ア力ハジ口 Baer's Pochard
基本情報
- 和名
- ア力ハジ口
- 分類
- 鳥綱 カモ目 カモ科 ハジロ属 (Aythya)
- 英名
- Baer's Pochard
- 学名
- Aythya baeri (Radde, 1863)
- 状況
- IUCN レッドリスト 2023-1 :[CR] Critically Endangered A2cd+3cd+4cd; C2a(ii) (深刻な危機) ver 2.3, Pop. trend decreasing (個体数減少傾向) (参考1)
- 環境省レッドリスト2020:[DD] 情報不足 (参考2)
- 千葉県レッドリスト-動物編(2019年改訂版):[A] 最重要保護生物 (参考3)
写真とメモ
公園で珍しいカモが見られているというネット上の情報を見て観察に寄ってみました.ア力ハジ口はIUCNのレッドリストでは,Critically Endangered (深刻な危機)とされていて,世界で 150~700個体しか残っていないと推定されている絶滅危惧種です(参考1).日本には西日本を中心に越冬個体が見られることがありますが,主として中国東北部で越冬し,中国南部で繁殖する種類のようで(参考1),中国の環境問題に強く影響を受けて減少している種類なのだと思います.ホシハジロと同じハジロ属の潜水ガモで,ホシハジロの群れに混じって見られる場合が多いとのことですが,このときは数頭のオオバンなどと一緒に浅い水辺でエサ取りをしている姿が見られました.自分が見たときは,水中の枯れたガマ地帯で休んでいたところ,池の中で移動しながら潜水を繰り返していました.
ここにいたのはア力ハジ口のメスということのようですが,同じくハジロ属のメジロガモとの交雑個体ではないかという判断もあるようです.もともとこのカモを見慣れていないこともありますが,この種類の識別は素人には非常に難しいですね.
ア力ハジ口のオスは,緑色系に光る黒い頭部に白い目が特徴ですが,メスは目が褐色です.クチバシの横に丸い淡色斑があるとのことですが,この個体では,その場所と頬のあたりが赤褐色です.ア力ハジ口の頭部は緑色の反射があるとのことですが,それはわかりませんでした.メジロガモの頭部は褐色味が強いようで,メジロガモとの交雑個体は頭部が緑色に光らない? 背中から尾は濃褐色で,下尾筒は白.これはア力ハジ口とメジロガモとの共通の特徴です.
ア力ハジ口とメジロガモとの区別点のひとつに,胸部側面,脇のあたりに白い羽がまじるのがア力ハジ口で,茶褐色なのがメジロガモというのがありますが,ア力ハジ口の白い部分は,オスだとはっきりしていますが,メスだとあまり発達しないようです(参考4).上の写真ではちょうど喫水線のあたりにちょっと白い羽の境界が来ていますが,別の方の写真で白いところがきれいに見ているのがありました(参考5).
潜る瞬間に,脇の白いところが見えました.
この日は池の周りに鳥屋さんが非常に多かったからか鳥が警戒しており,自分のコンデジでは太刀打ちできないぐらい,岸から離れてしまったので双眼鏡で観察中心でした.
参考
- BirdLife International. 2019. Aythya baeri. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T22680384A154436811. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T22680384A154436811.en. Accessed on 07 April 2024.
- レッドデータブック・レッドリスト. “生物情報 収集・提供システム いきものログ” (環境省生物多様性センター). https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/booklist.
- 千葉県レッドデータブック・レッドリストについて. “千葉県環境生活部自然保護課 生物多様性センター” https://www.bdcchiba.jp/reddatebook_redlist.
- Baer's Pochard: In "Macaulay Library, Cornell Lab of Ornithology". Retrieved from https://macaulaylibrary.org/asset/24276381 on 2024-04-07.
- アカハジロ♀,ミゾゴイ in 水元公園. “野鳥と富士山と気ままな写真”. https://wildbird-fujiyama.com/wild-bird/akahajiro-mizogoi-2/, (参照 2024-04-07).
- . “”. , (参照 ).
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