基本情報

和名
ホウライシダ
分類
(シダ・コケ) (シダ類) シダ綱 ウラボシ目 イノモトソウ科 ホウライシダ属 (Adiantum)
英名
Maidenhair Fern
学名
Adiantum capillus-veneris
状況
IUCN レッドリスト 2021-3[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考1)

写真とメモ

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

復元池の周囲の水路を見て回っているときに,どこかで見たことのある葉が茂っていたので撮影してみました.写真の右に見えている方です.どこかでというのは,以前アジアンタムというシダの鉢植えを買ってきて部屋で育てていたことがあるのですが,その葉とよく似ていました.生えていたのは,水路の壁面で半日向半日陰.上の写真右上に見えているパイプは水路にかけられた作業用の橋の足場です.この付近では他にも何種類かのシダを見つけたので順次ご紹介していきます.左に見えているのはナガバヤブソテツ

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

アジアンタムは典型的なシダの葉と違って,イチョウ型?ハート形?のたくさんの小さな葉に分かれている種類です.シダの葉が亜熱帯林のじめじめした林のイメージがあるとすると,アジアンタムは木陰でそよそよと気持ちの良い風で葉が揺れるイメージがあります(単なるイメージです).あらためて調べてみたら,アジアンタムは単独の種類の名前ではなく属名で,つまりアジアンタム類(和名はホウライシダ類)というグループがあるようです.スペルは Adiantum で,アジア Asia とは関係ないんですね.今回見つけた種類は,予想通りアジアンタムの一種で,ホウライシダという種類でした.ホウライシダはユーラシア大陸,アメリカ大陸に広く分布している種類とのこと.アジアンタム属=ホウライシダ属には日本に分布する種類が他にも何種類もありますが,アジアンタムの名前で園芸用に取り扱われている種類の多くは日本には分布しない種類のようです.

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

ホウライシダの葉の拡大.上の写真は葉の表側です.葉の形だけでなく,葉脈の走り方などもイチョウに似ています.茎が細く黒褐色なのもこのグループの特徴でしょうか.下の写真は葉の裏側.

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

葉の裏側の拡大.扇型の葉の先端部に沿って胞子が付く場所があります.参考3は日本産のハコネシダとの区別について書かれたページです.葉の裏面の胞子の付き方が明確に違うようです.

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

株の根元付近.



参考

  1. Lansdown, R.V. & Bilz, M. 2018. Adiantum capillus-veneris. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T164082A67770327. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T164082A67770327.en. Accessed on 25 March 2022.
  2. “ホウライシダ”. ウィキペディア日本語版. 2022-03-07. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%80, (参照 2022-03-25).
  3. ホウライシダを見ていて思うこと. “神戸の花と木(今の花と木の様子)”. (参照 2022-03-25) https://kobehana.at.webry.info/201811/article_25.html.
  4. . “”. (参照 ) .