アオスジアゲハ Blue Triangle
最新の写真
林の道端のクスノキの幼木にちょうど日があたっており,葉上に影ができていたために緑色の幼虫がいるのに気づきました.クスノキを食べるアオスジアゲハの中齢幼虫でした.3対の黒い突起が特徴的です.
腹脚を葉に固定して体を持ち上げている様子で,最初に見たときは前蛹になるところかと思ったのですが,どう見てもまだ蛹化しそうにない小さな幼虫なので,この姿勢は体を凝固させて敵をやり過ごす防御姿勢でしょうか.
草地に止まっていた夏型の成虫です.翅裏は後翅の赤い斑紋が目立ちます.青い紋の列とのコントラストできれい.
基本情報
- 和名
- アオスジアゲハ
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (チョウ類) アゲハチョウ上科 アゲハチョウ科 アオスジアゲハ属 (Graphium)
- 英名
- Blue Triangle, Common Bluebottle
- 学名
- Graphium sarpedon (Linnaeus, 1758)
- 状況
- IUCN レッドリスト 2024-1:[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend unknown (個体数動向 不明) (参考1)
写真とメモ
羽化失敗?
イタドリとクズの多い草地でアオスジアゲハを発見.左の後翅が曲がっていました.翅の大きさは正常に近いように見えますが,折れているのではなく,途中で曲がっている感じ.羽化のときに翅が固まらないうちに動いたとか,枝があって真っすぐ伸びなかったとかを想像させます.アオスジアゲハの幼虫の食樹はクスノキですが,この草地の周囲にはクスノキが生えていますが,真上ではありません.短い距離を飛んできたのではないかと思います.翅が1枚曲がっているだけならゆっくりとなら飛べるのでしょう.
春のアオスジアゲハ(春型)
道端のヤナギの木に止まっていたアオスジアゲハ.水色の帯の幅が広い春型タイプの翅です.翅には欠けはありませんが,カスレがたくさんあるので羽化から時間のたった個体.まだ朝の日向ぼっこタイムでしょうか.
ハルジオンに来ていた春型のアオスジアゲハ.青い帯が太くて鮮やかです.鳥にやられたのか後翅が左右対称に欠けていますが,前翅の鱗粉はきれいに残っているのがわかり,羽化からあまり経過していないのではないかと思います.
素早く飛び回ってばかりで,なかなか写真が撮れないアオスジアゲハですが,じっとして吸水中でした.吸水していた場所は,小合溜の水際に浮遊物が積もっているところです.
オス・メスで翅の模様がほぼ同じなので,この角度だと性別不明です.今の季節に見られるのは蛹で越冬した春型の個体.春型が生んだ卵から育つ夏型は6月以降に成虫になりますが,夏型のほうがちょっと大型で,青いラインが細くなります(参考2).南方系の種類で,日本,朝鮮半島,中国から,東南アジア,ニューギニア,インド,スリランカなど広い地域に分布していて,15,6の亜種に分けられているそうです(参考3).
夏~秋のアオスジアゲハ(夏型)
水辺の野草園の植え込みにちょうど午前の太陽の光が差していて,アオスジアゲハが日向ぼっこをしに来たところ.気温が下がってきて活動的ではなく,ゆっくりふわふわ飛んできました.透き通った水色の帯がきれい.水色の帯の幅が狭いので夏型っぽい個体でしょうか.
このチョウ,後翅がちょっと欠けていますが,チョウの翅が傷つくのはたいてい後翅なのはなぜでしょうか.鳥などに後ろから攻撃されると後翅だけがやられて逃げ延びられることが多い?それとも前翅がやられると飛べなくなるので前翅が傷ついたチョウは見られない?
雨の止んだ朝の林内の小道で.吸水に来たアオスジアゲハ.
アオスジアゲハが翅を広げて日向ぼっこをしていました.秋も深くなってきて気温が低い朝は動きが虫も鈍いので,近くから写真が撮れました.翅の青い斑紋の幅が,春型ほどではありませんがかなり広く春型と夏型の中間的な特徴に見えます.翅はまだきれいに見えますが,後翅のうしろのほうが一部欠けていますね.
朝からくもり,小雨がちで気温も上がらず,過ごしやすい夏の日でしたが,林縁のヤブカラシの花にはたくさんの虫が来ていました.一番目立つお客さんがアオスジアゲハです.何頭も蜜を吸っていました.
アオスジアゲハの夏型が羽化したようで,フレッシュなアオスジアゲハがたくさん飛び回っています.これはトウネズミモチの花だと思いますが,数頭のアオスジアゲハが入れ替わり立ち代わり吸蜜に来ていました.この木にはコムラサキも来ていました.
幼虫
なぜか林縁の石の上に幼虫を発見.大きさは終齢幼虫に見えます.弱っているのか死にかけているのか動いていませんでした.幼虫はクスノキなどの葉を食べますが,木から落ちたか,蛹化場所を探して移動しているうちに弱ってしまったのでしょうか.
参考
- Bains, T., Moonen, J. & Peggie, D. 2021. Graphium sarpedon. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T160215A821002. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-2.RLTS.T160215A821002.en. Accessed on 12 July 2024.
- アオスジアゲハ/アゲハチョウ科. “神戸の蝶(デジタル化・神戸の自然シリーズ)”.神戸市教育委員会. http://www2.kobe-c.ed.jp/shizen/buttfly/buttfly/08011.html, (参照 2024-06-16).
- “アオスジアゲハ”. ウィキペディア日本語版. 2020-06-02. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%B2%E3%83%8F, (参照 2021-06-08).
- . “”. , (参照 ).
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿