基本情報

和名
ワラジムシ
分類
節足動物門 エビ綱 ワラジムシ目 ワラジムシ科 Porcellio
英名
Common Rough Woodlouse, Rough Woodlouse, Woodlouse
学名
Porcellio scaber
状況
IUCN/ISSG 世界の侵略的外来種侵略的外来種(オーストラリア,ニュージーランド,北中米,スペイン,ポルトガル,ロシア,スリランカなど),原産(ヨーロッパ) (参考1)

写真とメモ

最新の写真

水生植物園,2021年11月23日お昼,晴れ

葉のすっかり落ちたエノキの木の周囲で落ち葉を見ながらウロウロしていて,幹の地上1mほどの高さの枝分かれのところに落ち葉がたくさん積もっているのを発見.落ち葉の下には恐ろしい光景が.大量のワラジムシがびっしり詰まっていました.地面の落ち葉の下に比べると,乾燥しやすくて風当たりも強そうな場所ですが.ここで冬越しはできるのでしょうか.

水生植物園,2021年11月23日お昼,晴れ

拡大したところ.よく見るとすべてワラジムシではなく,オカダンゴムシ オオハサミムシなども混じっていました.



園内の林,2016年6月25日午後,くもり

コナラの幹で,枝の剪定跡のくぼみに張り付いてじっと休んでいるワラジムシ.この場所,ワラジムシには似つかわしくない風通しのよいところだと思うのですが,梅雨時で湿度が高いからかもしれません.



園内の林床,2014年3月9日朝,晴れ

林床にあった伐採木の丸太をひっくり返したときに,ムカデと一緒にいたワラジムシです.ワラジムシはダンゴムシとともに子供の頃からもっともよく見た虫のひとつでした.ダンゴムシはまん丸になるし,表面がつるつるしているため,子どもが遊ぶのはダンゴムシのほうばかりで,丸くもならず,表面もつるつるしておらず,ダンゴムシよりもジメジメしたところに住んでいるワラジムシはまったく人気がありませんでした.ベンジョムシと呼んでいた記憶があります.でも,葉や根を食い荒らすのはダンゴムシのほうで,ワラジムシはもっぱら落ち葉などを食べるため,ワラジムシのほうが益虫とされているのを,今回調べてみてはじめて知りました.他にも今回知ったことがあります.1つはワラジムシが実は外来種であること.原産はヨーロッパで,日本を含めて世界の広い地域に侵入しています.日本の場合は,侵略的な外来種としてみなされてはいないようです.もう定着しているということなのでしょう.もうひとつは,ワラジムシの仲間は日本の在来種だけで100種類,まだ見つかっていない種類をあわせると400種類もいるのではないかという話.そんなに大きなグループだったんですね.研究は遅れているが重要な土壌生物ということでした(参考1~5).

ワラジムシは,大きな触角(第2触角)のついた頭部が一番前にあり,その後ろに胸が7節,一番後ろの方にいくつかある小さい節が腹部とのこと.ムカデと同じ多足類に入るのかと思っていたら,そうではなくエビ・カニと同じ甲殻類なのだそうです.海辺に住むフナムシや深海のグソクムシなども近い仲間.

園内の林床,2014年3月9日朝,晴れ

こちらは,一緒にいたワラジムシの中で背中の模様が違っていた個体.形の特徴は他のワラジムシにそっくりなので,同一種の別色バージョンなのでは(とりあえず,そういうことにしておきます).

園内の林床,2014年3月9日朝,晴れ

写真を撮ってから,丸太はまた元通りに戻しました.



参考

  1. Global Invasive Species Database (2022) Species profile: Porcellio scaber. Downloaded from http://www.iucngisd.org/gisd/species.php?sc=1460 on 24-02-2022.
  2. “ワラジムシ”. ウィキペディア日本語版. 2021-01-29. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%82%B7, (参照 2022-02-24).
  3. ダンゴムシとワラジムシの違い? “動物プロダクション有限会社サイエンスファクトリー”. http://sf-japan.ocnk.net/page/31.
  4. ワラジムシ類のHP. “福岡教育大学動物生態学研究室”. http://sites.google.com/site/isopodafue/.
  5. ダンゴムシワラジムシガイドブック. “宮城教育大学鵜川研究室&学生のページ”. http://ugawalab.miyakyo-u.ac.jp/f5/zhy/dango/04.htm.
  6. . “”. (参照 ) .