基本情報

和名
オカダンゴムシ
分類
節足動物門 エビ綱 ワラジムシ目 オカダンゴムシ科 オカダンゴムシ属
英名
Common Pill Woodlouse
学名
Armadillidium vulgare
状況

写真とメモ

最新の写真

園内の街灯の下、2018年6月9日夜、くもり

5,6月に公園の街灯巡りをすると、近くに草地のある街灯では、地面にダンゴムシが大量に集まっている光景によく会いました。はじめはエサに群がっているのかなと思っていましたが、どうやら交尾をしている感じのダンゴムシが結構います。交尾のために集まったのか、灯火の下にエサを探しに集まったダンゴムシが交尾を始めたのかは、わかりません。

今回見つけた場所で面白いのは、交尾をしているのはダンゴムシだけではなく、オオヒラタシデムシオオハサミムシもひとかたまりになって同じ場所で交尾をしています。写真の左の方にオオヒラタシデムシが2ペアいます。別の種類の虫たちが集まって交尾しているのはどういう状況なんでしょう。これらの虫の異性に対する誘引フェロモンが別種の間でもお互いに作用しあって集まるなんてことあるのでしょうか。

園内の街灯の下、2018年6月9日夜、くもり

上と同じ場所を少し離れて撮っています。右端にオオハサミムシのペア。オオハサミムシのペアの拡大は、オオハサミムシのページに掲載。



園内の林床、2018年5月13日朝、くもり

園内の林床の落ち葉をめくるとたくさん出てくるダンゴムシを拡大してみました。黒っぽい印象しかありませんでしたが、よく見ると背中にはっきりとした模様があります。ダンゴムシは足がいっぱいある虫で、もちろん昆虫ではなく、ワラジムシやフナムシと同じグループ(軟甲綱 等脚目 = エビ綱 ワラジムシ目)に分類されています。ダンゴムシのかなり詳しいサイトを2つみつけました(参考2、3)。子供の頃はダンゴムシをたくさん捕まえて遊んだ記憶がある人は多いのではないかと思います。足がいっぱいあるのに少なくとも不快害虫ではなく、丸くなるのがかわいい虫ですしね。完全に丸くなれないワラジムシがちょっと気持ち悪い印象がある虫なのと違う点は、完全に丸くなるかどうか、そのとき足が隠れるかどうか、丸くなったままでしばらくじっとしててくれるかどうか、などでしょうか。

これは成体のサイズです。茶色っぽくて小さいのが一緒にいるのを見ますが、あれが別種ではなく幼体ですね。うまれて数ヶ月で生殖できるようになり、成体のサイズになるのに1年ぐらいかかるそうです(参考3)。成体と言っても、昆虫のように脱皮の回数が決まっている訳ではなく、一生の間、一定間隔で脱皮し続けるそうです。

オカダンゴムシはもともと外来種で、日本にもともと生息していた近い種類としてはコシビロダンゴムシというグループしかいなかったとのこと(参考2)。コシビロダンゴムシ類は、オカダンゴムシよりも小型で森の高湿環境だけに住む虫で、現在のオカダンゴムシのようにどこにでもいる種類ではなかったのですね。オカダンゴムシはヨーロッパなどユーラシア大陸中心に分布する種類ですが、現在は世界中に広がっているようです。侵略的外来種として扱われているところはないようです。日本でもほんとにどこにでもたくさんいますが、それぞれの生態系にうまく居場所を見つけているということなのでしょうか。

園内の林床、2018年5月13日朝、くもり

丸くなったところ。外見がそっくりののタマヤスデという種類がいるそうで、それとの区別点はダンゴムシは丸くなったときに頭部と尾部がぴったり合わさるのに対し、タマヤスデは尾部が頭部を包む(隠す)形になること。

園内の林床、2018年5月13日朝、くもり

腹面。

園内の林床、2018年5月13日朝、くもり

オカダンゴムシの尾部。コシビロダンゴムシ類とオカダンゴムシの区別点はこの尾部の形などで(参考2にリンクされているページ)、写真のように一番端の節が台形になっているのがオカダンゴムシとのこと。


参考

  1. オカダンゴムシ (2017年2月25日 06:07 UTC)-『ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%A0%E3%82%B7
  2. 関東地方のダンゴムシの種類と分布 - 『だんだんダンゴムシ』 http://isopoda.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-0698.html
  3. ダンゴムシの一生を追う - 『ダンゴムシジャパン』 http://dango64jp.starrypages.net/issyou.html
  4. - 『』