本の品種というわけではなく,南方の紫黒米の品種を日本でも栽培しやすいように改良された品種がほとんどのようです(参考4).日本でつくられた紫黒米の品種では,朝紫,おくのむらさき,天紫など.この水田で栽培されている品種が何かは不明です.

水産試験場跡地の水田,2021年10月3日午後,晴れ

水田には水が張られています.イネの株はまだ青々としていて,稲穂だけが黒.水田の稲穂が黒いのは,慣れないとちょっと異様な風景ですね.

イネ Oryza sativa は別名アジアイネとも呼ばれる種類で,世界中で栽培されています.イネ属には他にも栽培される種類があり,そちらはアフリカ西海岸の一部で栽培されているアフリカイネ Oryza glaberrima.イネ(アジアイネ)はさかんに品種改良され,たくさんの品種があります.品種は,大きく分けて日本を含めた地域で栽培されるもちもちしたジャポニカ系とパラパラして粘つかないインディカ系に分けられます.この2つはアジアイネの亜種や変種として扱うこともあるようですが,現在は亜種や変種として分けることはしなくなっているようです.ジャポニカ系には,日本の品種はみな含まれ,成分や用途により,うるち米,もち米,酒米などに分類されています.

水産試験場跡地の水田,2021年10月3日午後,晴れ



参考

  1. “イネ”. ウィキペディア日本語版. 2021-11-22. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8D, (参照 2021-12-22).
  2. 黒米は、どういうお米なのかおしえてください。. “農林水産省”. (参照 2021-12-22) https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0112/02.html.
  3. 古代米とはどんなお米なのか、また、作り方の特徴(とくちょう)などについても知りたい。 “農林水産省”. (参照 2021-12-22) https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0206/03.html.
  4. 日本稲型紫黒糯の水稲新品種「朝紫」. “農研機構”. (参照 2021-12-22) https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/tarc/1995/tohoku95-008.html.
  5. . “”. (参照 ) .