トウネズミモチハマキワタムシ Tonezumimochi-hamaki-watamushi Woolly Aphid
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トウネズミモチの幹の窪みに「雪虫」が群がっていました.おそらくトウネズミモチハマキワタムシの有翅虫と思います.腹部に白いふわふわのろう状物質がついていて,以前見たコロニーにいた有翅虫とよく似ていますが,翅を広げていて,ここまで飛んできた感を出しているのが違います.
トウネズミモチハマキワタムシなどのタマワタムシ類は晩秋~初冬にかけて有翅虫が発生し,夏を過ごした二次寄主の植物から,春につく一次寄主の植物に移動するために飛び出しますが,これがいわゆる「雪虫」として知られています(参考3).トウネズミモチハマキワタムシの一次寄主はトウネズミモチなので,有翅虫が無事にトウネズミモチにたどり着くことができた個体がここに集まっているものと思います.ここで卵を産み,寒冷地では親虫は死んでしまうので,卵で越冬,暖地では親も春まで生きるようです.初夏にトウネズミモチから再び二次寄主へと移動するときも有翅虫が飛ぶ時期があるとのこと.
基本情報
- 和名
- トウネズミモチハマキワタムシ
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 カメムシ目 アブラムシ亜目 アブラムシ科 タマワタムシ亜科 ハマキアブラ属 (Prociphilus)
- 英名
- (in Jpn.) Tonezumimochi-hamaki-watamushi; A Species of Woolly Aphids
- 学名
- Prociphilus ligustrifoliae
- 状況
写真とメモ
トウネズミモチの葉がねじれて丸まっているのをみつけ,葉を開いてみると白と黒の虫がうじゃうじゃ入っていました.白いのは小型から大型まで数が多く,そこに羽のある大きな黒いのがポツポツ混じっています.トウネズミモチなどの葉に虫こぶを作ってコロニーにするトウネズミモチハマキワタムシでした.アブラムシ科の中でもタマワタムシ亜科に属する種類で,いわゆる「雪虫」のひとつです.雪虫はこのグループの種類の有翅虫の体が白いロウ状の物質がついて白く見え,冬の初めにフワフワ飛ぶので雪虫と呼ばれます.雪国などで,雪虫が飛ぶといよいよ雪の季節が来るとか,雪虫がたくさん見られるとその冬は大雪になる,などといわれます.白いのが小さいのから大きいのまでの幼虫で,黒くて翅の生えているのが有翅虫の成虫です.
トウネズミモチハマキワタムシの虫こぶは,葉がねじれて巻かれます.その丸まった内側に虫が集まります.
白いロウ物質がたくさんついている幼虫とあまりついていない幼虫が混じっています.白いのは腹部背面の左右から付き始めるようです.
有翅虫と大型の幼虫.左の幼虫は白いのが付きすぎて元の形がわかりません.
参考
- トウネズミモチハマキワタムシ. “虫navi”. https://mushinavi.com/navi-insect/data-abura_wata_tounezumi.htm, (参照 2022-07-18).
- トウネズミモチハマキワタムシ. “東京23区内の虫 2”. http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-314.html, (参照 2022-07-18).
- 雪虫(ユキムシ)って何?大量発生する理由とは? “北海道ファンマガジン”. https://hokkaidofan.com/life01/, (参照 2024-01-01).
- . “”. (参照 ) .
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