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小合溜沿いの草地,2024年5月3日朝,晴れ

アキニレの葉の虫こぶはきれいな赤色.表面には毛がびっしり生えているのに気づきました.アキニレの葉には毛はなく,毛があるのは葉脈に沿ったところのみ.虫こぶは葉脈からできるのか,虫こぶになるときに葉の性質が変わるのでしょうか.



基本情報

和名
アキニレヨスジワタムシ
分類
節足動物門 昆虫綱 カメムシ目 アブラムシ亜目 アブラムシ科 タマワタムシ亜科 ヨスジワタムシ属 (Tetraneura)
英名
Rice Root Aphid, Oriental Grass Root Aphid
学名
Tetraneura (Tetraneurella) nigriabdominalis (Sasaki, 1899) (オカボノクロアブラムシと同種とする場合), syn. Tetraneura (Tetraneurella) akinire Sasaki, 1904
状況

写真とメモ

小合溜,2023年4月29日午前,晴れ

アキニレの小さい葉に突起状の虫こぶが目立っていました.赤い色の長楕円形の部分に短い柄がついています.アキニレの葉にできるこの形の虫こぶはアキニレハフクロフシと呼ばれていて,それをつくる虫はアキニレヨスジワタムシというアブラムシとのこと.虫こぶの中を開けていませんが,参考3,4に虫の写真あり.アキニレヨスジワタムシの生活環ですが,一次寄主がアキニレで,初夏にこの虫こぶから出た有翅虫が,二次寄主のイネ科に移動して夏に増殖し,秋に再びアキニレなどのニレ科に集まるという1年を送るようです.

小合溜,2023年4月29日午前,晴れ

アキニレヨスジワタムシの学名を調べたら,国際的なデータベースでは,ハルニレにつくオカボクロアブラムシと同種として扱われているようでした.オカボクロアブラムシは一次寄主がハルニレで,ハルニレハフクロフシというよく似た虫こぶを作る種類,日本ではアキニレヨスジワタムシとは別種として扱われています.どちらも世界中に分布する種類のようです.どちらの分類がより新しい研究を反映しているのか不明なので扱いは保留.ハルニレにはこのグループのアブラムシの何種類かがよく似たような虫こぶを作るようで,その区別は難しいとのこと.

小合溜,2023年4月29日午前,晴れ

ヨスジワタムシといえば,初冬にアキニレの樹皮に大量のアブラムシが集結していたのはヨスジワタムシ属と判定しましたが,数種類いる日本産の種類のどれかは不明でした.あれもアキニレヨスジワタムシの可能性もありそうです.



参考

  1. Tetraneura nigriabdominalis in GBIF Secretariat (2022). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/5158788 on 2023-05-04.
  2. Tetraneura akinire Sasaki, 1904 in GBIF Secretariat (2022). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/5158777 on 2023-05-04.
  3. : In "". Retrieved from on .
  4. アキニレヨスジワタムシ. “東京23区内の虫 2”. http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-1717.html, (参照 2023-05-04).
  5. アキニレハフクロフシとアキニレヨスジワタムシ. “明石・神戸の虫ときどきプランクトン2”. https://mushi-akashi2.blogspot.com/2022/05/blog-post_14.html, (参照 2023-05-04).
  6. . “”. , (参照 ).