基本情報

和名
モンキアメバチ種群
分類
節足動物門 昆虫綱 ハチ目 ヒメバチ科 アメバチ属 (Ophion)
英名
Cream-striped Darwin Wasp Species Group
学名
Ophion obscuratus agg.
状況
時期
123456789101112
成虫1

写真とメモ

園内の街灯,2025年3月23日夜,くもり

鮮やかな赤褐色のスマートなハチ.体長を測ったらちょうど2cmでした.ヒメバチ類は似たような種類が多くて同定が難しいグループです.赤褐色の体を持つグループでアメバチ属 (Ophion)とアメバチモドキ属 (Netelia)があるとのこと.

園内の街灯,2025年3月23日夜,くもり

上の写真が前翅の翅脈の拡大ですが,翅脈の様子からアメバチ属のようです.矢印aの先には前翅の前縁にある縁紋から続く細長い区画(D1+B1)がありますが,アメバチモドキ属では矢印aのところに小さな鏡胞という区切られた部屋になっているはず.矢印bの翅脈(Rs)は翅の後方に曲がっていますが,これはアメバチ属の特徴で,アメバチモドキ属は前翅の前方に反っているはず.矢印cに,途中で途切れた短い翅脈が見られますがこれはアメバチ属(参考2).

園内の街灯,2025年3月23日夜,くもり

胸背部に黄白色の模様があるのと腹部の側面も白いのが目立ちます.参考3-5を見ると,これはモンキアメバチ(Ophion obscuratus)の特徴です.モンキアメバチはヨーロッパと東アジアに分布する種類で(参考1),イギリスではアメバチ類で最普通種とのこと(参考2).一方,参考6には専門家のコメントがあり,日本にはモンキアメバチは分布せず,日本にいるのはモンキアメバチと種群を形成する未記載種の可能性があるとのこと.ここでは,モンキアメバチ種群としておきます.



参考

  1. Ophion obscuratus Fabricius, 1798 in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/1295815 on 2025-04-05.
  2. 渡辺,藤江:日本産ヒメバチ上科(膜翅目)の属への検索表.神奈川県立生命の星・地球博物館 特別出版物 第2号.2022. https://nh.kanagawa-museum.jp/www/contents/1643173895521/simple/SPKPMNH_02_a.pdf.
  3. Ophion obscuratus agg.: In "NatureSpot". Retrieved from https://www.naturespot.org/species/ophion-obscuratus on 2025-04-05.
  4. Kim KB, et al. : Taxonomical review of the subfamily Ophioninae (Insecta: Hymenoptera: Ichneumonidae) from Korea II. Genus Ophion Fabricius. Animal Systematics, Evolution and Diversity 25(1), 2009,1-4. http://dx.doi.org/10.5635/KJSZ.2009.25.1.001.
  5. Ophion sp. “東京23区内の虫 2”. http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-1492.html, (参照 2025-04-05).
  6. X (Twitter) Posts and replies by @torukawabe and @parasitoidwasps. https://x.com/torukawabe/status/1246729577419833344, (参照 ).
  7. . “”. , (参照 ).