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園内の林,2025年10月5日朝,晴れ

林の道端でキノコのかなり大きな群落.よく見ると大きな切り株から生えているようです.奥の右と左,手前と3つのかたまりになっていて,どれも古くなっていますが,生えた時期がずれているのか様子が異なっています.

園内の林,2025年10月5日朝,晴れ

手前の群落では,乾燥したかさの周囲から濡れて茶色くなって垂れ下がっています.写真右はすでに完全に枯れているもの.

園内の林,2025年10月5日朝,晴れ

奥の左にはもっともかさが大きくて,周囲からすでに枯れ始めているようです.

園内の林,2025年10月5日朝,晴れ

手前の群落から1本拝借して下面を観察.ひだは明るい褐色で密度は中程度,枝分かれあり,柄は繊維状でつばはなし.ナラタケモドキでした.

園内の林,2025年10月5日朝,晴れ

柄は中空で上部の色が明るく株が濃い褐色です.



基本情報

和名
ナラタケモドキ
分類
菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 ハラタケ目 タマバリタケ科 ナラタケモドキ属 (Desarmillaria)
英名
Ringless Honey Mushroom
学名
Desarmillaria tabescens (Scop.) R.A. Koch & Aime
syn. Armillaria tabescens (Scop.) Emel
状況
時期
123456789101112
子実体31

写真とメモ

花菖蒲園,2019年9月29日午前,くもり

花しょうぶ園の周囲の草地でみつけたキノコの群落.写真のような群落があちこちに数個.地面から生えているように見えますが,キノコの生えているところには地面に切り株が埋もれていて,そこからきのこが生えています.道端で,結構大きくて目立つ群落なのに,誰も振り返りもしない感じです.秋の雨が数日おきに降る天気のせいで育ち具合と乾燥具合が違うのか,見た目の雰囲気が違うキノコが同居しています.手前は鮮やかな褐色ですが,画面奥右側は白っぽい色.手前のがフレッシュな色で,奥のが乾燥しているのだと思います.

花菖蒲園,2019年9月29日午前,くもり

1個拝借して断面の確認.ヒダはやや疎で柄の着き方は垂生,ツバはなし.

花菖蒲園,2019年9月29日午前,くもり

この群落で一番カサが厚く,美味しそうに育ったところ.カサの上面には鱗片が目立ち,放射状の線は目立ちません.

花菖蒲園,2019年9月29日午前,くもり

カサの周囲は色が濃く,左の少し大きく育ったキノコはより乾燥していて放射状のスジがわかります.

花菖蒲園,2019年9月29日午前,くもり

こちらの一角は,幼菌エリア.



園内の林,2019年9月23日午後,晴れ

林の道端の枯れ木の根本にキノコの大きな群落発見したので写真を撮ってみました.ちょっと古くなっているようでカサはへろへろになってますが,ナラタケモドキの特徴に見えました.

園内の林,2019年9月23日午後,晴れ

傘の直径は6~7cm,柄の長さは10cm以上に大きく育ってます.柄はカサよりも濃いぐらいの褐色.

園内の林,2019年9月23日午後,晴れ

ヒダは広く,色は白いですが,古くなったからか褐色の斑点ができています.柄への付き方ははっきりと垂生です.柄は中空です.



園内の林,2019年9月15日お昼,晴れ

アラゲキクラゲと同じ切り株に生えていたキノコです.ちょっと乾燥気味なのでしょうか,おそらくナラタケモドキですが,図鑑やネット上の典型的なナラタケモドキの写真とはちょっと違うイメージ.色はカサも柄も明るい褐色で,カサの中央部には焦げ茶色の鱗片が多く,周囲には放射状の線がみえます.種類を調べようとして,大きいキノコでもまんじゅう型のカサをしている特徴に当てはまるのが見つからなかったのですが,この点以外についてはナラタケモドキが当てはまるようです.図鑑やネット上の写真では,ナラタケモドキは菌の成長とともにカサが平らに開いていく種類のはずのところ,おそらく乾燥具合などの関係で,あまり典型的でないカサの伸び方,広がり方をしているのかなと想像しています.

園内の林,2019年9月15日お昼,晴れ

柄にはツバが認められず,柄の色はカサと同系統で部分的に茶色が濃くなっている箇所あり.表面ははっきりした繊維状です.ヒダは粗くて色はカサと同系統.カサの周囲は縮れたようになってました.ナラタケにはツバがありますが,ナラタケモドキにはないのが区別点です.ナラタケモドキはナラタケと近縁の種類で,食べられる菌ですがナラタケほどは美味しくなく,また,生で食べると食中毒になるそうです.ナラタケという種類は,遺伝子による検討で現在はナラタケ,オニナラタケ,ワタゲナラタケ,キツブナラタケ,などなど,何種類かに分かれているそうです.ナラタケモドキとその他のナラタケ類は,かつてはナラタケ属 Armillaria に分類されていましたが,ナラタケモドキはナラタケモドキ属 Desarmillariaとして分けられたようです.

園内の林,2019年9月15日お昼,晴れ

カサと柄の断面.カサは柄と広くつながっていて,ヒダは明確に垂生です.柄は中空で部分的に茶色くなってます.柄を折るとパキパキと折れます.

園内の林,2019年9月15日お昼,晴れ

こちらは隣に生えていた幼菌.こちらもちょっと乾燥気味なのかもしれません.

ナラタケ,ナラタケモドキなどは朽木だけではなく,まだ生きている弱った樹木でも増えてさらに木を弱らせることが知られていて,菌糸の広がった状態を,ナラタケ病,ナラタケモドキ病などと呼ぶようです.さらに,参考3によると,ナラタケ類は菌糸の広がる範囲が15ヘクタールに及ぶ例もあって,「世界最大の生物」として知られているそうです.



参考

  1. Desarmillaria tabescens (Scop.) R.A.Koch & Aime in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/9713443 on 2025-11-13.
  2. Armillaria tabescens (ナラタケモドキ). “oso的キノコ写真図鑑”. http://toolate.website/kinoko/fungi/armillaria_tabescens/index.htm, (参照 2025-11-13).
  3. ナラタケモドキ. “採集生活”. https://blog.goo.ne.jp/fujika_0000/e/daabef09efb8d71c1e4a1a236b32896d, (参照 2025-11-13).
  4. 柳澤まきよし:世界最大の巨大生物「ナラタケ」は、美味いが、凶悪な森の病原菌!!“BE-PAL”. https://www.bepal.net/play/hunting/63131, (参照 2025-11-13).
  5. . “”. , (参照 ).