最新の写真

園内の林,2023年7月30日お昼,晴れ

今年は6月にイチモンジチョウを見ましたが,おそらくその次の世代の羽化の時期と思われます.第2化か第3化? 写真は林のウッドチップ地帯で吸汁中?の個体.他にも林内でコミスジなどとともに何頭か見ました.今年はイチモンジチョウの個体数が多いようですが,これから毎年たくさん見られるようになるのかも.



基本情報

和名
イチモンジチョウ
分類
節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (チョウ類) アゲハチョウ上科 タテハチョウ科 イチモンジチョウ亜科 オオイチモンジ属 (Limenitis)
英名
White Admiral
学名
Limenitis camilla, syn. Ladoga camilla
状況
東京都レッドリスト(本土部)2020年版 東京都区部における区分:[CR] 絶滅危惧 IA 類,東京都本土部全体における区分:[○] ランク外 (参考1)
IUCN レッドリスト 2022-2[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend stable (個体数動向 安定), Scope of assessment Europe (対象地:ヨーロッパ) (参考2)
IUCN レッドリスト 2022-2[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend decreasing (個体数減少傾向), Scope of assessment Mediterranean (対象地:地中海地方) (参考3)

写真とメモ

園内の林縁,2023年6月17日朝,晴れ

林縁の道端にフラフラ降りてきて,ちょうど自分の足元に止まったところ.今年はイチモンジチョウに恵まれています.

イチモンジチョウのオスとメスはよく似ているようで,メスのほうが少し大きく翅形が丸い傾向があるようです.1頭ずつ撮影する生態写真では区別は難しそう.



小合溜沿いの草地,2023年6月4日朝,晴れ

イチモンジチョウが,草地のクワの木に止まっているところをすぐ近くから撮影できました.これまで何度か園内で遭遇していたのですが,一度も撮影できませんでした.おそらく個体数があまり多くなさそうなので機会が少ないのですが,これまで見たのは林の中の空き地のようなところに降りてきたところばかりでしたので,すぐに飛んでいってしまっていました.この日は,一旦飛んでもまだ戻ってくるような動きをしていたのでゆっくり観察できたのですが,なぜなのかよくわかりません.吸汁,給水していたわけではなく,イチモンジチョウの食草はスイカズラですが,この周辺には生えていません.

小合溜沿いの草地,2023年6月4日朝,晴れ

コミスジは翅を水平に広げることが多いですが,イチモンジチョウは左右の翅を合わせて立てることもあります.翅の裏面は褐色,黒,白の3色です.

確認したところ,イチモンジチョウは東京都区部ではレッドリストに掲載されていました.多摩地区では指定外.イチモンジチョウはオオイチモンジ属 (Limenitis)に分類されているようですが,アサマイチモンジとともに,イチモンジチョウ属 (Ladoga) とされることもあるようです.ヨーロッパと東アジアの2箇所に離れて分布していてそれぞれ亜種として扱われています.

小合溜沿いの草地,2023年6月4日朝,晴れ

この角度で翅を広げると,左右の白い紋の列がつながって,まさに一文字になります.

アサマイチモンジとの区別は,前翅表面の斑紋で可能で,アサマイチモンジは中室に白紋があるのに対し,イチモンジチョウは中室の紋はごく薄いのしかありません.また,白紋列の前から4つ目の斑紋がイチモンジチョウではそれだけ非常に小さくなっていますが,アサマイチモンジではかなり大きいなど(参考6).

園内の林,2023年6月4日朝,晴れ

こちらは,上の写真とは別の場所の別個体で,林の中で高い枝に止まっていたところ.今年は個体数が多かったのでしょうか.

イチモンジチョウは幼虫越冬で,5月に第1化が出て,温暖地域では年3,4化することもあるようです.このあたりでは年何化でしょう.



参考

  1. レッドデータブック. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
  2. van Swaay, C., Wynhoff, I., Verovnik, R., Wiemers, M., López Munguira, M., Maes, D., Sasic, M., Verstrael, T., Warren, M. & Settele, J. 2010. Limenitis camilla (Europe assessment). The IUCN Red List of Threatened Species 2010: e.T174432A7070992. Accessed via https://www.iucnredlist.org/species/174432/7070992 on 11 June 2023.
  3. van Swaay, C., Wynhoff, I., Wiemers, M., Katbeh-Bader, A., Power, A., Benyamini, D., Tzirkalli, E., Balletto, E., Monteiro, E., Karaçetin, E., Franeta, F., Pe'er, G., Welch, H., Thompson, K., Pamperis, L., Dapporto, L., Šašić, M., López Munguira, M., Micevski, N., Dupont, P., Garcia-Pereira, P., Moulai, R., Caruana, R., Verovnik, R., Bonelli, S. & Beshkov, S. 2014. Limenitis camilla (Mediterranean assessment). The IUCN Red List of Threatened Species 2014: e.T174432A53719663. Accessed via https://www.iucnredlist.org/species/174432/53719663 on 11 June 2023.
  4. Ladoga camilla (Linnaeus, 1764) in GBIF Secretariat (2022). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/7712938 on 2023-06-11.
  5. イチモンジチョウ(一文字蝶). “自然観察雑記帳”. https://naturalism-2003.com/kansatsu/animal/insect/cho_lepidoptera/ichimonjicho.html, (参照 2023-06-11).
  6. イチモンジチョウ. “大阪市とその周辺の蝶”. http://butterflyandsky.fan.coocan.jp/shubetsu/tateha/ichicho/ichicho.html, (参照 2023-06-11).
  7. . “”. , (参照 ).