最新の写真

水生植物園,2024年1月20日午前,くもり

水生植物園の池には10数頭のオオバンの群れが泳いでおり,そこに1頭だけカモが混じっているのを見つけました.このカモは潜水を繰り返してエサ取りをしている様子.体の色合いはホシハジロのオスなのですが,頭部の模様がちょっと違うように見えました.結論として,潜水していたために羽が濡れたところが色が違って見えているだけのようでした.ホシハジロは小合溜の沖合に集団で浮いて休んでいる場面を見慣れていますが,園内でエサ採りをすることもあるのですね.ホシハジロの食性については雑食のようですが,参考3には「底泥中の貝類や軟体動物等の底生生物を採食する」と動物食を示す内容で,参考4には「アマモ,エビモ,シャジクモなどの水草」と植物食を示す内容でした.場所や研究結果によって食べ物の傾向が違うようです.

水生植物園,2024年1月20日午前,くもり

潜ってお尻だけが見えているところですが,このあと体全体が完全に水没します.ホシハジロは体が完全に水に沈み,水底でエサ採りをするいわゆる「潜水ガモ」.園内でこんなに活発に潜る様子ははじめて見ました.

水生植物園,2024年1月20日午前,くもり

クチバシから目の間~頭頂にかけて,縦の模様があるように見えてしまいますが,濡れているだけのようでした.

水生植物園,2024年1月20日午前,くもり

羽ばたき.



基本情報

和名
ホシハジロ
分類
鳥綱 カモ目 カモ科 ハジロ属 (Aythya)
英名
Common Pochard
学名
Aythya ferina
状況
IUCN レッドリスト 2023-1[VU] Vulnerable (危急) A2abcd+3bcd+4abcd ver 3.1, Pop. trend decreasing (個体数減少傾向) (参考1)
東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版 東京都区部における区分:[VU] 絶滅危惧 II 類,東京都本土部全体における区分:[VU] 絶滅危惧 II 類 (参考2)

写真とメモ

小合溜(花菖蒲園),2022年11月11日午前,晴れ

ホシハジロの上陸したところを初めて見たので記念撮影.園内のホシハジロはいつも小合溜に浮いていて陸地の近くにもあまり寄ってきません.この日は風が強かったのですが,陸地に近づいているホシハジロが数頭いて,その中の1頭がちょうど上陸したところに遭遇しました.驚かさないように遠くからしばらく見ていたのですが,小合溜沿いの道の近くでしたので人が通りかかるときに水上に戻っていきました.

小合溜,2022年11月11日午前,晴れ

同じ日のホシハジロ.今回ホシハジロの最新の種の状況を確認したところ,2020年から東京都のレッドリストに収録されていました(参考2).公園で観察できる個体数は減っている実感はなく,かつてより増えているように思います.また,IUCNのレッドリストで絶滅危惧の危急種にランクされているのに気づきました(参考1).10年前は個体数減少中ではありましたが,絶滅のおそれはなしでした.世界的な減少傾向なのですね.



小合溜(水元大橋付近),2013年12月22日夕方,晴れ

ホシハジロの写真ですが,今回やっと少しマシな写真が撮れた気がします(これまでの自分を基準として,ですが).今日の勝因?(笑)は,晴れて強風が吹いていたこと. 自分のデジカメでは晴れてくれないと光が足りなくてざらざらの写真になります.そして,小合溜に強風が吹いていたため,いつもははるかに沖に浮かんでいる海ガモ類の群れがかなり岸の近くに避難してきていること.望遠機能の弱いカメラではこれは非常に意味があります.冬至の日が沈みそうな夕方の時間帯でしたが,かなり近くから写真をとれました.ということは,コスズガモも岸の近くに来ている可能性が? と思って見に行ったら,コスズガモを含むグループはもっと遠くにいました.残念.

小合溜(水元大橋付近),2013年12月22日夕方,晴れ

手前3頭がオスで,右奥がメス.



小合溜(水元大橋より),2013年11月10日午後,晴れ

ホシハジロのオスです.水元大橋から小合溜を見ると,みさと公園とのちょうど間ぐらいの遠い水上にカモの群れが見えました.キンクロハジロとホシハジロを中心とした集団です.ヒドリガモオナガガモと違って,岸の近くにはぜんぜん寄ってこないし,活発に動くマガモコガモなどと違い,いつ見ても首を翼につっこんで休んでいて,たまに羽繕いの時だけ首を上げる感じ.首を上げていても目をつぶったままで,目が線になってしまう場合もあります.自分には,よい写真がなかなか撮れません.これはちょうど日があたっていたとき,やっと撮れた首を上げて目を開けている写真.

小合溜(水元大橋より),2013年11月10日午後,晴れ

同じ集団.手前がホシハジロのメスですが,首をひねっているような格好をしています.

小合溜(水元大橋より),2013年11月10日午後,晴れ

上の写真は,手前が別のメスです.顔の模様が一つ上の写真のとちょっと違っているようにも見えます.

小合溜(水元大橋より),2013年11月10日午後,晴れ

オスです.顔を上げ,足で水を掻いて進んでいます.オス3頭がいっしょに動きまわっていました.



小合溜(水元大橋より),2013年3月17日夕方,晴れ

夕方,水元大橋から休んでいるカモの群れが見えたのですが,遠かったので慣れない目にはヒドリガモのように見えました.双眼鏡代わりのカメラで写してみるとぜんぜん印象が違うカモでした.キンクロハジロと同じ仲間のホシハジロ.羽ばたいているのがオスで,手前の目の周りに白っぽい模様があるのがメス.

小合溜(水元大橋より),2013年3月17日夕方,晴れ

頭の形が独特です.目をつぶっているので,目が線になっており,ウサギのような赤い目が見えません.

小合溜(水元大橋より),2013年3月17日夕方,晴れ

夕方,寒くて風が強め.クチバシを翼に突っ込んで休んでいるのが多かったです.



参考

  1. BirdLife International. 2021. Aythya ferina. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T22680358A205288455. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-3.RLTS.T22680358A205288455.en. Accessed on 05 January 2023.
  2. レッドリスト・レッドデータブック・植生図. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
  3. ホシハジロ. “東京都レッドデータブック”. https://tokyo-rdb.metro.tokyo.lg.jp/%E3%83%9B%E3%82%B7%E3%83%8F%E3%82%B8%E3%83%AD/, (参照 2024-01-20).
  4. ホシハジロ. “山国川の鳥図鑑”(国土交通省 九州地方整備局 山国川河川事務所). http://www.qsr.mlit.go.jp/yamakuni/birds/bird/hoshihaziro.html, (参照 2024-01-20).
  5. . “”. , (参照 ).