基本情報

和名
カオマダラクサカゲロウ
分類
節足動物門 昆虫綱 アミメカゲロウ目 クサカゲロウ科 コガタクサカゲロウ属 (Mallada)
英名
(in Jpn.) Kaomadara-kusakagero; A Species of Green Lacewing
学名
Mallada desjardinsi
状況

写真とメモ

最新の写真

園内の林,2022年7月10日朝,くもり

葉上で白っぽいゴミのかたまりのようなものが動いていました.体のまわりにゴミをくっつけて隠れている虫に見えたので撮影してみました.何枚か撮ったうちに偶然大アゴが写っている写真があり,クサカゲロウ類の幼虫と判明.

園内の林,2022年7月10日朝,くもり

頭部の強拡大.鋭く大きなアゴが肉食っぽいです.ウスバカゲロウの幼虫,アリジゴクに似ています.クサカゲロウの幼虫はアリではなく,アブラムシなどを食べるとのこと.参考1の図鑑サイトに幼虫の頭部の拡大写真が掲載されていて,種類の区別ができそうなので試してみました.頭部に縦方向に4本以上の黒線のあるタイプには,セボシクサカゲロウ,カオマダラクサカゲロウ,ヒメリュウキュウクサカゲロウなどがあり,なかでも黒い部分がもっとも太いこと,また,頭部の前縁を縁取るように黒い線が見えているところからカオマダラクサカゲロウが候補となりました.参考5のカオマダラクサカゲロウの頭部の写真の写りがよく,今回の模様をこれと比較すると似てるのを納得できました.



小合溜のヨシ原,2017年12月17日午前,晴れ

風の弱い暖かな日,ヨシ原で小さな虫が飛んだのが見えたので,止まったところに近づいて拡大撮影.枯れたヨシの茎に止まっていたのはクサカゲロウでした.冬だというのに鮮やかな黄緑色.クサカゲロウの仲間は成虫越冬の種類と幼虫越冬の種類がいるようですが,この種類は成虫越冬で,冬でも暖かな日は飛び出したりすることがあるようです.

クサカゲロウは,カゲロウの仲間(カゲロウ目)ではなく,ウスバカゲロウやツノトンボと同じアミメカゲロウ目に含まれます.幼虫はウスバカゲロウの幼虫(アリジゴク)に似た形をしていて,ただし蟻地獄はつくらず,植物上で獲物をつかまえまるグループ.

小合溜のヨシ原,2017年12月17日午前,晴れ

体の拡大.中心軸に沿って明るい黄色っぽい帯があります.翅の横脈は光に透けている部分では綺麗な緑色ですが,陰になったところでは黒っぽく見えるのですね.

クサカゲロウ類の種類を調べようとして見つけたのが参考1のサイトのすばらしい検索表でした.素人でも分類できる大変便利なもの.これを使うと,顔面に三叉に分かれた黒い模様(下の写真のように,漢字の「人」の形に見える模様)があることで,カオマダラクサカゲロウと判別できました.

小合溜のヨシ原,2017年12月17日午前,晴れ

頭部の拡大.目の前(写真では目の上)の黒い模様が「人」の形に.

カオマダラクサカゲロウでは越冬する虫も鮮やかな緑なのですが,成虫越冬するクサカゲロウの種類の中には,越冬する虫の体の色が茶色っぽく変色する種類がいるそうです.参考4はヤマトクサカゲロウの越冬態.


参考

  1. クサカゲロウ科. “日本産クサカゲロウ図鑑”(千葉大学 大学院 園芸学研究科 応用昆虫学研究グループ). http://www.h.chiba-u.jp/lab/insect/neuro/neuroptera/chrysopidae/chrysopidae.html.
  2. カオマダラクサカゲロウ. “石神井公園のクモくも蜘蛛・蟲”. http://www2.atpages.jp/kjrshoji/yy-kontyuu/tonbo-kagerou-amime/html/kaomadarakusa.htm.
  3. カオマダラクサカゲロウ. “東京23区内の虫 2”. http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-424.html.
  4. クサカゲロウ。越冬する時に色が変わる不思議な昆虫です。ヤマトクサカゲロウを見つけました。 “趣味の自然観察、デジカメ持ってお散歩”. http://shizensanpo.seesaa.net/article/412797638.html.
  5. カオマダラクサカゲロウ幼虫の塵載せ. “そよ風のなかで Part2 ”. (参照 2022-08-26) https://soyokaze2jp.blogspot.com/2014/11/blog-post.html.
  6. . “”. (参照 ) .