最新の写真

小合溜沿いの草地,2023年6月11日午後,くもり

褐色のクモがナミテントウを捕まえたところ.クモの体型がカニグモ,腹部の模様などでヤミイロカニグモ(類)のメスなのではと思います.ただ,オスでは触肢の形からヤミイロカニグモと特定できましたが,メスの場合は,近縁種と区別するには,生殖孔付近の構造を見る必要があり,生態写真では難しいです.とりあえず,「ヤミイロカニグモ類のメス」まで確定ということで.

小合溜沿いの草地,2023年6月11日午後,くもり

黒い体のオスとは違って,一回り大きいメスは,淡い色で柔らかい印象です.



基本情報

和名
ヤミイロカニグモ
分類
節足動物門 クモ綱 クモ目 カニグモ科 カニグモ属 (Xysticus)
英名
Black Crab Spider
学名
Xysticus croceus
状況

写真とメモ

圃場,2021年5月23日午前,くもり

ナニワイバラの花に来ていたコアオハナムグリ集団の写真を撮っていたとき,葉上で1cm未満の小さなクモをみつけました.写真を撮ったときはそうでもなかったのですが,帰ってから写真を拡大してみて,その格好よさに惚れました.はじめて見るクモで,基調色は黒と金色.黒い頭胸部の背面中央には天使の羽のような形の金色のマークがあり,同じく黒い腹部には金の横線が2本,金色の点が散りばめられています.そして更に印象的なのが脚です.4対の脚のうち,前の2対が太くて長いのですが,腿節全体と脛節の付け根までが黒くて,その境界付近に金のリングがあります.

カニグモ類は巣を作らず,待ち伏せしてエサをとるグループとのこと.脚が長くて横に張っている様子がカニっぽいのが名前の由来のようです.Wikipediaによると,カニグモ科は世界に2000種,日本にも62種知られているとのこと.ヤミイロカニグモの属するカニグモ属にもよく似た種類が多いそうですが,特にヤミイロカニグモとアズマカニグモというのがもっともよく似ていて,それぞれ体の模様には変化があって模様では区別できないそうです.オスは触肢で,メスでは生殖孔で区別できるので(参考2),チャレンジしてみました.写真の個体は体が黒いのでオスです.口のすぐ近くにある,グローブをはめた手のような,短い肢がオスで発達する触肢です.この触肢に大きな黒い突起があるのがヤミイロカニグモ.写真では,両手で「イイネ!」をしているように見えますが,両親指のように見えているのがその突起で,ヤミイロカニグモと判明しました.

ヤミイロカニグモは日本では普通種で,インド,ネパールから中国,台湾,日本まで分布.



参考

  1. “ヤミイロカニグモ”. ウィキペディア日本語版. 2021-05-09. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9F%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%B0%E3%83%A2, (参照 2021-07-02).
  2. ヤミイロカニグモ. “クモ基本60 改訂版 2017年4月”.東京蜘蛛談話会. http://spider.art.coocan.jp/spider60/02h.pdf#page=36.
  3. ヤミイロカニグモ. “東京23区内の虫 2”. (参照 2021-07-02) http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-1859.html.
  4. シャコグモ、ヨシシャコグモ、キハダエビグモ、ヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモ。エビグモ科とカニグモ科のクモ達です。 “趣味の自然観察、デジカメ持ってお散歩”. (参照 2021-07-02) http://shizensanpo.seesaa.net/article/430498619.html.
  5. . “”. (参照 ) .