基本情報

和名
ハシブトガラス
分類
鳥綱 スズメ目 カラス科 カラス属 (Corvus)
英名
Large-billed Crow, Jungle Crow
学名
Corvus macrorhynchos
状況
IUCN レッドリスト 2021-3[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考1)

写真とメモ

最新の写真

園内の疎林,2021年11月7日午前,晴れ

疎林の地面でハシブトガラスの死骸を発見.体の大きさはちょっと小さめかも?と感じました.若い個体かもしれません.園内ではたまに死んだカラスを見かけますが,普通の人の認識では逆に「カラスは街にたくさんいるのに死んだカラスを見かけない」みたいですね(参考4).参考4の専門家の説明では,弱ったカラスは森などの隠れられる場所に移動して死を迎えるために,街中ではカラスの死体は見られないというものでした.なるほど…,弱ったカラスが水元公園の森に来るなら,死んだカラスが見られるのは説明できます.

以前見つけた死骸は白骨化していましたが,今度のは羽毛も残っています.死んでからの経過時間が違うだけかもしれませんが,以前のは死んだあとに他のカラスなどに肉を食べられたのかもしれません.

園内の疎林,2021年11月7日午前,晴れ

頭部の拡大.くちばしの上縁が弧を描き,根元から中央部あたりまでが太い,ハシブトガラスのくちばしです.眼球は昆虫にでも食べられたのか,抜け落ちていますが,顔の羽毛と皮膚は全て残っているようです.

園内の疎林,2021年11月7日午前,晴れ

足の拡大.黒くツヤのあるウロコで覆われた感じがどこかで見たことがある印象でしたが,中世の鉄鎧の小手(アマゾン)でした.

園内の疎林,2021年11月7日午前,晴れ

風切羽.



中央広場,2020年2月2日お昼,晴れ

広場のはずれで木の切れ端をくわえたり,くちばしでつついたりしているカラスがいました.この木材は断面が平らなので伐採された木材の一部なのではないかと思います.園内には昨年の台風のときに折れた木を伐採したのがあちこちにあります.このカラスはどこからこれを持ってきたのか,中に虫などがいないか探しているように見えました.

中央広場,2020年2月2日お昼,晴れ

その後,木材を離し,鳴いているところ.このカラスが鳴くと,広場の外の森の方から返事があるようです.何か連絡している様子.近くで写真を撮っているわたしを警戒しているのかな.




死骸

水生植物園付近,2019年12月15日午前,晴れ

カラスっぽい鳥の死骸を発見.黒い羽と白く見える骨だけが残っていて,完全に白骨化しているようです.カラスの死因はわかりませんが,肋骨などきれいに揃っているようで,以前見つけたタカ類に食べられたドバトのような,おなかが開けられた印象はありませんので,死因は別の理由でしょうか.鳥が死んだあと,どのぐらいの期間でこの状態になるのでしょう.季節によって微生物の活性やら肉を食べに来る虫がいるかどうかなど,白骨化のスピードが違いそうですが,今は冬で,骨には肉片などが全く残っていないので夏から秋に死んだのかも.

水生植物園付近,2019年12月15日午前,晴れ

頭部の拡大.頭骨はきれいな白色.上下のくちばしが頭骨につながっている骨でできているというのがよくわかります.ハシブトガラスとハシボソガラスを区別しようと,上くちばしを見てみますと,中ほどまで太くて,上縁がきれいなカーブを描く形はハシブトガラスのくちばしに見えました.くちばしの色は上は白くて下は黒くて不思議です.くちばし(の骨)の表面はケラチン質で覆われているので,上くちばしではその層がはがれてしまい,下くちばしでは残っているということなんでしょう.画面左に見える骨は翼を動かす筋肉を支える胸骨.

水生植物園付近,2019年12月15日午前,晴れ

足の拡大.足の皮膚と爪が真っ黒.写真上に見えている関節がかかとの関節,その上に見えている骨がスネの骨(脛骨と腓骨)ですね.

水生植物園付近,2019年12月15日午前,晴れ

上の写真は胴体部.画面右端に頭骨とくちばし.画面左下の関節が膝関節,その上の骨が大腿骨.画面上部に左右に走るのが脊柱(背骨)で,背骨から下に出ているたくさんの細い骨が内臓を守る肋骨.写真右寄りにある大きくて薄い板状の骨は体の前方にある胸骨です.右上にいくつか見えている太めの骨が翼を支える骨(肩甲骨,鎖骨,烏口骨など)だと思います.

鳥の骨格をまじまじと見ると,基本的にすべて華奢で,特に肋骨などはこんなに細いのかというほど.どの骨も内部はスカスカで軽量化されているものと思います.


巣立ち?

園内の林,2019年6月9日午前,くもり

林の道を歩いていたら,すぐ近くから,どこか弱々しい?曖昧な感じ?のカラスの鳴き声が聞こえてきました.道端のフェンスの向こう側にいたのは,カラスの子どもでした.羽は大人と同じに見えますが,体がひと回り小さい個体です.クチバシは子供の頃から太々しいのでハシブトとわかります.このフェンスは,林内の道路と立ち入り禁止区域を隔てているだけで,カラスは檻の中にいるわけではありません.子ガラスは人が近くに行っても動こうとせず,ただ鳴くばかり.おそらくこの付近の巣から飛び出して地面に不時着.親を呼んでいるところかと思います.

園内の林,2019年6月9日午前,くもり

フェンスの方を向いて,口を大きく開けて鳴いている子ガラス.2枚の写真を並べているだけで,カラスが2羽いるわけではありません.子ガラスの口の中は真っ赤.カラス科のヒナの口の中はみな赤いそうです(参考3).親はこの赤い色を見るとエサをやりたくなるというようなのも聞いたことがあります.


水浴び

せせらぎ広場,2013年5月3日午後,晴れ

気温の上がった連休の休日,せせらぎ広場ではジャブジャブ水に入って遊ぶ子どもの姿がみられましたが,カラスも水浴びに来てました.湾曲した立派なクチバシをもった,ハシブトガラスの集団です.ハシブトガラスのクチバシはガンダム系のプラモデルとか,剪定バサミとかを連想させます.それにしても,気持ちよさそうです.

せせらぎ広場,2013年5月3日午後,晴れ

集団でわいわいいいながら水浴びをしている姿.参考2によると,ハシブトガラスとハシボソガラスでは,性格というか行動パターンが違うそうです.面白いですね.



参考

  1. BirdLife International 2016. Corvus macrorhynchos. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T103727590A94046488. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T103727590A94046488.en. Downloaded on 19 July 2019.
  2. カラスの生態:ハシボソの性格とハシブトの性格. “あおもりくまの生態”. http://aomorikuma.blogspot.jp/2009/07/blog-post_02.html.
  3. ヒナは拾わないで カラスの親子に気づこう (2013-6-15). “NIKKEI STYLE”. https://style.nikkei.com/article/DGXNASDG07028_X00C13A6000000/.
  4. 中村陽子:あんないるのに「カラス」の死骸を見ないワケ 日本人が意外と知らないカラスの生態 (2018-08-12). “東洋経済オンライン”. (参照 2022-02-12) https://toyokeizai.net/articles/-/232285.
  5. . “”. (参照 ) .