基本情報

和名
スモモ
分類
被子植物類 真正双子葉類 バラ類 バラ目 バラ科 サクラ属 (Prunus)
英名
Asian Plum, Japanese plum
学名
Prunus salicina Lindl.
状況
IUCN レッドリスト 2023-1[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考1)

写真とメモ

かわせみの里,2024年3月20日午前,晴れ

園内ではオオカンザクラの盛りもすぎ,今年は気象庁のソメイヨシノの開花宣言もまだ,というこの時期に,白い花のサクラが見事な満開…だと思って,かわせみの里の裏手で写真を撮ってきました.帰ってからサクラの検索表を使ってもピッタリくる種類がありません.情報の少ない品種かなと思って,後日,かわせみの里の方に伺ってみたところ,サクラではないことが判明.サクラ類と同じくサクラ属(=スモモ属)に含まれるスモモとのこと.スモモも非常に栽培品種の多い種類なので,品種までは不明とのことでした.言われてみれば,花弁の先端にギザギザ部分がありません.スモモの花ってこんなに見事なのですね.

スモモの特徴は,花は真っ白で,花びらはかなり小ぶり.花の密度感というか,花が非常にたくさん付いています.花びらの長さと雄しべの長さを比べると同じぐらいでしょうか.花びらは白いのですが,花びらのすき間から黄緑色の萼片が星型に見えること,花と同時に緑の葉も伸びていることから,木全体が白と黄緑色でぼーっと輝く美しさです.

かわせみの里,2024年3月20日午前,晴れ

花柄はなく,小花柄が長く,萼筒は短いカップ状.

サクラだという先入観で見たので,花びらが小さくて雄しべが長いことから,カラミザクラ(シナミザクラ)の性質があり,白い花と葉が同時に出てきていることから,オオシマザクラの性質があるのではと想像しました.しかし,カラミザクラとオオシマザクラの交雑種には該当する種類がなし….でも,スモモの花の特徴にはぴったりでした.スモモはいわゆるプラムだと思うので,その栽培品種は非常に多く,実のなっている時期に来ると,品種を多少は絞れるのかもしれません.

かわせみの里,2024年3月20日午前,晴れ

白い花が満開です.園内のサクラと比べると小ぶりな花.

スモモは,ニホンスモモや Japanese plum とも呼ぶことがあるようですが,日本原産ではなく参考1のマップによると,スモモの原産地は東アジアで,中国東北部からマレー半島まで.近縁種に,西アジア原産のセイヨウスモモ Prunus domestica という種類もあり,これらは交配され,改良されて,プラム,ソルダム,プルーンなどはこれらの栽培品種です.ソルダムはスモモが元になった種類,プルーンはセイヨウスモモが元になった種類,プラムにはスモモが元になったものと,セイヨウスモモがもとになったものがあるようです.

かわせみの里,2024年3月20日午前,晴れ

スモモは,現在国際的に主流の分類では,サクラ属 Prunus に含まれています(参考3).サクラ属 Prunus は,かつて分けられていたウワミズザクラ類,サクラ類,スモモ類をまとめたもので,これらは現在は亜属の区分になっています.現在のスモモ亜属は,スモモの他に,ウメ,アンズ,モモ,ネクタリン,アーモンドなども含むグループです.



参考

  1. Rhodes, L. & Maxted, N. 2016. Prunus salicina. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T50247990A50247993. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T50247990A50247993.en. Accessed on 23 March 2024.
  2. Prunus salicina Lindl. in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/3021120 on 2024-03-23.
  3. スモモ 李. “三河の植物観察”. https://mikawanoyasou.org/data/sumomo.htm, (参照 2024-03-24).
  4. . “”. , (参照 ).