基本情報

和名
ザラエノハラタケ
分類
菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 ハラタケ目 ハラタケ科 ハラタケ属 (Agaricus)
英名
Wine-colored Agaricus
学名
Agaricus subrutilescens
状況

写真とメモ

最新の写真

園内の林,2018年10月8日午前,くもり

先日見つけたのとそっくりのキノコの幼菌をたくさん発見.カサの表面が大きく茶色い鱗片になっているところ,柄がざらついている感じが今度のもザラエノハラタケと思います.

園内の林,2018年10月8日午前,くもり

まだツバがヒダを覆っている幼菌です.

園内の林,2018年10月8日午前,くもり

断面にしたところ.ヒダの色は薄いピンク色で,前回見つけた成菌のどす黒いピンクよりもずっと白っぽいです.柄の断面は今回も薄いピンク色に変色しかけています.



※ 最初に掲載したときは,ハラタケモドキとしていましたが,その後見直して,ザラエノハラタケとすることにしました.下の記述も修正しました.

園内の林,2018年9月30日午前,くもり

林の中でかなり白っぽい色合いの大きめのキノコを見つけました.上の写真以外にもちょっと離れたところに数個おそらく同じ種類です.幼菌はカサの表面が茶色くて,カサが広がったときは,中央だけは茶色いままですが,周囲は茶色部分が途切れて,その間から白い部分が広がっています.写真左の,カサの一番広がっているのはカサの周囲の毛羽立った感じのところがピンク色っぽいですね.ザラエノハラタケの海外での分布として,北アメリカ西部のカリフォルニアからカナダにかけて,というのをみつけましたので,英語名は米国での名前だと思います.

ハラタケ属にはザラエノハラタケに似た種類として,ハラタケモドキ,ナガクロモリノカサなどがあります.それらとの区別は,カサの鱗片の様子,柄の形や表面,変色の様子など.参考URLの情報を表にしてみました.

種類カサの鱗片柄の形柄の内部柄の表面断面が空気に触れたときの変色
ザラエノハラタケ鱗片は大きく,褐色逆棍棒状に基部が太くなる中実~髄状~中空綿毛状の鱗片に覆われてザラザラ淡紅色に変色
ハラタケモドキ鱗片は小さく,褐色太さは一定髄状~中空繊維状~かるく粉状柄の基部のみわずかに黄色に変色
ナカグロモリノカサ鱗片は小さく,灰褐色~黒褐色基部が太め中空光沢のある絹状柄の基部のみ黄色に変色

園内の林,2018年9月30日午前,くもり

一番大きいのを抜いてみたところ.柄の途中に膜状のツバが垂れ下がっていました.ツボはなし.

園内の林,2018年9月30日午前,くもり

ヒダの色が特徴的.どす黒いピンクというか,薄赤紫というか….柄はツバの上は褐色を帯び,ツバの下は白くて繊維状の表面に覆われます.このヒダの色は,ハラタケ属の特徴ということになるようです.

園内の林,2018年9月30日午前,くもり

2つに割ってみたところ.ヒダの付き方は離生.ヒダは横から見てもピンクです.柄は中空ではないように見えます.柄とカサの断面の色が一部で赤く変わっているように見えます.


参考

  1. Agaricus subrutilescens (22 March 2018, 02:11 UTC) In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Agaricus_subrutilescens.
  2. Agaricus subrutilescens. "California Fungi". http://www.mykoweb.com/CAF/species/Agaricus_subrutilescens.html.
  3. ザラエノハラタケ. “きのこ図鑑・撮れたてドットコム(柳沢まきよし)”. http://mushroomsindex.com/details0086.htm.
  4. ザラエノハラタケ. “三河の植物観察”. http://mikawanoyasou.org/kinoko/zaraenoharatake2.htm.
  5. ナカグロモリノカサ. “三河の植物観察”. http://mikawanoyasou.org/kinoko/nakaguromorinokasa.htm.
  6. ハラタケモドキ. “吉敷(よしき)川だより”. http://dokitto.com/database/D-haratakemodoki.html.
  7. . “”. (参照 ) .