基本情報

和名
アメリカヒドリ×オナガガモ 交雑個体(仮)
分類
鳥綱 カモ目 カモ科
英名
Suspected American Wigeon × Nothern Pintail Hybrid
学名
Mareca americana × Anas acuta
状況

写真とメモ

園内の池,2024年3月3日午前,晴れ

園内にカモの珍しい交雑個体がいるとのことで,ヒドリガモの群れの中にいたその個体の写真を撮ってみました.自分がこれまで見たことのある交雑カモは,ヒドリガモ×アメリカヒドリとか,マガモ×カルガモ?とかですが,今回のはまた別の組み合わせのようです.ヒドリガモの中にいる頭部が緑色のカモなので,第一印象ではアメリカヒドリとヒドリガモの交雑を想像しましたが,これまでのヒドリガモ×アメリカヒドリと違う点はいろいろありました.頭部の中央部の色がアメリカヒドリでは白,ヒドリガモでは黄色ですが,この鳥は淡褐色.頭部側面では,頬のあたり,眼から下に黒い線があり,いわゆる「涙斑」のようになってること,頚部の周囲に黒い輪があり,のどのほうに伸びていることに気づきます.この頭部の模様の感じが,トモエガモと共通するので,トモエガモも交雑しているのではと感じるのですが,トモエガモが入っていなくとも,こういう模様になることがあるとのネット上の情報も参考にして(参考1),最終的には,オナガガモとアメリカヒドリとの交雑個体ではないかと推測しています.

園内の池,2024年3月3日午前,晴れ

上の写真は同じ群れのヒドリガモと並んだところです.頭部は緑色でアメリカヒドリっぽいですが,それ以外では基本的にヒドリガモともアメリカヒドリともよく似ています.しかし,いくつか違っているポイントがあります.1) ヒドリガモやアメリカヒドリでは体の左右に横方向に白い帯がありますが,それはなく,代わりに黒い帯があります.2) 背中の羽はヒドリガモ,アメリカヒドリでは薄い褐色系ですが,この個体では白で縁取られた濃褐色の羽が広がっています.また,3) 尾部の左右にヒドリガモやアメリカヒドリでは存在しない白い帯があります.そして,4) ヒドリガモと同じかそれ以上に尾部が長いこと.これらの特徴はすべて,オナガガモの特徴に合致しています.下の写真は後ろから見たところです.

園内の池,2024年3月3日午前,晴れ

参考1によると,トモエガモの交雑種では,頭部の中央部の両側に白い帯が走るようです.この個体はそれがありません.

園内の池,2024年3月3日午前,晴れ

こちらは前から見たところ.アメリカヒドリヒドリガモのくちばしは灰色で先端だけが黒.この鳥は灰色で,先端から中央部に続く黒帯があります.これはオナガガモと同じです.ちなみにトモエガモのくちばしは全体が黒.

これらのことから,オナガガモとの交雑種らしく,トモエガモは入っていないかもしれない,という予想です.ネット上では,アメリカヒドリとオナガガモとの交雑個体とされている写真で,この個体とは印象が近いのがありました(参考2,3).



参考

  1. トモエガモ雑種の真性と偽性. “をかしの庭”. https://walkandsee.blog.fc2.com/blog-entry-664.html, (参照 2024-03-06).
  2. A GALLERY OF DONATED HYBRIDS: In "Hybrid Duck Study". Retrieved from https://hybridduck.blogspot.com/p/hybrid-gallery.html on 2024-03-06.
  3. American Wigeon x Northern Pintail (hybrid): In "eBird". Retrieved from https://ebird.org/species/x00196 on 2024-03-06.
  4. . “”. , (参照 ).