アラゲキクラゲ Cloud Ear Fungus
基本情報
- 和名
- アラゲキクラゲ
- 分類
- 菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 キクラゲ目 キクラゲ科 キクラゲ属 (Auricularia)
- 英名
- Cloud Ear Fungus
- 学名
- Auricularia nigricans, syn. Auricularia polytricha
- 状況
写真とメモ
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前週にアラゲキクラゲの生えていた、林の中の切り株を見に行ったところ、もっとたくさん生えていました。前回みつけたキノコは、1つ1つバラバラに離れて生えていましたが、この日見つけたのは1箇所に集まってキノコの塊を作っていました。こういう生え方もするんですね。フレッシュでうまそうに見えました。
林の道端の朽ちた切り株に生えていたキクラゲ類。この広葉樹の切り株にはナラタケモドキも生えていました。園内で珍しく(?)食菌が2種も。
キクラゲ類には毒キノコが含まれず、何種類かあるキクラゲ類はどれも食べられるそうです。代表的な種類はキクラゲですが、アラゲキクラゲも主に中華食材として普通に食べられている種類とのこと(参考1)。食べるときにキクラゲ類の種類の違いがわかるのかどうか気にしたことがないのでわかりません。キクラゲもアラゲキクラゲも、表面に細かい毛がびっしり生えている面と、焦げ茶色をしたつるつるの面があり、毛が生えている面が背面、つるつるの面が下面です。アラゲキクラゲのほうが、「粗毛」の名前の通り、毛が長く目立ち、図鑑によると毛の長さが 450 μm以上、一方のキクラゲでは 130 μm 以上とのこと(参考2)。
上から見たところ。
アラゲキクラゲの学名は、参考3によるとAuricularia nigricans となっており、日本の文献で使われている Auricularia polytricha はそのシノニムとされていました。もともと Auricularia nigricans と Auricularia polytricha という2種が世界中に広く分布する種類として知られていたところ、北米に分布する種類について調べたところ、この両種が遺伝子的に同じ種類と判明し、1種類にまとめられたとのこと。ところが、遺伝子をもとにした日本の研究では、従来の Auricularia polytricha は、Auricularia nigricansではない別の種類(Auricularia cornea)と同種であることがわかったとのことで、日本産のアラゲキクラゲは今後別の学名に変更される可能性もあるようです(参考4)。
焦げ茶色をした裏面はつるつるしています。こっちがキクラゲの表面だと思ってました…。
毛の密生した背面と、断面。触ると結構硬くて、裂くときにも力を込めました。
参考
- アラゲキクラゲ (2018年8月22日 18:24 UTC)-『ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B2%E3%82%AD%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B2
- 今関 他 編著:山渓カラー名鑑 日本のきのこ 増補改訂新版.山と渓谷社,2011. https://amzn.to/3Uo65ZM.
- Kirk P.M. (2019). Species Fungorum (version Oct 2017). In: Species 2000 & ITIS Catalogue of Life, 2019 Annual Checklist (Roskov Y., Ower G., Orrell T., Nicolson D., Bailly N., Kirk P.M., Bourgoin T., DeWalt R.E., Decock W., Nieukerken E. van, Zarucchi J., Penev L., eds.). Digital resource at www.catalogueoflife.org/annual-checklist/2019. Species 2000: Naturalis, Leiden, the Netherlands. ISSN 2405-884X.
- 白水 他:日本産 "Auricularia auricula-judae" および "A. polytricha" の分子系統解析と形態比較に基づく分類学的検討 - 日本菌学会会報 59: 7-20 (2018) https://doi.org/10.18962/jjom.jjom.H30-02
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