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園内の林,2023年5月21日朝,くもり

何年か前に,この時期の草地一面に広がっていたのを見たクサヨシです.今年は草地のはずれや林縁などに少数の穂が集まっているだけでした.カモガヤとの違いを確認すると,花穂の軸がまっすぐで互い違いにギザギザにならず,小穂がかたまっていないので,やはりカモガヤではなくクサヨシのようです.年によって広がり方に違いがあるのか,花穂の出る時期が前後にずれているのか.

園内の林,2023年5月21日朝,くもり

拡大してみると,黄色い雄しべと白い雌しべがどちらも見えます.

水産試験場跡地,2023年5月21日朝,くもり

別の場所の林縁で.こちらもちょうど雄しべと雌しべがきれいに出ていました.



基本情報

和名
クサヨシ
分類
被子植物類 単子葉類 ツユクサ類 イネ目 イネ科 クサヨシ属 (Phalaris)
英名
Reed Canary-grass, Gardener's Garters
学名
Phalaris arundinacea
状況
IUCN/ISSG 世界の侵略的外来種侵略的外来種(日本を含むアジア,アフリカ,北中米,オーストラリア),原産(ヨーロッパ~西アジア) (参考1)
IUCN レッドリスト 2022-2[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend unknown(個体数動向 不明) (参考2)

写真とメモ

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

草地の大部分の面積を占めるように広がって生えていたイネ科.たくさん穂が出ていましたが,高さは1m以上でしょうか.帰ってから種類を調べると,クサヨシという世界に広く分布する種類でした.この種類は,もとはヨーロッパなどに分布していたのが人為的に分布が広がったようです(参考1).日本に自生していると書いてあるものもありますが,さかのぼれば外来種ということになんでしょう.

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

花序の枝分かれの感じがカモガヤにも似ていますが,それぞれの小穂の集まり方が,カモガヤではかたまりになるのに対して,こちらは均等に散らばっているように見えます.黄色いのは雄しべの葯.

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

花の拡大.白い試験管ブラシのようなのが雌しべですね.黄色いバナナ状にぶら下がっているのは雄しべ.

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

葉はあまり長くなく,幅も狭め.



参考

  1. Global Invasive Species Database (2019) Species profile: Phalaris arundinacea. Downloaded from http://www.iucngisd.org/gisd/speciesname/Phalaris+arundinacea on 15-06-2019.
  2. Lansdown, R.V. 2014. Phalaris arundinacea. The IUCN Red List of Threatened Species 2014: e.T164064A1021826. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2014-1.RLTS.T164064A1021826.en. Downloaded on 15 June 2019.
  3. クサヨシ. “西宮の湿生・水生植物”. http://plants.minibird.jp/hydrophytes/plants/shissei/ka_gyou/kusayosi/kusayosi.html, (参照 2023-06-04).
  4. クサヨシ.“松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/kusayosi.html, (参照 2023-06-04).
  5. クサヨシ.“三河の植物観察”. https://mikawanoyasou.org/data/kusayosi.htm, (参照 2023-06-04).
  6. . “”. , (参照 ).