基本情報

和名
ジュウガツザクラ
分類
被子植物類 真正双子葉類 バラ類 バラ目 バラ科 サクラ属 (Prunus)
英名
'Jugatsuzakura' Winter-flowering Cherry
学名
Prunus subhirtella var. autumnalis, syn. Cerasus x subhirtella f. autumnalis
状況

写真とメモ

最新の写真

水産試験場跡地,2021年11月7日午前,晴れ

復元池の近くのジュウガツザクラの若い木.以前この花を撮ったときはくもっていたのでまたちょっと撮ってみました.桜の花の色はくもり空に溶けていく色なので,晴れていたほうが,花びらの輪郭の形や色味がくっきり見えます.ちょうどきれいに平開した花ですが,白っぽい花びらは大きさに結構ばらつきがあって,花びらが7,8枚あるように見えますが,1枚が2つに分かれてたりして数が増えているのでしょうか.

水産試験場跡地,2021年11月7日午前,晴れ

秋の景色にここだけ違う季節です.長い期間に渡って咲き続けるからか,同時に咲いている花は少なくぽつぽつ.

水産試験場跡地,2021年11月7日午前,晴れ

こちらの花は同じ木なのですが,花によってピンクの濃さはまちまち.つぼみが濃いピンクなので濃い色で咲いたあと,だんだんと色が薄くなっていくようです.花びらが10枚近くあるような.

水産試験場跡地,2021年11月7日午前,晴れ

やはり同じ木なのですが,こちらは八重といってもよいぐらいの花びらです.花びらの数は20枚未満ぐらい.花びらによって色調が違います.

水産試験場跡地,2021年11月7日午前,晴れ

花の裏から見たところ.小花柄のつけねに花柄がないことや,ガク筒の途中がくぼむことなど,形態的にはエドヒガン

水産試験場跡地,2021年11月7日午前,晴れ

ピンク色の色調の違う花がまじっています.

水産試験場跡地,2021年11月7日午前,晴れ

若い葉も出ていました.鮮やかな緑色.



水産試験場跡地,2017年12月24日午後,晴れ

池の近くで,たくさん花をつけている桜の木を発見.高さ2,3mぐらいの小さな木で,名札は付いていません.早春の桜もそうですが,寒いときに見るサクラの花はその「線の細さ」が強調されて,かぼそい,ちょっと痛々しい感じすらします.同じく寒いときに咲くロウバイが堂々とした印象すらするのと対照的.

秋冬に咲く桜の品種もたくさんあると学びましたので,桜の種類が気になります.参考2の文献に従って,素人同定をしてみました.まずは「サクラ属内における種の識別」をたどってみると,あまり迷うことなくエドヒガンに行き着きました.エドヒガンは多くの品種の元になっている野生種なので,エドヒガン系の種類なのではないか,ということになります.次に,「品種の識別」をやってみましたが,花期が秋~冬の品種には5種類掲載されていてそれらを区別する感じなのですが,これもあまり迷わず,「十月桜」となりました.確認ですが,ジュウガツザクラはエドヒガン系の品種で合ってますよね.ネット検索すると,水産試験場跡地のジュウガツザクラの写真も見つけました(参考3).

上の写真は,花の拡大です.咲いている花はかなり白っぽいですが,花弁の周辺の色が少し濃い感じ.つぼみの色が濃紅色でコントラストが綺麗です.花は一重ですが,花弁が多くて重なるように見えます.雌しべが雄しべよりもずっと長く,花の中央から飛び出ているように見えています.

水産試験場跡地,2017年12月24日午後,晴れ

花を横から見た写真.花柄はなく,小花柄が直接分かれています.小花柄には毛が生えています.萼筒の形は少しくびれた壺形です.

水産試験場跡地,2017年12月24日午後,晴れ

後ろから見た花.萼片は三角形で5枚あり,鋸歯があります.

水産試験場跡地,2017年12月24日午後,晴れ

つぼみもまだたくさんあるのですが,咲き終わった花も多く,かなり長い間咲き続けているのではと思わせる様子でした.参考3の写真は10月ですね.



にいじゅくみらい公園,2017年1月3日お昼,晴れ

近所の公園で見つけた,花の咲いている桜の木には,ジュウガツザクラという看板がありました.名前は十月桜ですが,英語名に"Winter-flowring"とあるように,気候が穏やかなら冬中咲くそうなので,正月に咲いていてもおかしくないんですね.

ジュウガツザクラは,コヒガンというサクラの種類の変種(または品種)と考えられています.コヒガンの学名は Prunus subhirtellaで,var. autumnalis はその変種の意味.コヒガンという種類は,エドヒガンという野生種を元にしてつくられた園芸種のグループ「エドヒガン群」に含まれているので,ジュウガツザクラもエドヒガン群です.ちなみに,コヒガンはエドヒガンとマメザクラの交雑種と言われています.

ソメイヨシノもジュウガツザクラと同じく,エドヒガン群の品種です.水元公園内では,数年前にソメイヨシノが秋に咲いているのを見たことがあります.エドヒガンの開花時期決定のシステムがゆるいのを想像させます.



参考

  1. “ジュウガツザクラ”. ウィキペディア日本語版. 2021-05-07. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%82%AC%E3%83%84%E3%82%B6%E3%82%AF%E3%83%A9 (参照 2022-02-06).
  2. 犀川,岩元:野外学習用の桜の検索表の作成とその実践.東京学芸大学紀要. 自然科学系 59: 61-67, 2007. https://u-gakugei.repo.nii.ac.jp/records/25955.
  3. ジュウガツザクラが咲き始めました(水産試験場跡地).“公園へ行こう!”(東京都公園協会). https://www.tokyo-park.or.jp/search/dyn/now_detail.php?showID=6346&entryDate=20131002134037&base_name=041.
  4. . “”. (参照 ) .