エドヒガン Rosebud Cherry
基本情報
- 和名
- エドヒガン
- 分類
- 被子植物類 真正双子葉類 バラ類 バラ目 バラ科 サクラ属 (Prunus または Cerasus)
- 英名
- Rosebud Cherry, Higan Cherry
- 学名
- Prunus itosakura Siebold
Syn. Prunus pendula var. ascendens Makino Syn. Cerasus spachiana Lavallée ex Ed. Otto - 状況
- 東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版 東京都区部における区分:[・] 非分布,東京都本土部全体における区分:[EN] 絶滅危惧 IB 類 (参考1)
- 千葉県レッドデータブック-植物・菌類編(2023年改訂版):[A] 最重要保護生物 (参考2)
写真とメモ
園内ではオオカンザクラの花はすでに終わってしまい,ソメイヨシノは日当たりのよい側のひこばえから花がぽつぽつ開き始めて来たかなぐらいでまだ一分咲き.そんな中,五分咲きといってもよいぐらいの咲き方をしている薄いピンクのサクラが目立っていました.開花がソメイヨシノよりもちょっと早いサクラは一般にヒガンザクラと呼ばれる種類かなと思いつつ,花の特徴を確認するとソメイヨシノにちょっと似ていて,エドヒガンのようでした.エドヒガンは,日本に分布するサクラの野生種で,本州から九州まで自然分布する種類.東日本に多いことから,エドヒガン,アズマヒガンなどと呼ばれたとのこと.そういえば,水元公園で見られるサクラのリストではエドヒガンも含まれているのを見た記憶がありますが,自分が園内で見つけたエドヒガンはこの木がはじめてです.園内のはもちろん植えられたものでしょうが,自然分布のエドヒガンについては,東京と千葉のレッドリストに掲載されていました(参考1,2).
花の拡大.エドヒガンの色は,ソメイヨシノよりも濃いめのピンクです.つぼみはかなり濃いピンクで,咲くと薄くなるようで,フレッシュな花では花びらの一部にピンクの色ムラがあってきれいです.
ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの種間雑種とのことですが,エドヒガンとマメザクラの種間雑種のコヒガンという品種も有名です.エドヒガンを元にして作られた園芸品種にはシダレザクラ,ヤエベニシダレなどたくさんあり,まとめてエドヒガン群と呼ばれています.
エドヒガンの小花柄とガク.花柄はなく,小花柄には毛が生えていてます.ガク筒の形はソメイヨシノにも似ていますが,途中がより大きくくびれている鐘型が特徴.
つぼみの色と咲いた後の花色がわかる写真です.つぼみの濃いピンクが,膨らんだつぼみでは色が薄くなり,咲くともっと薄くなります.これがきれいですね.
濃い色のつぼみ,薄い色の花がまじって,青空に映えます.
エドヒガンはこの場所では1本だけのようでした.
エドヒガンの特徴を調べていると,樹皮が他の桜の典型的な皮目とは違って,縦にも細かくひび割れるとありましたので,前回花を見てから2週間後のこの日はエドヒガンの樹皮を見に行きました.園内のソメイヨシノはまだ満開が続いている頃ですが,エドヒガンの花はもうすっかり終わっていました.
細かいヒビ割れの多い樹皮.サクラではあまりこういうのを見ません.1本だけなのでどのぐらいバリエーションがあるのかわかりません.
縦方向にひび割れもあります.
参考
- レッドリスト・レッドデータブック・植生図. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
- 千葉県レッドデータブック・レッドリストについて. “千葉県環境生活部自然保護課 生物多様性センター” https://www.bdcchiba.jp/reddatebook_redlist.
- Prunus itosakura Siebold in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/search?q=Prunus%20itosakura on 2024-04-19.
- . “”. , (参照 ).
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