ヒメジャノメ Chinese Bushbrown
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林縁の草地を飛ぶ小さなチョウが目につきました.ウラナミシジミぐらいの「大きめのシジミチョウ」のサイズでしたが,斑紋はヒメジャノメ.幼虫のときのえさがよくなかったかどうかして小型の成虫になってしまった個体のようです.止まっている葉のサイズを後で測って,このチョウの前翅長を推測してみると1.75cmでした.参考3によるとヒメジャノメの前翅長は1.8cm~3.1cmとのことで,ヒメジャノメとしてはほぼ最小サイズの個体です.翅が小さいだけでなく,白い帯が広かったり,茶色い亜外縁線が波打っていなかったりちょっと雰囲気が違います.ヒメジャノメの食草はイネ科やカヤツリグサ科などで園内にたくさん生えている種類です.
基本情報
- 和名
- ヒメジャノメ
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (チョウ類) アゲハチョウ上科 タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科 マネシヒカゲ族 コジャノメ属 (Mycalesis)
- 英名
- Chinese Bushbrown
- 学名
- Mycalesis gotama Moore, 1857
- 状況
写真とメモ
林の中にいたヒメジャノメ.ヒメジャノメの後翅の裏面には,前翅のいちばん近くにある大きな紋のとなりに小さな紋が通常は2つ並んでいると思っていましたが,この写真の個体はこの紋がありません.参考2によると,ヒメジャノメではこの小さな紋が消失しているほうが多いようなのですが,これまで園内で撮ったヒメジャノメの写真ではみな紋がしっかり見えていました.消失型はこの写真の個体がはじめてでした.
めずらしくヒメジャノメが樹液場に来ているのを発見.樹液の状態はあまり豊富ではなく,ちょっと乾燥気味に見えたのですが,翅を動かしながらしばらく吸い続けていました.
こちらは葉上でみつけた別個体.朝日に翅を広げているところ.
ヒメジャノメのオスメスは後翅の裏面の内側部分に毛が集まって盛り上がったところがあるのがオスとのことで,この個体はオスのようです.
どういう光の加減か,ヒメジャノメの眼が透き通るような水色です.太陽光で撮影したときの眼の色は体の色に近い淡褐色なのでストロボで撮影したことで光がまっすぐ反射してくることと関係あるかもしれません.ヒトの場合,眼底に反射したストロボの光で眼が赤く見えるのと似ていて面白いです.チョウの鱗粉が特定の方向から見たときだけ鮮やかな色に見えるようなのと同じ仕組みでしょうか.
池の周りの草地に止まっていたヒメジャノメ.翅がフレッシュだったので撮影.園内ではヒメジャノメは見ますが,コジャノメは見たことがありません.東京ではコジャノメはレッドリストに掲載されていて,「情報不足」となっています.
かなり冷え込んだかなと感じた秋の朝,散歩していて見つけたのが,林の陽だまりで翅を広げているヒメジャノメでした.同じ時にヒカゲチョウ(ナミヒカゲ)も同様に翅を広げているのを見つけており,日陰が好きなイメージの強いジャノメチョウですが,寒いときは翅を広げて日にあたるんだなと思いました.変温動物は体温が上がらないと活動できないので背に腹は代えられないということですね.
翅裏の模様はヒメジャノメ.コジャノメとの区別法は参考3に.
暗いくもりだったこの日,一番たくさん飛んでいたのがこのチョウ.色が明るかったのでみなヒメジャノメっぽかったのですが,全部ヒメジャノメなのか,コジャノメも混ざっているのか調べてみたいところ.
参考
- Mycalesis gotama Moore, 1857 in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/1893546 on 2024-09-23.
- ヒメジャノメ×コジャノメ 翅裏比較図Ver.1.0.“蝶鳥ウォッチング”. https://yoda1.exblog.jp/13865468/, (参照 2024-09-23).
- ヒメジャノメ. “埼玉県の蝶”. http://gauss.g2.xrea.com/himejyanome.html, (参照 2024-09-23).
- . “”. , (参照 ).
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