基本情報

和名
アワタケヤドリ
分類
菌界 子嚢菌門 フンタマカビ綱 ボタンタケ目 ボタンタケ科 ヒポミケス(Hypomyces)属
英名
Bolete Eater
学名
Hypomyces chrysospermus
状況

写真とメモ

園内の林、2018年9月17日朝、くもり

キノコ全体が真っ白で、丸い飾りがポコポコ付いていて、こんなマンガみたいにかわいいキノコがあるのか!と、キノコ素人の自分はビックリして写真をたくさん撮ってみたのですが、その後で、キノコを半分に割って断面を見てみたら(2枚下の写真)、内部はまったく白くなく、黄褐色のキノコ。ヒダではなく管孔が見られることから、どうやらイグチ類のようでした。キノコの表面に別の菌類とか粘菌とかが繁殖しているのでは、という予想で調べてみたのですが、なかなか該当する種類が見つかりませんでした。やっと見つけたのが、参考3の写真。自分の見つけたのとよく似た白いキノコが掲載されていました。これはイグチ類に寄生するアワタケヤドリという種類のようです。このグループはヒポミケス、またはヒポミケス菌という属名で呼ばれているようで、みな他のいろいろな種類のきのこに寄生する菌類。タケリタケという図鑑でよく見たことのある名前もこのグループなのですが、ただし、タケリタケというのは特定の種類の名前ではなく、ヒポミケス類に寄生されて形が変わってしまったキノコの一般名あるいは俗称とのこと。テングタケ類などの幼菌がヒポミケス菌に寄生されると、成長してもカサが開かなくなってしまい、「猛る男性」的な形になってしまうそうです。

ヒポミケス類は菌類ですが、キノコを含む担子菌類ではなく、地衣類などと同じ子嚢菌類に分類されています。ヒポミケス属は世界で53種類知られていて、日本にも19種類以上分布するそうです(参考2)。ヒポミケス属には、キノコの栽培に影響を与える病原菌という位置づけの菌をいくつも含んでいます。ヒポミケス属を含むボタンタケ科には、触るだけで大変なことになるカエンタケも含まれています。

右隣に並んでいるのはオオホウライタケでしょうか。違うグループのキノコには寄生しません。

園内の林、2018年9月17日朝、くもり

下からみても、白い丸飾りがたくさんついています。砂糖がけのお菓子のよう。

園内の林、2018年9月17日朝、くもり

断面をみると、寄生されているのはイグチ類のようです。

園内の林、2018年9月17日朝、くもり

こちらはちょっと離れたところで見つけた、黄色いヒポミケスっぽい菌で覆われたキノコ。参考1によると、アワタケヤドリの寄生は3段階あり、はじめはキノコの表面を真っ白に覆う段階。その後、表面の層が厚くなるとともに色が黄金色に変わるのが第2段階、最後に第3段階として赤褐色になって、この時期に有性生殖をするそうです(参考1)。ということで、上の写真の状態は、参考3にも掲載されていた、アワタケヤドリの第2段階っぽいです。

園内の林、2018年9月17日朝、くもり

黄色くなった第2段階の下面。真っ白の第1段階のようなかわいらしさは影を潜め、表面がゴツゴツしてきて不気味な正体を表したという感じでしょうか。

園内の林、2018年9月17日朝、くもり

断面でみられるキノコは、こちらもイグチ類。おそらく上の白いステージのキノコと同じ種類でしょう。


参考

  1. Hypomyces chrysospermus (6 May 2018, at 18:52 UTC) In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Hypomyces_chrysospermus
  2. ヒポミケス属 (2018年8月14日 00:53 UTC)-『ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%9D%E3%83%9F%E3%82%B1%E3%82%B9%E5%B1%9E
  3. ヒポミケス菌あれこれ - 『まねき屋のキノコblog』 http://kinoko-nikki.hariko-manekiya.com/?eid=994040
  4. - 『』