基本情報

和名
アオカミキリモドキ
分類
節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 カミキリモドキ科 Xanthochroa
英名
(in Jpn.) Ao-kamikirimodoki; A Species of False Blister Beetle
学名
Xanthochroa waterhousei
状況

写真とメモ

最新の写真

園内の街灯の下、2018年5月26日夜、晴れ

林内の葉上には、夜もアオカミキリモドキがたくさんいます。足の脛節とその先が黒っぽいのでこれもアオカミキリモドキでよいと思います。体がやや大きなメスで、腹部の先端の生殖節が少し見えています。頭部と胸部が太めで、オスよりも目が飛び出していないように思えます。このページ下の方の昼の写真と比べると、ストロボの光の加減で、緑色の鞘翅の色の雰囲気がかなり違いますね。

園内の街灯の下、2018年5月26日夜、晴れ

別の個体。こちらもメスと思います。



園内の林床、2018年5月20日朝、晴れ

この日、林の葉上でたくさん見られたのがこの虫です。カミキリモドキ類なのですが、種類を調べてみると、アオカミキリモドキまたはそれと近縁のカトウカミキリモドキという種類か、どちらかだろうということになりました。この2種類の区別については、参考1,2の解説が非常に役立ちました。アオカミキリモドキは足の腿節は黄色ですが、脛節から先の色が濃いのに対し、カトウカミキリモドキは全体が黄色。アオカミキリモドキは頭部、胸部などの幅が狭めで、左右の目の間も近いのに対し、カトウカミキリモドキは幅がやや広め。オスでは、アオカミキリモドキが鞘翅の先から腹部の先端の生殖器がはみ出がち、カトウカミキリモドキは生殖節が先端に向かって左右に大きく広がる。など。これらを参考にすると、この個体は腹部の先端が大きくはみ出て、あまり外側に広がっていないこと、足の脛節の先の色が少し濃くなっていることなどから、アオカミキリモドキのオスだと思います。アオカミキリモドキもカトウカミキリモドキも普通種で、アオカミキリモドキの分布は日本や朝鮮半島とのこと。

カミキリモドキは、体に毒のある虫が多いことで知られています。皮膚につくと炎症を起こすそうです。毒成分の名前はカンタリジン(参考3)といい、ツチハンミョウ(薬としての名前がカンタリス)の毒と同じ成分ですね。他に、ジョウカイの仲間、ハネカクシの仲間なども同じ毒だそうです。

園内の林床、2018年5月20日朝、晴れ

横から見たところ。足の脛節、跗節はそれほど色は濃くないです。

このグループの名前に面白いことを見つけました。日本語でカミキリモドキは、もちろん、カミキリムシに似ているという意味ですが、このグループの英語名は False Blister Beetle といいます。Blister Beetle はツチハミョウなので、これを無理に日本語にするとツチハミョウモドキという感じですね。ツチハンミョウとカミキリモドキは外見も少し似ていますが、どちらも同じ毒をもつ虫つながりでの命名でしょうか。一方、英語でカミキリモドキに相当する False Long-horn Beetle と呼ばれている虫は別にいて、そのグループは日本ではクビナガムシと呼ばれています。カミキリムシに似ているグループが日本語と英語でずれてるという話でした。


参考

  1. アオカミキリモドキ - 『東京23区内の虫 2』 http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-1034.html
  2. カトウカミキリモドキ - 『東京23区内の虫 2』 http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-1035.html
  3. カミキリモドキ類 Oedemeridae - 『イカリ消毒』 https://www.ikari.jp/gaicyu/54020d.html
  4. - 『』