湿地の風景 Wetland in the Park
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春の小合溜.広大な小合溜の周囲は大部分が護岸され整備されていますが,護岸の内側にヨシ原が広がるところがあり,自然な水辺の景色を見ることができます.ヨシ原の中は硬い地面があるわけではないので,柵はなくともヒトは入っていけない聖域です.鳥や虫,湿地の植物などが多い場所のはず.
上の写真で,林の中の地面が光っているように見えるのは,一面に水があるからです.この場所は普段は湿ったハンノキ林なのですが,近く(画面奥の方向)に池があり,梅雨の時期などに池の水が増えると,こちらまで水がやってきて冠水する,という池の周囲の湿地帯のような場所です.水深はごく浅くて,深いところでも20cmぐらいでしょうか.この日はアメリカザリガニが大量にいました.池から水と一緒に移住してきたのでしょう(アメリカザリガニのページに写真あり).
園内のあちこちにたくさんある池,というか湿地のうちのひとつです(湿地といってもラムサール条約の湿地ではなく,水浸しになっている土地という程度の意味です).水元公園で動植物を探すときはこういう池(湿地)が重要な見どころで,この池にもギンヤンマ,チョウトンボをはじめ,イトトンボ類などもたくさん見られますし,絶滅危惧種も含むたくさんの水辺や湿地の植物が見られます.カワセミが魚を狙っていますし,オオヨシキリやシジュウカラも隠れています.冬にはヒドリガモの群れも来ます.
この時期は,梅雨のせいで一年中でもっとも水位が増している時期です.こういう池はそのときの水量によって池が大きくなったり小さくなったりします.つまり池の周囲の境界がきちんと区切られておらず,池の周辺には湿地が広がり,水辺を歩くと足が足首までズブズブと沈んでしまいます.もともと川沿いの低地で田んぼだったりしたこともある水元公園には,こういう場所があちこちにあります.
さて,この池には,どこからも水が流れ込んでいません.水深も浅く水量もそれほど多くなさそうなのに年中水があるのは,おそらく湧き水でも出ているのではないかと思います.もしそうなら周辺環境に影響されにくい一定の水質が維持されやすいでしょうから,トンボなどにはメリットかもしれません.
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