チギレハツタケ Bare-toothed Russula
基本情報
- 和名
- チギレハツタケ
- 分類
- 菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 ベニタケ目 ベニタケ科 ベニタケ属 (Russula)
- 英名
- Bare-toothed Russula
- 学名
- Russula vesca
- 状況
- IUCN レッドリスト 2022-1:[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考1)
写真とメモ
最新の写真
チギレハツタケ(仮)は,去年このキノコを見つけたのと同じマテバシイの木の下です.この場所にはこの種類の菌糸が常駐しているんですね.他の場所ではこの種類をまだ見つけたことがありません.
以前,チギレハツタケ(仮)を見つけたのと同じ場所で赤いベニタケ類の幼菌発見.区別の難しいと言われる赤いベニタケ類ですが,一応絵合わせチャレンジ.見つけたのはマテバシイの広葉樹林なので,松林に生えるチシオハツではなさそう.似ているシュイロハツは広葉樹林に生えますが,カサの中心から色があせていくとされているのがどうも違います.それと,かじってみたら特に辛くないのでドクベニタケでもなさそう.カサの色の赤みが濃いのではじめはチギレハツタケ(仮)は考えていなかったのですが,3枚目の写真でカサの縁の近くを横から見ると,赤い色があせて,条線が浮かび上がっていて,小さな突起が多くごつごつした様子から,これも以前と同じ種類なのではという結論となりました.
ヒダは少しクリーム色でやや密でしょうか.
柄は白くて内部は索状.無味無臭に近かったです.
園内の湿った暗い林床に,ぽつぽつと数本生えていたベニタケっぽいキノコです.上のはまだカサが開ききっていないところ,下の写真はカサが広がったところ.カサの表面は粘性があり,中央がにぶい紫がかった赤褐色というかワイン色で,周囲は赤みが薄い淡褐色です.カサが広がると周辺部には条線が見えます.カサの赤いベニタケ属 (Russula) は区別が非常に難しいキノコがたくさんあるとのことで種類調べは諦めていたのですが,同じベニタケ属の赤くないキノコにそっくりな種類を見つけました.チギレハツタケです.カワリハツという種類も似ているようです.ちゃんと確認するには数種類の試薬で染めた胞子を顕微鏡で観察しないといけないですが,ここでは「絵合わせ」です.
チギレハツタケは日本以外にも,ヨーロッパと北米に分布しているようで,IUCNのレッドリストでも調査済の種類として掲載されています(参考1).キノコでこのリストに掲載されているのはあまりありません.
カサの裏面のヒダはほぼ白色で密,枝分かれはなしで脈絡あり,付き方は離生です.柄も白くて表面は繊維状,内部は髄状で肉質はボロボロです.ヒダに小さなナメクジがついていたり,他にもたくさん食べられていました.
参考
- Dahlberg, A. 2019. Russula vesca. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T122090747A122091073. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T122090747A122091073.en. Downloaded on 22 July 2021.
- "Russula vesca," Wikipedia, The Free Encyclopedia, https://en.wikipedia.org/wiki/Russula_vesca (accessed July 22, 2021).
- チギレハツタケ. “三河の植物観察”. (参照 2021-07-22) https://mikawanoyasou.org/kinoko/tigirehatutake.htm.
- チギレハツタケ. “GKZ植物事典”. (参照 2021-07-22) https://gkzplant.sakura.ne.jp/kinrui/syousai/tagyou/tigirehatutake.html.
- . “”. (参照 ) .
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