基本情報

和名
ニレハムシ
分類
節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 ハムシ科 ケブカハムシ属 (Pyrrhalta)
英名
Elm Leaf Beetle
学名
Pyrrhalta maculicollis
状況

写真とメモ

最新の写真

小合溜沿いの草地,2022年7月17日午前,晴れ

草地のアキニレの幼木で動き回っていた小さなハムシ.何種類かよく似た種類のいるグループ(ケブカハムシ属)ですが,ニレハムシが食べるアキニレにいたということで,ニレハムシと判断しました.

小合溜沿いの草地,2022年7月17日午前,晴れ

これとよく似た種類を,ちょっと前に園内の別の場所で見つけて,それをサンゴジュハムシと判断したので,それと同じ種類なのかどうかと思って写真を撮ってみました.ケブカハムシ属の中で個体数が多い普通種にはニレハムシとサンゴジュハムシがいて,これらはよく似ています.写真や外見からわかる区別点には,体色がニレハムシのほうが赤みが強く暗いとか,頭部と前胸背の形がニレハムシでは前方に向かって強く狭まりおにぎり型であるとか,上翅の縁の圧平した部分がニレハムシでは後部で太くなる,胸部背面の黒紋がニレハムシでは中央よりも両側が発達する傾向があり,サンゴジュハムシでは中央の紋が前端まで届き,その先の頭部にも黒紋が続くなど,並べて比較してみると初めて分かるような区別点が多く決め手にならない印象です.参考サイトなどで,ニレハムシはサンゴジュハムシに比べて触角が短い印象があることについて書かれていて,なるほどそれなら自分の写真で適用できるかもと,まずは,参考1~4のサイトに掲載された写真をお借りして,(触角の長さ):(体長)比を計算してみました.すると,ニレハムシは(触角の長さ):(体長)=1:2~2.1,サンゴジュハムシは(触角の長さ):(体長)=1.1.4~1.5で安定していることがわかりました.そこで,自分が撮影した写真を計測したところ,今回前回ともにすべて1:2前後でした.どうやらどちらもニレハムシだったようです.



水生植物園付近,2022年7月10日朝,くもり

道端の草に止まっていたハムシを撮影しました.体は黄褐色で胸背と頭部に黒い斑紋があります.そして写真を拡大して後で気づきましたが鞘翅に短毛がびっしり生えているようで,表面がキラキラ,ざらざらしています.似ている外見をした種類はサンゴジュハムシ,ブチヒゲケブカハムシ,ニレハムシなど何種類もいるようです.食べる植物もサンゴジュ,ガマズミなど共通の食樹があるのでややこしいですね.当初はサンゴジュハムシとケブカサルハムシを区別しようとして,参考4に紹介されていた触角第2節と触角第3節の長さの比を調べたのが写真の拡大です.サンゴジュハムシは1:1.5程度でケブカサルハムシは1:2程度とのことですが,触角第2節と触角第3節の比はニレハムシも1:1.5程度でした.

園内の水路,2022年7月10日朝,くもり

水路のヒシの葉で交尾中のペアもみつけました.こちらも触角の第2節と第3節は1:1.5で,ニレハムシ,サンゴジュハムシが候補です.触角の長さ:体長比は1:2でしたので,ニレハムシとなりました.ニレハムシがヒシの葉を食べるというより,水辺に生えたニレハムシの食べる木から飛んできたということでしょうか.

園内の水路,2022年7月10日朝,くもり

交尾中のペアにちょっかいを出す個体.この水路のヒシにはたくさんのハムシが歩き回っていました.



参考

  1. ニレハムシ. “東京23区内の虫 2”. (参照 2022-09-12) http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-89.html.
  2. サンゴジュハムシ. “東京23区内の虫 2”. (参照 2022-09-12) http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-88.html.
  3. 虫を調べる ニレハムシ?. “廊下のむし探検”. (参照 2022-09-12) https://roukanomushi.blog.fc2.com/blog-entry-2035.html.
  4. 虫を調べる サンゴジュハムシ. “廊下のむし探検”. (参照 2022-09-12) https://roukanomushi.blog.fc2.com/blog-entry-1633.html.
  5. . “”. (参照 ) .