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園内の林,2023年11月23日朝,くもり

サワラの枝に実がいい色に.サワラは春に花が咲き,その実はその年の秋に熟しますが,夏の間は緑色だった実の色が変わってきたところです.この翌週ここに来てみたら,実の色は真っ茶色に変わっていました.

園内の林,2023年11月23日朝,くもり

木の下の方の枝で半日陰なのですが,ちゃんと実がなっています.実は枝の先のほうに集まっています.

園内の林,2023年11月23日朝,くもり

葉の裏の白い部分(気孔帯)の拡大.サワラの気孔帯は蝶ネクタイか結んだリボンのような形で大きいです.

園内の林,2023年11月23日朝,くもり

枝が重みで下がって手の届く高さになっていたので,近くから見られました.



基本情報

和名
サワラ
分類
裸子植物類 マツ綱 マツ目 ヒノキ科 ヒノキ属 (Chamaecyparis)
英名
Sawara Cypress
学名
Chamaecyparis pisifera
状況
IUCN レッドリスト 2022-1[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考1)

写真とメモ

園内の疎林,2022年6月5日朝,くもり

5月末,前週末ぐらいに大雨と強風をともなう嵐がありました.園内に残るその爪痕.疎林のサワラの木が根元からボッキリ折れています.もっと樹高のある木の揃った林の中で,少し背の低い木のようです.葉はついていて,枯れ木というわけではありませんが勢いがなくなっていた木なのかなと思います.

園内の疎林,2022年6月5日朝,くもり

折れた部分の拡大.どうやら内部にかなり大きな空洞ができているようです.木の強度と空洞は関係が深く,空洞が大きいと強度が極端に弱くなるようなので折れやすい状態になっていたのだと思います.

園内の疎林,2022年6月12日午後,くもり

翌週,折れた木の場所を通りかかると切り株が処理されていました.断面を見ると,幹の直径の半分以上を空洞が占めているのがわかります.幹のうち,水分や栄養が通る部分は樹皮の近くの部分だけで,その内側に空洞があっても木の活動には影響はないそうですが,木の構造としての強さには空洞になっているか材が残っているのかの違いは大きいそうです.なるほど,このために周囲の木よりも風に弱かったのでしょう.



園内の林,2021年11月28日午前,晴れ

森の道で上を見上げると,日があたるサワラの木の梢が緑色だけでなく一部が茶色に光っているのに気づきました.一部の葉の色が変わって紅葉したようになっていて,カラフルでキレイでした.サワラは常緑樹で落葉樹ではありませんが,これは秋から冬にすべての葉がまとめて落葉するのではないというだけで,常緑樹であっても秋に一部の葉が落葉するのはおかしくはないのかなと思います.ただ,この紅葉のしかたが正常なのかどうかについては情報が得られませんでしたの,ちょっと保留です.

園内の林,2021年11月28日午前,晴れ



にいじゅくみらい公園,2014年5月11日夕方,晴れ

神社のサワラの木にて.もう花は終わった時期なので,葉先についているのは雄花のあとだと思います.

にいじゅくみらい公園,2014年5月11日夕方,晴れ

こちらは雌花が大きくなって若い実になったところ.雌花も雄花も同じ木の葉先につくとのこと.サワラは花の咲いた同じ年の秋に実が茶色くなるそうです.



水産試験場跡地,2014年3月21日朝,晴れ

小合溜から水産試験場跡地方面に流れる水路に沿って,サワラが並んでいるのですが,その写真を撮ってみました.去年の実がすっかり茶色くなって広がっているところ.サワラに近縁のヒノキの実が直径1cmぐらいなのに対して,サワラは小ぶりで6mmぐらい.葉の先についている小さな黒っぽいのがつぼみ.

サワラはヒノキの近縁種で,園芸品種を含む変種が多いそうです.葉がスギとヒノキの中間のような種類のヒムロや,長く垂れ下がった葉を持つヒヨクヒバ(イトヒバ),葉先が黄色っぽいオウゴンシノブヒバ(ニッコウヒバ)などはみなサワラに含まれるそうです.ただし「~ヒバ」がすべてサワラかというとそうではなくて,アスナロやその変種のことを指すこともあってややこしいです.たとえば,「青森ヒバ」はアスナロの変種のヒノキアスナロという種類の別名とか(参考5,6).

水産試験場跡地,2014年3月21日朝,晴れ

実は非常にたくさんついています.

水産試験場跡地,2014年3月21日朝,晴れ

下の枝に手が届くぐらいなので,高さは5mぐらいの若い木だと思います.この跡地が整備された時に植えられた苗が育ったもの?

水産試験場跡地,2014年3月21日朝,晴れ

表側からみた葉の拡大.つやがあり,日があたって黄緑色に光っています.葉の一番小さい単位は小さな鱗片状で,ひとつひとつは先が尖っています.ヒノキは先が尖っていないとのこと.でも,近縁種との区別点でもっともわかりやすのは,次に写真にあるような葉の裏側の白っぽい部分の形.

水産試験場跡地,2014年3月21日朝,晴れ

上の写真は裏側の拡大です.白っぽい部分を気孔帯というそうです(参考4).この場所の形が種類によって違うそうです(参考2,3).三角形が2つあわさった蝶の形のようになっているのがサワラ.この拡大だと鱗片の先が尖っているのもよくわかります.

水産試験場跡地,2014年3月21日朝,晴れ

幹の.縦に長く裂けた樹皮.



参考

  1. Farjon, A. 2013. Chamaecyparis pisifera . The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T42213A2962099. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T42213A2962099.en. Downloaded on 24 January 2020.
  2. ヒノキ-サワラ-ネズコ-アスナロ. “葉と枝による樹木検索図鑑”. https://elm3.web.fc2.com/top/ruijisyu-miwakekata-hoka/hinoki-sawara-nezuko-asunaro.html, (参照 2023-12-10).
  3. アスナロ・サワラ・ヒノキ・クロベ. “Nawshicaの自然とともに”. http://nawshica.livedoor.blog/archives/2719781.html, (参照 2023-12-10).
  4. 針葉樹の気孔帯はなぜ白いのか? そして その役割は?. “樹の散歩道(木のメモ帳)”. https://kinomemocho.com/sanpo_stomatal_zone.html, (参照 2023-12-10).
  5. “サワラ (植物)”. ウィキペディア日本語版. 2023-10-16. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AF%E3%83%A9_(%E6%A4%8D%E7%89%A9), (参照 2023-12-12).
  6. “ヒバ”. ウィキペディア日本語版. 2023-06-27. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%90, (参照 2023-12-12).
  7. . “”. , (参照 ).