最新の写真

小合溜沿いの草地,2025年4月27日午前,晴れ

ソバ(シャクチリソバ)の葉上でアリグモが動き回っているのを発見.大アゴの小さいメス.黒くてツヤがない質感や,体の各部のバランスなどはクロヤマアリ風で,第1歩脚がアリの長い触角に似ています.前から見たときの大きな複眼のある顔つきはクモらしさはしっかりあります.腹部の前部に,斑紋状に毛の生え方の違っているところがあります.腹部の後半は褐色になっています.

小合溜沿いの草地,2025年4月27日午前,晴れ

歩脚の色はそれぞれ違っていて,第1,第2歩脚は黒いラインが入っていて,第4歩脚は全体が黒,第3歩脚はその中間.

小合溜沿いの草地,2025年4月27日午前,晴れ

近縁種との区別では,体色には変異がありますが,ヤガタアリグモは体にツヤがあり,体に赤褐色の部分があること,ヤサアリグモは体がひと回り小さく、腹部が細く,体にツヤがあるとのこと、 またタイリクアリグモはメスの区別は難しいようですが,地表性なので葉上では見ることは少ないことなどでアリグモを候補にしておきます.



基本情報

和名
アリグモ
分類
節足動物門 クモ綱 クモ目 ハエトリグモ科 アリグモ属 (Myrmarachne)
英名
Japanese Ant-mimic Spider
学名
Myrmarachne japonica
状況

写真とメモ

小合溜沿いの草地,2023年5月3日午後,晴れ

クワの葉上に巣を作っていた小さな黒いクモ.巣の中にいるクモをうまく写す方法がないか試していたら,威嚇するようにこちらに向き直るクモが巣から出てきました.あまりツヤのない体色や体のバランスがクロヤマアリのような雰囲気.アリに似ているので知られるアリグモでした.巣に入っていなくて遠目に見れば実際にアリに見えるかもしれません.

小合溜沿いの草地,2023年5月3日午後,晴れ

葉の裏に回り込んだアリグモを別角度から.確かに足は4対あります.幼虫で越冬し,春から育ち始めて夏に成虫になるようです.オスは大アゴが巨大で区別できるので,これはメスか幼体だと思います.

小合溜沿いの草地,2023年5月3日午後,晴れ

こちらは巣から出る前の様子.葉を半分巻いたところに巣を作っています.

小合溜沿いの草地,2023年5月3日午後,晴れ

こちらをじっと見て構えている感じがかわいいクモです.



参考

  1. Myrmarachne japonica (Karsch, 1879) in GBIF Secretariat (2022). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/2175495 on 2023-05-05.
  2. アリグモ. “日本のクモ60(2017改訂版)”. http://spider.art.coocan.jp/spider60/02h.pdf#page=42, (参照 2023-05-05).
  3. アリグモ(No.1700 2019/05/23). “千葉県立中央博物館 房総の山のフィールド・ミュージアム”. https://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/special/yama/news/2019/20190523myrmarachne.htm, (参照 2023-05-05).
  4. . “”. , (参照 ).