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グリーンプラザ裏,2024年3月17日午前,くもり

スギ花粉のシーズン真っ只中ですが,園内のスギも満開です.雄花に混じって見られるはずの雌花がどうもよくわからなくて,探してみました.あまり低いところには花がつかないので望遠マクロなのでちょっとはっきりしませんが,雌花っぽいのを見つけました(矢印).球状で小さく,周囲がトゲトゲしていないので,つぼみなのかなと思います.

グリーンプラザ裏,2024年3月17日午前,くもり

最初の写真と同じような小さな球状のものがポツポツと見えますので,雌花はこれから大きくなっていく時期のようです.



基本情報

和名
スギ
分類
裸子植物類 マツ綱 マツ目 ヒノキ科 スギ属 (Chamaecyparis)
英名
Japanese Cedar
学名
Cryptomeria japonica (Thunb. ex L. f.) D. Don
状況
IUCN レッドリスト 2023-1[NT] Near Threatened (準絶滅危惧) ver 3.1, Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考1)

写真とメモ

グリーンプラザ裏,2023年3月12日午前,晴れ

今年も1月から咲き始めたスギの花.スギは雌雄同株なので,1本の木に雄花と雌花が両方見られるはずなのに,これまで雄花しか見つけられていなかったので,雌花が見つけられるか探しに来ました.雌花が出るのは遅い時期かなと3月になってから.近くで観察できる低い枝がないので,双眼鏡で探すのがちょっときびしいですが,それっぽいのが見つかりました.上の写真ではほとんどの枝先が茶色い雄花がびっしりですが,1箇所だけ写真中央に雄花がない枝先があります.拡大してみたのが下の写真.

グリーンプラザ裏,2023年3月12日午前,晴れ

矢印のところだけ雄花がなく,ここ以外は普通の葉のトゲトゲに見えますが,先端だけトゲトゲが細かいように見えます.おそらくこれが雌花ですね.地味で目立たない構造なのと,しかも数があまり多くないようです.スギの雌花は参考4に.水元公園で雌花の拡大写真を撮れる場所はなさそう.

スギの花は大部分が花粉を飛ばす雄花なのはなぜなのでしょうか? スギはもともと日本海側の山地に他の木に混じってポツポツと生えているのが自然状態のようなので,隣のスギの木が遠く離れていることが多いのだと思います.遠くのスギまで花粉が風で届くように,たくさんの雄花から大量の花粉を飛ばすのかなと思います.植林された杉林では,周囲一帯がスギの木だらけなので,受粉はかんたんでしょうから,今のようにたくさんの雄花から大量の花粉を飛ばすの特徴は明らかなオーバースペックですね.



グリーンプラザ付近,2020年1月13日お昼,晴れ

水元公園では,ラクウショウメタセコイアなど,針葉樹がたくさん見られますが,スギはまったくないのかと思っていました.今回はじめて見つけたスギの木は,林の中ではなく,道路わきに1本だけ植えられているようなレイアウトでした.

下枝が落とされているので上の方の枝を望遠撮影してみると,葉の先には黄色っぽい花がすでにびっしりと付いています.この黄色い花は花粉を出す雄花ですね.スギは同じ株に雄花と雌花ができますので,雌花はないかと探しましたが,見つけることができませんでした.雌花は緑色で雄花よりも地味ですが,まだ大きく膨らんでいないのかもしれません.

グリーンプラザ付近,2020年1月13日お昼,晴れ

樹冠の枝は雄花だらけで全体が黄色っぽくなっています.スギ花粉症の人なら見るだけでくしゃみが出そうな光景.ただ,花粉が盛んに放出される時期には黄色いホコリが舞っているように見えると思いますので,まだそういう時期ではなさそうです.

グリーンプラザ付近,2020年1月13日お昼,晴れ

下の方の枝は,花がまだあまり大きくなってないように見えます.

グリーンプラザ付近,2020年1月13日お昼,晴れ

スギの幹.この木は樹齢30年ほどは経っていそうな太さなので,この公園ができた頃に植えられたものなのかなと思います.

スギは IUCNのレッドリストで準絶滅危惧に指定されています.この指定は植林されたスギは対象外で,自生している地域が対象です.日本でのスギの自生地は本州から鹿児島まで,日本海側を中心に点在しているようです(参考2).ブナ帯などの冷温帯を中心に分布する種類とのことで,本来は関東の低地には自生しなさそうです.

「スギ Cryptomeria japonica は日本固有種で,中国には近縁種で柳杉 Cryptomeria fortunei が分布する」と書かれている文献もあるのですが,参考3では 中国の Cryptomeria fortunei と日本の Cryptomeria japonica は遺伝子的には区別できないとする研究が紹介されており,また,国際的なデータベースの Conifer Database では,中国の Cryptomeria fortunei は 日本の Cryptomeria japonica のシノニム(同種の異名)とされています.



参考

  1. Thomas, P., Katsuki, T. & Farjon, A. 2013. Cryptomeria japonica . The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T39149A2886821. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T39149A2886821.en. Downloaded on 24 January 2020.
  2. 高桑 進 他:日本列島におけるスギの分布状況と針葉の形態変化について.研究紀要(宗教・文化研究所) 第23号. http://hdl.handle.net/11173/1936.
  3. 佐橋 紀男:スギとスギ花粉.“スギ花粉症 ~レーザーとソムノプラスティによる新しいアプローチ~”.2003,3443通信.
  4. スギ. “松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/sugi.html, (参照 2023-04-06).
  5. . “”. , (参照 ).