基本情報

和名
ハイイロボクトウ
分類
節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (ガ類) ボクトウガ上科 ボクトウガ科 Phragmataecia
英名
Reed Leopard, Giant Borer
学名
Phragmataecia castaneae
状況
環境省レッドリスト (2019):[NT] 準絶滅危惧 (参考1)

写真とメモ

最新の写真

園内の街灯の下、2018年5月18日夜、くもり

春のガを探して夜の街灯回り。街灯の支柱に止まっていたのは灰色の翅の地味なガ。以前も公園で見つけたことのあるハイイロボクトウ。腹部のあまり長くないのはのオスのようです。去年見つけた個体はもっと白っぽかったのですが、今回は翅が体の色よりも濃いめ、茶色がかった灰色で、前翅にある黒点列も目立ちます。ネット上の写真を見ると、オスはこちらの色調のほうが多いようです。



園内の街灯の下、2018年6月9日夜、くもり

ハイイロボクトウが地面で羽ばたいているのをみつけました。小さな翅と長い腹部をもっていて、翅と体の長さのバランスが独特です。スズメガなどともちょっと違います。以前に見たのよりも腹部が1.5倍ぐらい長いように見えますが、今回のがメスだと思います。前翅の色調はオスとよく似ています。写真のガはずっと羽ばたきを続けていて一箇所に止まっていてくれませんが、飛んでいってしまう前に、かろうじて多少ピントの合った写真が残せました。強い羽ばたきが印象的でした。

園内の街灯の下、2018年6月9日夜、くもり

ちょうど翅をとじたところ。



園内の街灯の下、2018年6月2日夜、くもり

灰色で地味なガですが、翅が小さくて腹部が長くはみでる独特な体型のガです。ボクトウガ科に属するハイイロボクトウは、環境省レドリストに登録された絶滅危惧種でした。写真は触角が櫛歯状になったオスですが、メスはもっと腹部が長くて独特です。ユーラシア大陸のほか、アフリカ北部にも分布する種類でus。

ボクトウガ類は、幼虫が枝を穿孔することで、樹液が出る原因となる虫として知られていますが、ハイイロボクトウが侵入するのはクヌギコナラではなく、ヨシの茎です。したがって、ヨシの生える水辺の減少に伴って絶滅危惧種になったということですね。東京、埼玉、千葉などでは指定されていませんが、近所では栃木や群馬で指定されています。水元公園には広いヨシ原のある訳ですが、どのぐらい生息しているのでしょうか。



参考

  1. レッドデータブック・レッドリスト - 『生物情報 収集・提供システム いきものログ(環境省生物多様性センター)』 https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/booklist
  2. ハイイロボクトウ - 『みんなでつくる日本産蛾類図鑑V2』 http://www.jpmoth.org/Cossidae/Zeuzerinae/Phragmataecia_castaneae.html
  3. ハイイロボクトウ - 『福井県RDB』 http://www.erc.pref.fukui.jp/gbank/rdb/rdbdata/ins181.html
  4. ハイイロボクトウ - 『レッドデータブックとちぎ』 http://www.pref.tochigi.lg.jp/shizen/sonota/rdb/detail/18/0254.html
  5. - 『』