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園内の街灯,2023年5月21日夜,くもり

ちょっと小さめのオニグモ.腹部の前方の2つの突起が見え,背面のクリスマスツリー状の模様がきれい.オニグモの体の大きさに対して,脚が太くて長いので,ライオンなどの肉食獣の子供の足が大きいような,不釣り合いなバランスに感じます.

園内の街灯,2023年5月21日夜,くもり

横から見たところ.



基本情報

和名
オニグモ
分類
節足動物門 クモ綱 クモ目 コガネグモ科 オニグモ属 (Araneus)
英名
(in Jpn.) Onigumo; a Species of Common Orb-weaving Spiders
学名
Araneus ventricosus
状況
千葉県レッドリスト-動物編(2019年改訂版)[D] 一般保護生物 (参考1)

写真とメモ

小合溜沿いの草地,2022年6月19日朝,晴れ

草地で網を張っていたオニグモ類.よく似た近縁種の多いグループなので,特徴の表れていそうな写真が撮れると種類を確認してみているのですが,写真の個体はふつうのオニグモのようです.この時期のオニグモの大きさは成体よりも少し小さいので,まだ幼体なのかなと思います.

小合溜沿いの草地,2022年6月19日朝,晴れ

背面の模様が個体差が大きいのに対し,メスの腹面の模様は種類ごとに特徴があるという記述を見たことがあるのですが,肝心の腹面の種類ごとの写真をみつけることができず,自分で撮ってみているところ.ほんとうは交尾器の拡大もほしいのだと思いますが.



小合溜沿いの草地,2020年11月3日お昼,くもり

すっかり秋も深まり,草地に巣を張っている大型のクモもすっかり減り,ジョロウグモぐらいになりました.草地の葉上でみつけたのはオニグモの幼体でした.色が明るくて成体と印象が違いますが,腹部背面の模様は成体と同じ形で浮き出しています.参考に2によると,オニグモは幼体で越冬し,亜成体,成体で越冬することもあるとのこと.



園内の街灯,2020年8月29日夜,くもり

街灯の支柱の上の方に巨大なオニグモのメスが巣を張っているのをみつけました.これまで自分が園内で見た中で最も大きいオニグモです.腹部は卵でぱんぱんに膨らんでいて,腹部両側の突起部分がかろうじてわかるぐらい.最近8月に見つけたメス(下の写真)と,後肢と腹部の大きさの比を比べてみると,腹部の大きさは,8月の個体の2倍近いのがわかります.



園内の林,2020年8月1日夜,くもり

街灯に巣を張っていた,大きなオニグモのメス.クロコガネを掴んでじっとしていました.捕まえたばかりで糸をくるくる巻いているところではなく,体液を吸っているところなのではないかと思います.卵が成熟してくる時期なのか,腹部の形が丸くなってきていて,腹部の両側の突起が目立たなくなってきています.



園内の林縁,2018年9月17日朝,くもり

これまで園内で見たなかで,もっとも大きなクモに感じました.成熟したメスのオニグモだと思いますが,腹部が卵で膨らんでパンパンという感じではありません.もう9月の半ば,産卵は終わっている時期なのかもしれません.道路に腹面を向けて巣を張っていて,背面から写真を撮れなかったのと,糸でぐるぐる巻きの大きな獲物を抱えていたので,腹面の模様も撮れず.

園内の林縁,2018年9月17日朝,くもり

まだ獲物に糸を巻き付けている作業中でした.長い脚を器用に使ってくるくると獲物を回しています.獲物は昆虫だと思いますが,どういう虫かちょっとわからず.1枚目の写真に獲物の黒い目が写っていますが,ガかな?



水産試験場跡地の林縁,2018年6月3日午前,晴れ

オニグモ類は夜に巣を張って朝には巣を撤収して隠れてしまうイメージがありましたが,日の高くなった時間帯にも巣の真ん中にいたオニグモらしきクモ.体長は2cmよりも小さいぐらいです.成虫かどうかも不明ですが,オスメスの判定ができる部分(メス腹面の生殖器とか,オスの触肢とか)も見えていないです.腹部の両側に尖って張り出した箇所があるのはオニグモ属の特徴とのこと.

以前はオニグモという1種だったのが,ヤエンオニグモとヤマオニグモが分離されて現在は3種になっています(参考2).オニグモ類は背面の模様や色調に変異が多くて,背面の模様だけでは同定が難しいようです.一方,腹面の模様には変異が小さく,より確実に種類がわかるそうです.これはメスの腹面の模様はオスが交接をするべき相手かどうかの判断に使っているからという説が(参考3).なるほど! 次回は背面と腹面両方の写真を撮ってみます.このクモはオニグモらしく,ヤエンオニグモは腹部の背面の大きな三角形の模様(葉状紋)の縁取りの波形が小さくより直線的で,足(歩脚)の各節の末端部以外に中間部にも濃い色の部分があること,巣に「隠れ帯」という構造をつくることなどが特徴とのこと(参考2,4).また,ヤマオニグモは腹部が細長く,体色が黒めで腹部の葉状紋のコントラストが強いのが特徴.近縁のヒメオニグモ属のヤマシロオニグモなどは,腹部両側の尖った盛り上がりがなく,腹部背面の模様もちょっと違う感じ.



参考

  1. 絶滅危惧種の保護に向けて. “千葉県 環境生活部 自然保護課 生物多様性センター”. http://www.bdcchiba.jp/endangered/endang_index.html.
  2. “オニグモ”. ウィキペディア日本語版. 2019-11-04. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%B0%E3%83%A2, (参照 2020-08-30).
  3. オニグモ. “クモ画像集”. http://kumomushi.web.fc2.com/n_o/onigumo.htm, (参照 2020-08-30).
  4. ヤエンオニグモ.“クモ画像集”. http://kumomushi.web.fc2.com/t_z/yaenoni.htm, (参照 2020-08-30).
  5. . “”. (参照 ) .