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園内の林,2024年4月14日朝,晴れ

週の半ばに雨が降ったので,ウッドチップ置き場にキノコが出ていないか来てみました.春の常連,黄色いキノコを今年も発見.シワナシオキナタケ(仮)です.傘の中心部が黄色みが強くて周囲には条線あり.次々とカサが開いてきている時期.

園内の林,2024年4月14日朝,晴れ

カサの中心部にはツヤがあります.こちらは全体が黄色で中心部が褐色味あり.

園内の林,2024年4月14日朝,晴れ

開いた乾燥気味のカサの下に幼菌が.

園内の林,2024年4月14日朝,晴れ

老菌を割ってみたところ.



基本情報

和名
シワナシキオキナタケ(キオキナタケ)
分類
菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 ハラタケ目 オキタナケ科 オキナタケ属 (Bolbitius)
英名
Yellow Fieldcap
学名
Bolbitius titubans (Bull.) Fr.
Syn. Bolbitius vitellinus (Pers.) Fr.
Syn. Bolbitius vitellinus var. variicolor (G.F. Atk.) Krieglst.
状況

写真とメモ

園内の林,2023年5月21日朝,くもり

林のウッドチップ置き場に,カサが明るい黄色に光る,きれいな幼菌がありました.細い柄は真っ白で,カサの縁にも白い縁取りがあります.ウッドチップに生えるキノコで,シワナシオキナタケ(またはキオキナタケ)と思います.この周辺にも何箇所かに生えていました.この日のウッドチップ置き場では,他にはヒトヨタケ類が枯れた痕跡もありましたが,生えているキノコはこれだけ.

以前もシワナシオキナタケとしたキノコがあったのですが,そのときのはもっと淡褐色ぽい色合いで,今回のほうが黄色みが強いです.もともと黄色みが強いのが,時間がたったり,乾燥気味になると色が薄くなっている印象です.

園内の林,2023年5月21日朝,くもり

踏み潰された形跡がありますが,隣りにカサの開いた成菌も.カサが開いたあとは,黄色いのはカサの中心部だけで,周囲は淡褐色で放射状の条線があります.

シワナシオキナタケとキオキナタケは亜種の関係にあり,その区別はカサの中心部にシワがあるかどうかとのことですが,これまで見たものはすべてシワがないように見えます.どういうシワなのか,自分がわかっていない可能性も踏まえて,区別しないでシワナシオキナタケとします.

園内の林,2023年5月21日朝,くもり

カサの裏面.やや密なひだ,時間がたったひだは褐色.

園内の林,2023年5月21日朝,くもり

1本を割ってみたところ.柄は中空.



園内の林,2022年4月24日午前,くもり

林内のウッドチップ置き場で見られるキノコです.以前みつけた幼菌はカサがツヤツヤと黄色く光るきれいなキノコでしたが,今回はカサが広がってちょっと乾燥気味の成菌です.

園内の林,2022年4月24日午前,くもり

かさが開いても表面にはつやがあります.中央はくぼんで濃色,周囲は水平に開いて明瞭な条線が見えます.

園内の林,2022年4月24日午前,くもり

柄の鱗片の様子は幼菌と同じ,ヒダの色がより濃い褐色になっています.



園内の林,2021年4月11日午前,晴れ

林のウッドチップ置き場で見つけた鮮やかな黄色の幼菌.カサはツヤツヤして光っています.カサの中央部は少し色が濃くなっていて平滑,周辺部には放射状の条線がみえます.しばらく種類がわからなかったのですが,ウッドチップのキノコの紹介記事(参考2)に掲載されていたキオキナタケがそっくりなのでたどり着けました.参考2の記事に載っているキノコが公園のウッドチップ地帯で見たことのある種類が多く,なるほど,ウッドチップにはどこでも同じような種類が生えるのかと実感.

シワナシキオキナタケとキオキナタケは同じ種類の変種の関係のようです.カサ中央に網目状のシワがあるかないかで見分けられるようです.日本ではキオキナタケのほうが多く,最初に名付けられたのはキオキナタケのようですが,国際的にはシワナシキオキタナケのほうに最初に学名が付けられていて,キオキナタケはその変種としての学名が付けられています.一方,Species Fungorum というデータベースでは,その2つの種類は変種として認定されておらず,シノニム(同種の異名)になっていました.今回見つけた個体はたぶん,シワナシオキナタケですが,キオキナタケも含む種として考えます.

園内の林,2021年4月11日午前,晴れ

半分に割ってみたところ.カサの下面のヒダは密で淡色,柄は表面はやや鱗片が目立ち,内部は中空.



参考

  1. Bolbitius titubans (Bull.) Fr. in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/9127230 on 2024-04-27.
  2. 初夏の公園の自然観察。ウッドチップはキノコの天国。美味いキノコもあるぞ!. “BE-PAL(小学館)”. https://www.bepal.net/play/hunting/64297, (参照 2023-06-10).
  3. シワナシキオキナタケ. “きのこ図鑑(山と自然の旅)”.株式会社自然生活工房. http://www.yamatabi.net/main/zukan/kinoko/kah0153_7.html, (参照 2023-06-10).
  4. シワナシキオキナタケ. “三十九さんの部屋”. https://sanjukyusan.fc2.net/blog-entry-1271.html, (参照 2023-06-10).
  5. シワナシキオキナタケ1. “きのこ屋”. http://hirocybe.lolipop.jp/00jap2/siwanasikiokina1.htm, (参照 2023-06-10).
  6. . “”. , (参照 ).