基本情報

和名
ヒメコウゾ
分類
被子植物類 真正双子葉類 バラ類 バラ目 クワ科 カジノキ属 (Broussonetia)
英名
Paper Mulberry
学名
Broussonetia monoica Hance
Syn. Broussonetia × kazinoki Siebold
状況
IUCN レッドリスト 2023-1[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend unknown (個体数動向 不明) (参考1)

写真とメモ

さくら公園,2024年4月21日朝,くもり

水辺の低木に見慣れない花が咲いていました.ウニのような丸いものと黒褐色で表面のゴツゴツした丸いものがあります.種類はヒメコウゾで,これらはその雄花と雌花のようです.ヒメコウゾは日本や中国に分布する種類で,カジノキとともに,古代から紙の原料として使われてきた種類とのこと.もともとヒメコウゾ,カジノキが区別されずにコウゾと呼ばれたそうですが,その後,中国からヒメコウゾとカジノキを交雑して作った栽培種が入ってきて,これがコウゾと呼ばれるようになったとのこと.ヒメコウゾとコウゾの区別は難しく,葉では区別できないそうです.原種のヒメコウゾは雌雄同株なのに対して,栽培種のコウゾは雌雄異株のことが多く,これらの交雑も起こっていて区別しないこともあるようです.暫定でヒメコウゾとしておきます.

さくら公園,2024年4月21日朝,くもり

この水辺にはいろいろな木が生えていますが,ヒメコウゾはこの1本だけ.公園木として植えられたのではないのかもしれません.

さくら公園,2024年4月21日朝,くもり

雌花は,赤紫の毛が生えた球状で,珍妙な姿.集合花で,毛に見えるところが花柱.クワの実やノイチゴのような実がなります.食べられるがあまり美味しくないとのこと.

さくら公園,2024年4月21日朝,くもり

黒褐色のかたまりが雄花のつぼみ.一部が中から黄色い雄しべが出てきていました.

さくら公園,2024年4月21日朝,くもり

葉はクワの葉に似ていますが,毛が生えていてツヤがありません.葉の切れ込みの有無などが木の育ち具合によって変わるのはヤマグワと同じようです.幼木では切れ込みの大きい葉が,成熟した木では切れ込みがなくなり,写真のような葉になります.



参考

  1. de Kok, R. 2023. Broussonetia monoica. The IUCN Red List of Threatened Species 2023: e.T218982797A218992671. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2023-1.RLTS.T218982797A218992671.en. Accessed on 29 April 2024.
  2. Broussonetia monoica Hance in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/5569721 on 2024-04-29.
  3. 大場秀章, 秋山:日本のカジノキ属植物(クワ科)と学名.植物研究雑誌 89(3): 123-128. 2014. https://doi.org/10.51033/jjapbot.89_3_10501.
  4. ヒメコウゾ(姫楮). “松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/himekouzo.html, (参照 2024-04-29).
  5. クワ科コウゾ属ヒメコウゾ. “かのんの樹木図鑑”. http://kanon1001.web.fc2.com/foto_sinrin/K_kuwa/hime_kouzo/hime_kouzo.htm, (参照 2024-04-29).
  6. ヒメコウゾ/ひめこうぞ/姫楮. “庭木図鑑 植木ペディア”. https://www.uekipedia.jp/%E8%90%BD%E8%91%89%E5%BA%83%E8%91%89%E6%A8%B9%E2%91%A2/%E3%83%92%E3%83%A1%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%BE/, (参照 2024-04-29).
  7. 雄花と雌花とその間(1) ヒメコウゾ . “自然観察大学ブログ”. https://sizenkan.exblog.jp/28571906/, (参照 2024-04-29).
  8. . “”. , (参照 ).