ヤブラン Big Blue Lilyturf
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林床のヤブランの実が緑色から黒に変わりつつある時期でした.ツヤのある実の一部が黒く,一部は緑色という色合いなのですが,遠目に見ると,目の錯覚で,まるで海ぶどうのように,実が透明な深い緑色に見えてきれいでした.
道端のヤブランの株.実のついた穂がいくつも出ています.
花がついていたところ全てに実がついているわけではないようです.実が鳥などに食べられた後なのでしょうか?
基本情報
- 和名
- ヤブラン
- 分類
- 被子植物類 単子葉類 キジカクシ目 キジカクシ科 ヤブラン属 (Liriope)
- 英名
- Big Blue Lilyturf, Liriope
- 学名
- Liriope muscari
- 状況
写真とメモ
メタセコイアの森の林床で.ツヤのある黒い実がたくさんなっていました.夏に咲いていた薄紫色の小さい花の印象と違い,1粒が大きくて黒い真珠のような存在感あり.
株の様子は夏と同じですが,なんだか夏に見た株よりも葉がより茂っていて,勢いがよいです.この場所はメタセコイアの森で,夏に花を観察した株は雑木林の中なので,日の当たる量がこちらのほうがずっと多いのが原因では.
実がかなり少なくなっている房もありました.ヤブランの実は鳥も好きな実だとのことで,おいしい冬のエサとしてどんどん少なくなっていくのでしょう.
林を散策していて,林床のあちこちに紫の花をみつけました.花やつぼみは薄紫色,花茎も同じ薄紫色です.花びらはツヤがあって瑞々しい様子で,木漏れ日で光って綺麗でした.これから花の時期と見えて,つぼみが多くちょうど咲き始めたところ.
ヤブランは,参考1によると,日本などの東アジアとヨーロッパや北アメリカの一部などにも分布する種類のようです.このグループには,日本では他にコヤブラン,ヒメヤブランという自生種もあるようです.これらとの区別は,コヤブラン,ヒメヤブランは花の色が薄くて,花が少ないこと,ヤブランと違って,匍匐茎で増えることなど.ヤブランは園芸品種も作られている種類のようです.園芸種は属名のリリオペという名前で流通しています(参考3).花の色違いや葉に斑入りの種類も.ヤブランの花を見て,ムスカリに似ているかもと思ったのですが,ムスカリはヤブランと同じキジカクシ科ですが,ヤブランはスズランに近縁のグループ,ムスカリはヒヤシンスに近縁のグループということで,別のグループでした.面白いのは,ヤブランの学名は Liriope muscari(リリオペ・ムスカリ)で種小名に「ムスカリ」が,,ムスカリの学名は Muscari neglectum(ムスカリ・ネグレクトゥム)で,属名に「ムスカリ」の名前がつけられています.ムスカリとは,ムスク(麝香)の香りのする,というのがもとの意味で,ムスカリの学名はその意味でつけられたのだと思いますが,ヤブランの学名の方は,もしかしたら,ムスカリに似ている,という意味でつけられているのかもしれません.
花の拡大.
株の全体.長い葉がたくさん.花茎は1本か2本ぐらい.環境が暗すぎると花が少なくなるそうです(参考2).林内を歩いていると,ヤブランの株は点在していて,集まってたくさん咲いている場所はなさそうでした.
参考
- Liriope muscari (Decne.) L.H.Bailey in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/5549949 on 2023-12-08.
- ヤブラン. “植物写真鑑”. http://www.zoezoe.biz/2010_syokubutu/ka_1_ka/222_kijikakushi/liriope/yabu_ran.html, (参照 2023-12-08).
- ヤブラン(リリオペ). “みんなの趣味の園芸”. https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-805, (参照 2023-12-08).
- . “”. , (参照 ).
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