アカメガシワ Japanese Mallotus
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林縁にアカメガシワの木が並んでいる場所で,赤っぽい花が咲いている株(上の写真)と白っぽい花が咲いている株(2枚下の写真)が混在しているように見えました.赤っぽいのが雌花の咲いている雌株,白っぽいのが雄花の咲いている雄株ですが,どちらも枝先がぼーっと赤っぽく(白っぽく)なってきれいでした.
雌花の拡大.以前も雌花だと思った写真を撮ったことがあるのですが,今回の雌花と比べるとそのときのは花が終わりかかっている,むしろ若い実に近い段階だと思いました.以前のは,子房が丸く膨らみ,そこから伸びている3つに分かれた花柱は赤くなっていました.今回の花は,子房はまったく膨らんでおらず,花柱は黄色く,赤く見えるのは花柱の付け根の,まだふくらんでいない子房のあたりに見えます.今回のが咲いている雌花ですね.場所的に近づけなかったのでこれ以上の拡大はなし.
こちらは白い雄花.
丸いボンボンみたいな咲いている花に混じって,もっと小さな白い球形がたくさんあるのはつぼみのようです.雄花,雌花とも咲き始めの時期のようでした.
基本情報
- 和名
- アカメガシワ
- 分類
- 被子植物類 真正双子葉類 バラ類 キントラノオ目 トウダイグサ科 アカメガシワ属 (Mallotus)
- 英名
- Japanese Mallotus, Food Wrapper Plant
- 学名
- Mallotus japonicus (L.f.) Müll.Arg.
- 状況
写真とメモ
アカメガシワの赤い芽
アカメガシワの名前の由来は「芽が赤い」ことだと思いますが,アカメガシワの芽をよく見たことがなかったので撮ってみました.赤いというよりは淡褐色でしょうか.継続観察してみることにします.
数日後,葉が開いてきましたが,この段階で若葉が確かに赤いのを実感しました.
もう少し葉が広がるともっと赤くなりました.葉の表面には毛が多くもふもふしているので,ピントが合っていないように見えます.
このあとは,葉が大きくなるに従って赤みが薄くなって緑になっていくようです.
アカメガシワの雄花
中央広場のジャブジャブ池付近に生えていました.アカメガシワは,カシワなどのブナ科ではなく,カシワのように大きな葉をしていることから名付けられた別のグループの植物.落葉高木なのだそうですが,大木になったところよりも,林縁などの開けたところでクズやヨウシュヤマゴボウなどと一緒に見る草のような印象をもっていました.ちょうど,花が開いているところです.雌雄異株で,上の写真は雄花の咲いている雄株.
地味で白っぽい花です.花の様子もブナ科の花に似ているような気がします.
大きな葉は,芽や若葉のときは赤っぽくて大きくなると緑色になります.
アカメガシワの雌花
アカメガシワは雌雄異株とのことで,雌花の咲いている雌株です.雌花は雄花よりも力強い感じ.雌花のほうがも雄花よりも時期が少し遅いのでしょうか.
雌花の拡大.丸くて緑色の実のようなところから,赤い突起が3本セットになって生えています.赤い突起が花柱(めしべ)で,その基部の実のようなところが後に実になる子房.子房の表面は小さな白いつぶつぶがあり,花柱よりも小さい突起が生えています.
アカメガシワの実
小合溜沿いの木立ちに生えるアカメガシワの若木.実がはじけてツヤのある黒い種が見えている実と,まだ緑色の実とが半々です.
以前,黒い種のついた穂ごと林の中の地面に落ちているのを見つけたのは9月でした.雌花が咲くのは7月.
枝ごと落ちるアカメガシワの実
林のウッドチップ置き場に実のたくさんついた木の枝(花序)ごと落ちていました.この実(花)の付き方はどこかで見たような気がするのですが,植物を思い出す前に思いついたのが,神事で巫女さんが振る鈴のたくさんついたやつ,神楽鈴とか巫女鈴とか呼ぶそうですが,それかスレイベルという楽器.帰ってから調べてアカメガシワと判明しました.園内のアカメガシワといえば,荒れ地の際などに背の低いのがあるぐらいかと思っていましたが,林を構成する木でもあったわけですね.アカメガシワは5~10mにもなる高木.
実がはじけて黒い種がたくさん見えています.鳥はアカメガシワの種が好きだそうで,食べたうちの一部の種が消化されずにフンとして排出されることで拡散されるそうです.写真に小さな赤い点がいくつか見えますが,これを拡大してみたらヒメホシカメムシの幼虫でした.
アカメガシワの黄葉
公園外周の水路際に並んでいるアカメガシワ.緑色っぽい葉が若干残っていますが,茶色く枯れたところはまだまったくなく,ほとんどが鮮やかな黄色一色.
葉脈に沿って黄色くなりはじめ,そこから離れたところはまだ緑色.参考3によると,葉の赤くなる紅葉では,葉と茎の間の物質交換が,葉柄で遮断されるために葉に溜まった物質から赤い色素(アントシアニン)が合成されて起こるのに対し,葉が黄色くなる黄葉では,葉緑体が分解されて葉の緑色がなくなると,もとからあった黄色やオレンジの色素(カロテノイド)が目立つようになることで起こるとのこと.葉脈に沿って黄葉がはじめるのは,葉緑体の分解がそこから始まることを示しています.黄葉を開始する命令が茎から葉に向かって届くのではないかと思えますね.
参考
- 樹木図鑑(アカメガシワ). “木のぬくもり・森のぬくもり(樹木と野草の写真)”. https://www.jugemusha.com/jumoku-zz-akamegasiwa.htm, (参照 2023-03-27).
- アカメガシワ(赤芽柏). “松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/akamegasiwa.html, (参照 2023-03-27).
- 紅葉のしくみ. “キヤノンサイエンスラボ・キッズ”. https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_01_15.html, (参照 2023-03-27).
- . “”. , (参照 ).
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