ジュズダマ Job's Tears
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ジュズダマの花がちょうど咲いていました.花期は参考2では6~10月,参考3では8~9月になっています.ジュズダマの実は花が終わってから膨らむのかと思っていましたが,花のときにすでに存在していることに驚愕.
花は雄小穂と雌小穂に分かれていて,実のような丸い部分が硬質壺型の苞鞘で,それに包まれて内部にあるのが雌小穂で,白い試験管ブラシのようなものが出ているのが雌しべの花柱です.雌小穂の苞鞘から長く伸びた先に付いているイネ科の小穂っぽい形の部分が雄小穂で,薄黄色い雄しべの葯がぶら下がっています.雌小穂の丸いところを支える花茎が長いのと短いのがあることに注目すると,1) 右下の1つは,最初に雌小穂から雌しべ(試験管ブラシ)が出る雌花期,2) 左上の2つは,雌小穂の花茎が伸びて,その先の雄小穂も伸びて雄しべがでる雄花期という順番なのでは.
大きくツヤのある葉の様子.
基本情報
- 和名
- ジュズダマ
- 分類
- 被子植物類 単子葉類 ツユクサ類 イネ目 イネ科 ジュズダマ属 (Coix)
- 英名
- Job's Tears
- 学名
- Coix lacryma-jobi L.
- 状況
写真とメモ
水べの野草園の囲いの中で,緑や黄色,茶色の丸い実がなっている草.ジュズダマの実は固くなって,数珠(じゅず)の玉のような形をしていて,内部にひもを通せる穴が開いているので子どもの遊び道具として,また実際に数珠に使った時代もあるとのこと.ハトムギの原種でもあります.ただし本当は実ではなく,花芽を包む「苞葉鞘」と呼ばれる部分で,その内部から雄花と(雌花の)柱頭が伸び,花のあとは固くなって,実を包む殻のようになります.
長い期間に渡って花が咲くようで,上の写真の左から白い柱頭と雄花の小穂が出ている花の段階(緑),中央のいくつかは花が終わって黄色くなっているもの,右には更に時間が経過して茶色くなっているものがあります.このあともっと黒くなって固くなるはずですが.右に3本見えているのは黒くなった実がついていたのだと思いますが,取れてしまっています.周囲に落ちているのか,誰かが持って行ってしまうのか.
上の写真でも,左は柱頭が見えていて,右は茶色く変色しているもの.ハトムギはジュズダマの変種ですが,ハトムギでは苞葉鞘の形がもう少し細長く,ジュズダマほど固くならないそうです.
ジュズダマは熱帯アジア原産の外来種で,食用に持ち込まれたのが野生化したようです(参考1).ジュズダマの学名 Coix lacryma-jobi の種小名 lacryma-jobi や英語名 Job's tears は,「ヨブの涙」の意味で,聖書に出てくる,立て続けに不幸にあうヨブのエピソードが由来(参考5, 6).
植物の遠景.基本的に多年草で,毎年同じ場所に生えています.ジュズダマは園内でも見られるクロコノマチョウの食草ですが,園内のどこにでもあるススキなども食べるようですので,ここで発生しているわけではなさそうです.
参考
- “ジュズダマ”. ウィキペディア日本語版. 2020-09-23. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%BA%E3%83%80%E3%83%9E, (参照 2020-11-02).
- ジュズダマ. “三河の植物観察”. (参照 2020-11-02) https://mikawanoyasou.org/data/jyuzudama.htm.
- ジュズダマ. “松江の花図鑑”. (参照 2020-11-02) https://matsue-hana.com/hana/juzudama.html.
- ジュズダマ/ハトムギ(イネ科). “植物図鑑 自己流~♪”. (参照 2020-11-02) http://boo-bee.cool.coocan.jp/plants/monocommelina/hatomugi.htm.
- “ヨブ”. ウィキペディア日本語版. 2020-10-28. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%96, (参照 2020-11-03).
- 2018.7.29 宣教「ヨブの嘆きとヨブの涙」. “日本キリスト教団 水元教会”. (参照 2020-11-04) https://mizumoto-church7.webnode.jp/news/%E3%83%A8%E3%83%96%E3%81%AE%E5%98%86%E3%81%8D%E3%81%A8%E3%83%A8%E3%83%96%E3%81%AE%E6%B6%99/.
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