カムルチー(ライギョ) Northern Snakehead
基本情報
- 和名
- カムルチー
- 分類
- 条鰭綱 スズキ目 タイワンドジョウ科 タイワンドジョウ属 (Channa)
- 英名
- Northern Snakehead
- 学名
- Channa argus
- 状況
- IUCN/ISSG 世界の侵略的外来種:侵略的外来種(日本を含むアジア,北米,ナイジェリア,スロバキアなど),原産(ロシア,中国,朝鮮) (参考1)
写真とメモ
最新の写真
じりじりする暑い日のまだ日差しの強い時間から小合溜でコイ狙い.浮きがズドンともっていかれて重厚な引き.なかなか上がって来ませんでしたが,釣れたのは全長63cm,重さ2.1kgのライギョでした.体色はかなり黒化していて,模様がほとんど見えません.以前も66cmのライギョは黒々していましたが,大きくなるとこうなるのが多いのでしょうか.
コイ竿21尺,道糸/ハリスは,ナイロン4号/フロロ2.5号,返しをつぶした伊勢尼7号,コイ用にブレンドを考えたダンゴエサでバランス底.この日はコイは空振りでした.
※ ライギョを狙う方,水元公園ではリール竿を使った釣りは全域で禁止されていますのでご注意ください.
小合溜でフナ釣り.巨ベラかコイか,という引きで上がってきたのは,大蛇っぽい模様のきれいな小さめのライギョでした.ライギョはたまにヘラブナ用のエサを食ってくることもあります.一応身体計測すると,全長43cm,体重600gでした.以前釣れたのよりも少し小さいだけなのに,体重がかなり軽いように感じます.全長が長くなるにつれて体重が急速に増加する様子は,「全長の3乗」と体重の比が一定値になるのではと予想しています(0.1 m3/kg 前後に収束しそう).データが増えたらグラフを書いてみます.
今年の小合溜では,釣りをする人の多い水元大橋付近でライギョが息継ぎに上がってくる姿をあまり見なかった気がします.今年の夏の小合溜が,例年と違ったところは,水面がヒシに覆われていなかったところ.最近数年は夏になると小合溜の広いエリアでヒシだらけでしたが,今年はなぜかヒシがまったく成長しませんでした.ヒシの実はいつものようにたくさん落ちていますが,春にヒシの実から長い茎が伸びて水面に葉が出てくる風景を全く見かけません.これは今年の春から初夏の頃,日照時間が少なく気温が低かったのと関係あるのでしょうか.ライギョは,ヒシなどで水面がカバーされた影に潜むのが好きだと思いますので,今年はライギョが物影を求めて,別のところに移動してしまったのかもしれません.
秋になっても,相変わらずライギョが練り餌を食ってきました.今度のは全長51cm,体重1.6kgで,前回のとほぼ同じサイズです.これまでライギョが釣れたときは,コイをメインにした,ハリス3号のオモリ中通しのドボンだったのですが,今回はヘラブナのアタリも取りやすいようにバランス底でハリスは1.7号でした.コイが掛かってもいいようにかなり太いハリスでしたので切られなくて済みました.ライギョのアタリはいつもズバッと気持ちいいです.今回もヘラブナ用のダンゴエサでした.
コイ釣りのつもりなのに… またライギョが釣れました.なんとなく,コイよりもライギョのほうが,ハリス付きの餌に対する警戒心が薄いように感じています.今度のライギョは以前釣れたのよりはちょっと小さめで全長50.5cmです(重さは測り忘れ).仕掛けは以前と一緒で,魚のサイズが小さいので,やり取りはかなり余裕がありました.ちなみに今回のエサは,ヘラブナ用のエサ(ダンゴの底釣り夏).
体は黒化しておらず,カムルチーの2列の菱形模様がしっかり見えます.
頭部の拡大.
ライギョの死体
水際に浮かんでいたライギョの死体を観察してみました.全長は30~40cmぐらいでしょうか.フナの死体なら内臓を食われるのとともに,それ以外の体の筋肉も食べられていきますが,このライギョは,頭部(アゴ)と内臓はなくなっていますが,それ以外は皮のついたままで身も綺麗なまま.おそらくライギョの皮が厚いから,死体をついばむ小魚の攻撃を受けにくいのでしょうね.
頭骨だけが残った頭部.頭骨以外の頭部のもの(眼球,エラ,脳,頭部の筋肉など)がすべて取れてしまっています.上アゴや下アゴもありません.
大きなライギョが釣れました.全長66cm(標準体長57cm),体重2.9kg.この魚は最大で80cmにもなるそうですが,自分にはこの大きさでも初めて見るサイズで,体が黒くて迫力のある体型にかなりビビり気味でした.
釣りをしているとき,何頭もの大きなライギョがあちこちで水面に呼吸をしに上がってきているのはよく見えていました.小合溜のライギョの生息密度は結構高そうです.でも,練り餌でコイとフナ狙いの釣りをしていたので,ライギョは釣りの対象魚とは思っていませんでした.ライギョって練り餌も食べるんですね.ライギョといえば,小魚やカエルなどの生き餌や,ドバミミズで釣るのかと思ってましたので,びっくりしました.最近使っているエサは,いもグルテン 2:浮子鯉 1 です.大きなコイに対応できるような仕掛け(詳細はコイのページに)だったので,ライギョにも対応できてラッキーです.たぶんライギョが掛かったのはこの日が初めてなのですが,アタリの感じをウキの動きでいうと,大きなコイのあたりを「びよん」「ぼわん」だとすると,ライギョのアタリは「ぼこん」「ずぼん」です(何言ってるんだろ自分って感じですが).大きなコイはゆっくり移動しながら水底をハフハフしてエサを吸い込むのに対して,ライギョはぱくっと食べたら反転してそのまま引っ張っていく感じなのだと思います.上の写真のライギョの掛かる前に,同じようなアタリの後,すぐにハリス(フロロカーボン3号)を切られたときがあったのですが,そのときもライギョだったのかも.釣れたときは歯でハリスが切られなくてラッキーでした.引きの感じをコイと比べると,コイのほうが走るときのピーク時の力は強いかなというのと,魚が寄るまでの抵抗時間が長いかなという気はしますが,ライギョはいきなり持ってかれるので,やり取りの迫力はこちらもすごかったです.あと,大きなコイがエサを食べると水底から細かい泡がブワーッと一面に上がりますが,ライギョではああいうのはなさそうでした.
頭部の拡大.以前釣れたライギョの子供がカエルっぽい顔でちょっとかわいかったのと比べると,目や口のバランスが違うので可愛い感じはまったくなし.肉食魚っぽい大きな口が迫力あります.
体の側面.ライギョ模様(茶色い菱形が2列に並ぶ)がぼけてはっきりしません.ある程度以上大きくなると,模様が見えなくなるのが一般的なのでしょうか.ウロコはあまり大きくなくてびっしり並ぶ感じです.
胸ビレが特徴的な形.ヒレが中央部で長く伸びています.まわりに泡がたくさん見えますが,粘液がすごいです.白いビニールシートの上で2,3回跳ねたのですが,それでまわり中がヌルヌルに.ライギョは水から上げてもずっと生きているとか生命力が強いとか言われていて,空気から酸素を取り込めるのがその理由ですが,このときに体表の粘液も,体が乾燥しないのに役立っているのでしょう.
こちらが魚が跳ねた後.頭が平たくて,体の横幅がもっとも広いのが頭部です.胸ビレを立ててるのが特徴的で,水面に呼吸に上がってきたライギョも頭部と胸ビレで判別できます.
歯が鋭いというのをよく聞くので,口をちょっと開けてみたのですが,上顎・下顎とも長く尖った牙のような歯がぽつりぽつりと見え,それとは別に下顎に短い歯がびっしり並んでいるように見えました.ここにハリスが擦れると切られそうですね.ハリを外すときなどにも口の中に手を絶対入れたくないです.今回のハリはスレ鉤でしたので,魚をネットに取り込んだ時点で口から外れてました.
水産試験場跡地の復元池です.岸際の浅いところで,水面直下に大きな魚が数頭ゆらーっとゆっくり漂っているのを見つけました.ここでは大きなコイを見たことがありましたので,今回もコイかなと思いましたが,体型が細長くて体を大きくくねらせる動きをする魚で明らかにコイではない.ライギョに違いないということで,しばらくその場で魚が見やすい位置に来るを待っていました.魚は周辺をゆっくり巡回するように移動しながら,そのエリアにとどまっています.エサを探しているというよりも,縄張りの巡回中?休憩中?のような印象.
上の写真は,見た目で40~50cmぐらいの魚でしょうか.体に斑紋は薄く,注意してみないと見えないようです.
上の写真は,もう少し小さくて30cmぐらいのライギョだと思います.こちらは典型的なライギョの模様がはっきり見えます.
ここが釣り禁止でなければ,目の前にそっと太いミミズでも落としてみたいところなんですが….
朝8時半頃,水生植物園の池を通りがかった時の写真.水生植物園の池はいま水深が浅くなっていて,池の中央や周辺付近など,あちこちに水底でじっとしている大きな魚が見えていました.大半はコイでした.大きくなったコイは太いですね.特に体の前半部が太くて,尾に向かって次第に細くなっていくので(マグロにような)流線型に見えます.その中に,1頭だけ雰囲気の違う魚がいたので写真を撮ってみました.周囲のコイよりも体が長く見えて,60, 70cmぐらいありそうな感じ.背びれが尾の方まで長く続いています.体はコイほど太くないですが,頭部が最も太いように見えます.園内でこういう魚を見たことありませんでしたが,思いつくのはライギョぐらいです.
ネット上でコイとライギョが並んでいる写真を探してみました(参考3).参考3の写真を見ると,体の前後の太さの変化がコイとライギョで違うのがわかります.上の写真では,ライギョの特徴的な斑紋が見えていませんが,おそらく間違いないでしょう.もう少し近づいて別角度からの写真を撮ろうとしたら,魚に気づかれてしまい,体をくねらせるようにして深い方に行ってしまいました.
水生植物園の池は,昨年半分だけ「かいぼり」をしていました.池を長いネットで2つに仕切って,ネットの一方の側の水を完全に抜き,反対側には魚が生きるように中心部に浅く水が残っていました.水を抜いた側には貴重な水草がたくさんありますので,水底をぐちゃぐちゃにするコイなどから水草を守るために,魚を池の反対側に分離するというような趣旨の掲示が出てありました.今回,大きなライギョやコイをみたのは,コイなどがいないはずのかいぼりをした側(水草を保護する側)なんですよね.池の中央には池を2分するようにネットがまだ張ってありますが,残念ながら,魚がネットのすき間をすり抜けてきてしまったのでしょう.この池は公園の他の池とは区別して,水生植物のための池と目的を割り切って,コイなどを完全に取り除いてしてしまってもよいのかもしれないとちょっと思いました.
※ 水生植物園は動植物採取禁止です.また,水元公園ではリールを使った釣りは全域で禁止されていますのでご注意ください.
いつも水元公園で子供と釣りをするときは,アカムシを餌にしてますがこの日は違うものが釣れるかも,ということでミミズで釣りをしてみました.いつものようにクチボソが釣れていましたが夕方近くになって,体長10 ㎝そこそこのライギョのこどもが釣れました(初).こんなに小さくても体の模様ははっきり出ています.水元公園は昔からライギョがいるのは知られているようです.育つと数十㎝になるライギョはルアー釣りの対象魚ですが,水元公園内ではリールを使った釣りは禁止されています.
ライギョの英語名は「スネークヘッド」で,確かにヘビっぽいですが,目の感じがカエルっぽくもあるように感じます.カムルチーとは,朝鮮での名前とのこと.近縁種のタイワンドジョウとともにタイワンドジョウ科に分類されています.日本でライギョというとカムルチーとタイワンドジョウの療法を含む呼び方になりますが,日本でタイワンドジョウが分布するのは一部地域だけで,全国各地に住んでいる「ライギョ」はカムルチーだけだそうです.カムルチーは外来種で,以前の要注意外来生物のリストには含まれていましたが,要注意外来生物を引き継いで制定された生態系被害防止外来種では対象から除外されました.カムルチーの各地での分布がすでに安定していて,これ以上被害が拡大する可能性が低いという判断なのだと思います.「ようこそ,カムルチー」?
参考
- Global Invasive Species Database (2018) Species profile: Channa argus. Downloaded from http://www.iucngisd.org/gisd/species.php?sc=380 on 30-05-2018.
- “カムルチー”. ウィキペディア日本語版. 2020-08-28. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%BC, (参照 2020-09-16).
- 福岡市・大濠公園の雷魚が気になる・・・! “博多発ルアー釣りブログ!”. http://blog.livedoor.jp/turitoka2/archives/11053390.html.
- . “”. (参照 ) .
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