基本情報

和名
ハッカ(種として),ニホンハッカ(日本産を亜種とする場合)
分類
被子植物類 真正双子葉類 キク類 シソ目 シソ科 ハッカ属 (Mentha)
英名
Canada Mint, American Corn Mint(ハッカ種として),Japanese Mint(日本産を亜種とする場合)
学名
Mentha canadensis(ハッカ種として), syn. Mentha canadensis var. piperascens, Mentha arvensis var. piperascens(日本産を亜種とする場合)
状況

写真とメモ

水べの野草園,2021年9月26日午前,くもり

水べの野草園の歩道にはみ出すように伸びていたシソ科の白い花.遠目で見たときの茎に直接花がついている感じが,水べの野草園周辺の水辺に咲いているシロネっぽいか?と思いましたが,近づいてみると,花はかすかに紫色がかっていて,花の形は雌しべの長く伸びた特徴的な形.ハッカの花でした.

ハッカ(薄荷)とは,つまりミントのことで,スースーする食品添加物を採取する元の植物のグループです.ハッカ属(Mentha)には多数の種類が含まれていて,みな香りの違うミント類です.参考2に「ハッカ属の検索表」(Jepson eFlora の検索表を元にして,「神奈川県植物誌の検索表で補足」とあるのですが,この検索表のオリジナルを見つけることができず)と「ハッカとヨウシュハッカの区別」の記事が掲載されているのでそれに従って種類を調べてみると,そのものずばりの「ハッカ」という種類のようでした.

ハッカ (Mentha canadensis;カナデンシス種) は,日本でハッカを採るために栽培されている多くの品種のもとになった原種で,ニホンハッカ,ワシュハッカ(和種)などと呼ばれることもあります.北米と東アジアに分布していて,以前は東アジア産は北米産の変種として扱い,北米産のをハッカ (Mentha canadensis;カナデンシス種),日本産をニホンハッカ (Mentha canadensis var. piperascens ;カナデンシス種のピペラスケンス変種) として区別して扱ったようですが,現在の国際的なデータベースではこれらの区別はなく,同じ種類のシノニム(同種に対する異名)としての扱いです.これと区別すべき種類には,ヨウシュハッカ(洋種,Mentha arvensis アルウェンシス種),アメリカハッカ(ジンジャーミント),コショウハッカ(ペパーミント),ミドリハッカ(スペアミント),マルバハッカ(アップルミント),メグサハッカ(ペニーロイヤル)などなど… これらのミント類は品種の違いではなく,みな生物学上の別種なんですね… 知らなかったです.ニホンハッカと同じ種類である「北米産のハッカ」とは別に,「ヨウシュハッカ」,「アメリカハッカ」という別種があるのが紛らわしいですね.また,もう一つややこしいのは,北米産のハッカと東アジア産のハッカを,どちらもヨウシュハッカの2つの変種として扱う場合もあったようで(Mentha arvensis var. piperascens アルウェンシス種のピペラスケンス変種),その分類をする場合の学名も広まっているので更に混乱に拍車をかけています.この分類の難しさの一つには,これらの種類が容易に交雑するので,交雑種がよくできるため,品種改良で香りの違うのを作り出すのが容易なことなどが関係していそうです.

水べの野草園,2021年9月26日午前,くもり

参考2の検索表などから,これらの種類から,今回の写真のハッカを区別する基準を抜書きしてみます.花茎だけが直立して葉のある茎が地面を這うメグサハッカ(ペニーロイヤル)を除くと,まず,花が草のてっぺんに集まって咲くか(頂生),茎の途中の葉の付け根につくか(脇生)で区別されます.写真では脇生ですが,脇生なのはヨウシュハッカとハッカ,ジンジャーミントです.頂生はペパーミント,スペアミント,アップルミントなど.次に葉の大きさを茎の上から下まで比べたとき,大きさが変わらないのがヨウシュハッカで,上に行くに従って小さくなるのがハッカ,上に行くと極端に小さくなるのがアメリカハッカとのこと.

ヨウシュハッカとハッカではガクの突出部(萼歯)の形にも違いがあり,正三角形なのがヨウシュハッカで,細い三角形で先が細くなるのがハッカ.

水べの野草園,2021年9月26日午前,くもり

水べの野草園,2021年9月26日午前,くもり



参考

  1. “ニホンハッカ”. ウィキペディア日本語版. 2021-10-13. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%AB, (参照 2021-12-14).
  2. ハッカ. “三河の植物観察”. (参照 2021-12-14) https://mikawanoyasou.org/data/hakka.htm.
  3. . “”. (参照 ) .