アカムシユスリカ Akamushi-yusurika Chironomid Midge
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小合溜の水際からほど近い林縁で,日向のヘクソカズラの葉上で見つけたアカムシユスリカが日向ぼっこ中.オスの触角は櫛形で大きく,写真のような小さな触角を持つのはメス.成虫を見かけるのがいつも冬なので,成虫越冬をする種類なのかと思っていましたら,参考4の論文に書かれていたこの種類の基礎知識によると,ユスリカの成虫は何も食べず,成虫の寿命は1週間ほどとのこと.冬を越すのは幼虫のようです.ただし,この種類の幼虫の活動が活発になるのは水温が2℃から15℃の間で,関東では,幼虫は越冬するというよりも,冬も活動中のようです.幼虫は水温が高い季節は水底の泥に深い穴をほって夏眠し,水温が下がると活動を再開して秋以降に羽化するとのこと.
ユスリカ類の成虫がエサを食べないというのは,口が退化していてエサを摂れないとのこと.つまり,カのようにヒトを刺したり,病原菌を媒介したりはしないわけですが,蚊柱をつくる不快害虫の面がある他,ダニと同じくヒトのアレルギーのもとになることがわかっています.
基本情報
- 和名
- アカムシユスリカ
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 ハエ目 ユスリカ科 Tokunagayusurika 属
- 英名
- (in Jpn.) Akamushi-yusurika; a Species of Chironomid Midges
- 学名
- Propsilocerus akamusi, syn. Tokunagayusurika akamusi
- 状況
写真とメモ
前回見つけたのも,冬にミドリシジミの卵を探しにハンノキをなめ回すように見ていたときでした.アカムシユスリカの越冬はハンノキが多いのでしょうか?単に水際だから?
越冬しているユスリカなど通常目にすることはありませんが,この日はミドリシジミの卵を1つ見つけるまでにユスリカ3頭見つけました.
ミドリシジミの卵を探してハンノキを見回っていたときに、ハンノキの枝に張り付いてユスリカが越冬しているのを見つけました。黒っぽい体をもつ地味な色合い。翅は少し虹色の光沢がありますがほぼ透明。特徴が少なくて種類を判別するのは難しいかなと思いましたが、帰って調べたらアカムシユスリカという普通種とわかりました。この種類は、釣り餌のアカムシの成虫です。ユスリカの幼虫は大抵アカムシ型の幼虫ですが、中でもこの種類のアカムシは皮がかたくて針を指してもつぶれにくくて釣り餌に向いているとのこと。
参考1に、アカムシについていろいろ書いてありました。アカムシ(幼虫)は集合して生活する性質はないので、釣りエサとして売られるほど集めるのは非常に大変で、日本ではアカムシの生産はあまりされていないそうです。釣りエサのアカムシは韓国からの輸入であるとのこと。したがって、釣りエサで余ったアカムシを日本の湖沼に逃がすと、韓国産アカムシユスリカによる日本産アカムシユスリカの遺伝子汚染となってしまうということでした。
参考
- 釣り餌の"商虫"列伝>アカムシユスリカ.“公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会”. https://www.jataff.or.jp/konchu/bait/9.html, (参照 2023-12-20).
- アカムシユスリカ. “イカリ消毒 害虫と商品の情報サイト”. https://www.ikari.jp/gaicyu/05020d.html, (参照 2023-12-20).
- アカムシユスリカ. “東京23区内の虫 2”. http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-543.html, (参照 2023-12-20).
- 平林公男:湖沼におけるユスリカ類の生態と防除に関する研究.環動昆 10(1,2), 51-62. 1999. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjeez/10/1.2/10_51/_pdf.
- . “”. , (参照 ).
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