ザラエノハラタケ Wine-colored Agaricus
基本情報
- 和名
- ザラエノハラタケ
- 分類
- 菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 ハラタケ目 ハラタケ科 ハラタケ属 (Agaricus)
- 英名
- Wine-colored Agaricus
- 学名
- Agaricus subrutilescens
- 状況
写真とメモ
最新の写真
先日見つけたのとそっくりのキノコの幼菌をたくさん発見.カサの表面が大きく茶色い鱗片になっているところ,柄がざらついている感じが今度のもザラエノハラタケと思います.
まだツバがヒダを覆っている幼菌です.
断面にしたところ.ヒダの色は薄いピンク色で,前回見つけた成菌のどす黒いピンクよりもずっと白っぽいです.柄の断面は今回も薄いピンク色に変色しかけています.
※ 最初に掲載したときは,ハラタケモドキとしていましたが,その後見直して,ザラエノハラタケとすることにしました.下の記述も修正しました.
林の中でかなり白っぽい色合いの大きめのキノコを見つけました.上の写真以外にもちょっと離れたところに数個おそらく同じ種類です.幼菌はカサの表面が茶色くて,カサが広がったときは,中央だけは茶色いままですが,周囲は茶色部分が途切れて,その間から白い部分が広がっています.写真左の,カサの一番広がっているのはカサの周囲の毛羽立った感じのところがピンク色っぽいですね.ザラエノハラタケの海外での分布として,北アメリカ西部のカリフォルニアからカナダにかけて,というのをみつけましたので,英語名は米国での名前だと思います.
ハラタケ属にはザラエノハラタケに似た種類として,ハラタケモドキ,ナガクロモリノカサなどがあります.それらとの区別は,カサの鱗片の様子,柄の形や表面,変色の様子など.参考URLの情報を表にしてみました.
種類 | カサの鱗片 | 柄の形 | 柄の内部 | 柄の表面 | 断面が空気に触れたときの変色 |
---|---|---|---|---|---|
ザラエノハラタケ | 鱗片は大きく,褐色 | 逆棍棒状に基部が太くなる | 中実~髄状~中空 | 綿毛状の鱗片に覆われてザラザラ | 淡紅色に変色 |
ハラタケモドキ | 鱗片は小さく,褐色 | 太さは一定 | 髄状~中空 | 繊維状~かるく粉状 | 柄の基部のみわずかに黄色に変色 |
ナカグロモリノカサ | 鱗片は小さく,灰褐色~黒褐色 | 基部が太め | 中空 | 光沢のある絹状 | 柄の基部のみ黄色に変色 |
一番大きいのを抜いてみたところ.柄の途中に膜状のツバが垂れ下がっていました.ツボはなし.
ヒダの色が特徴的.どす黒いピンクというか,薄赤紫というか….柄はツバの上は褐色を帯び,ツバの下は白くて繊維状の表面に覆われます.このヒダの色は,ハラタケ属の特徴ということになるようです.
2つに割ってみたところ.ヒダの付き方は離生.ヒダは横から見てもピンクです.柄は中空ではないように見えます.柄とカサの断面の色が一部で赤く変わっているように見えます.
参考
- Agaricus subrutilescens (22 March 2018, 02:11 UTC) In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Agaricus_subrutilescens.
- Agaricus subrutilescens. "California Fungi". http://www.mykoweb.com/CAF/species/Agaricus_subrutilescens.html.
- ザラエノハラタケ. “きのこ図鑑・撮れたてドットコム(柳沢まきよし)”. http://mushroomsindex.com/details0086.htm.
- ザラエノハラタケ. “三河の植物観察”. http://mikawanoyasou.org/kinoko/zaraenoharatake2.htm.
- ナカグロモリノカサ. “三河の植物観察”. http://mikawanoyasou.org/kinoko/nakaguromorinokasa.htm.
- ハラタケモドキ. “吉敷(よしき)川だより”. http://dokitto.com/database/D-haratakemodoki.html.
- . “”. (参照 ) .
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