基本情報

和名
タチバナモドキ
分類
被子植物類 真正双子葉類 バラ類 バラ目 バラ科 トキワサンザシ属 (Pyracantha)
英名
Narrowleaf Firethorn
学名
Pyracantha angustifolia
状況
外来生物法生態系被害防止外来種(最終 修正版,2015年) (国外由来の外来種 > 総合対策外来種 > その他の総合対策外来種,分布拡大期~まん延期 河原の固有種の生育地 Ⅳ) (ただし,ピラカンサ類 Pyracantha spp. として)(参考1)
IUCN レッドリスト 2023-1[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考2)

写真とメモ

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

きれいなオレンジ色の実がびっしり.ピラカンサは,晩秋の園内でびっしりと赤い実をつける低木です.ピラカンサはグループ名(属名)で,ピラカンサ(トキワサンザシ)属に含まれる3種類またはそれらの交雑種,品種などをまとめて呼ぶ言い方とのこと.ピラカンサの3種類とは,トキワサンザシ,タチバナモドキ,カザンデマリといいます.このうち,実がオレンジ色なのはタチバナモドキで,トキワサンザシとカザンデマリは赤い実をつける種類です.園内で見るピラカンサは赤い実とオレンジ色の実どちらもあったと思います.

タチバナモドキは現在では観賞用に世界中の温帯域に導入されていますが(参考4),原産地は中国の種類です(参考2).日本では,ピラカンサ類全体が環境省の「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」に掲載されています(参考1).

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

今回は,河川敷を散歩していて,道端でみつけたので撮影してみました.道の片側に赤い実とオレンジ色の実のピラカンサが点々と植えられています.ピラカンサといえば,鳥が集まる木なので,鳥を呼ぶ木として植えられているのでしょうか.このあたりでは,大小の鳥をたくさん見ます.

オレンジ色の実はタチバナモドキでしたが,赤い実のほうも葉の形がオレンジ色の実のと同じでした.タチバナモドキには赤い実の品種もあるとのことなので,どちらもタチバナモドキだと思います.

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

実の拡大.1つ1つの実は平べったい形をしていて,カキの実のようです.

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

葉の付いた小枝.枝は大きなトゲになってます.葉は細く全縁.タチバナモドキの特徴は葉の表裏に細毛が生えていることです.枝にも毛がびっしりです.

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

オレンジの実をつけたタチバナモドキでは,あちこちの枝の先端に白い花がついていました.花がついているのはどの枝でも先端に1つだけです.タチバナモドキの本来の花の時期は春とのこと.同じバラ科のサクラも秋に咲いてしまうことがありますが,サクラと同じように開花時期の調節機構が間違って,秋冬に咲いてしまうことがあるのでしょうか.並んで生えている赤い実のタチバナモドキのほうは実だけで,花はついていませんでした.園内で秋にサクラが咲くのはジュウガツザクラヤマザクラで見たことがあります.

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

白い花は,サクラやウメノイバラなどにも似た感じの,バラ科っぽい花です.オレンジ色の実と同じように,白い花がびっしり咲いているのもきれいでしょう.春にも来てみたいです.

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ



江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

上の写真が,赤い実をつけたタチバナモドキです.葉の形はオレンジ色の実の木と同じで,全縁で細長い葉をしています.

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

こちらもたわわに実がついています.

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ

実の拡大.花柄のつきかた,実の形などにも特に違いはないようです.

江戸川河川敷(葛飾橋),2023年11月23日午前,晴れ



参考

  1. 生態系被害防止外来種リスト.“日本の外来種対策”(環境省 自然環境局). https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html.
  2. Ye, J., Qin, h., Botanic Gardens Conservation International (BGCI) & IUCN SSC Global Tree Specialist Group. 2019. Pyracantha angustifolia. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T147648986A147648993. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-2.RLTS.T147648986A147648993.en. Accessed on 16 December 2023.
  3. Pyracantha angustifolia (Franch.) C.K.Schneid. in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/2988222 on 2023-12-16.
  4. タチバナモドキ 橘擬. “三河の植物観察”. https://mikawanoyasou.org/data/tatibanamodoki.htm, (参照 2023-12-16).
  5. タチバナモドキ(橘擬き). “松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/tatibanamodoki.html, (参照 2023-12-16).
  6. . “”. , (参照 ).