ハシビロガモ Northern Shoveler
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小合溜を進むハシビロガモのつがい.周囲には他の水鳥に姿はなく,すいすいと自由に泳ぎ回っていました.眼の色を見ると,右が黄色なのでオス,左は褐色なのでメス.オスはまだサブエクリプスにもなっていない,うろこ模様のエクリプスのような羽でした.
基本情報
- 和名
- ハシビロガモ
- 分類
- 鳥綱 カモ目 カモ科 ハシビロガモ属 (Spatula)
- 英名
- Northern Shoveler
- 学名
- Spatula clypeata, syn. Anas clypeata
- 状況
- IUCN レッドリスト 2023-1:[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend decreasing (個体数減少傾向) (参考1)
写真とメモ
遠くの方に地味なカモが2頭見えたのですが,ハシビロガモのようです.オスメスのわかりやすい違いのひとつに,目の色が黄色がオスで茶色がメスというのがあるので,どちらも目が黄色いのでオス.ただ,羽色は,頭部が深緑青,体が茶色と白のわかりやすい冬羽ではありません.エクリプスやメスのような地味な模様です.調べてみると,ハシビロガモは,換羽が遅い傾向があり,エクリプスから生殖羽(冬羽)に変わる途中をサブエクリプスと呼ぶそうです(参考3,4).どうやらその状態の羽に見えました.もう2月中旬ですので,それにしても相当遅いです.他の鳥では幼鳥だと換羽が遅い傾向のあるので若鳥なのかもしれません.
ハシビロガモのぐるぐる採餌
これを更新している今はもう5月ですが,これは2月の話です.
ゴンパチ池でハシビロガモが3頭(オス2,メス1)を見つけました.快晴で明るい昼間だったのですが,冷たい風の強い日で,水面はずっと波立っていました.ハシビロガモのオス1メス1が頭を突き合わせるようにして,水中に頭を沈めて,ぐるぐるお互いのまわりを回り続けています.たまの息つぎのとき以外は一心不乱にです.これをみて,自分はこれからツガイを作るオス・メスが求愛行動をとっているのだろうと納得していました.
ところが,一般的な行動かどうかを調べようと,念のため「ハシビロガモ ぐるぐる」で検索したところ,たくさんのページがヒットしました(参考2 他).曰く「ぐるぐる採餌」.なんと,求愛行動ではなくエサを取っているらしいとのこと.クチバシの幅の広いハシビロガモ独特の行動のようですが,グルグル回ることで,水面近くのエサを集めているそうです.… これで集まるんでしょうか?
自分が求愛行動に見えたのは,オスとメスが行っているためでしたが,ネット上ですごい写真もみつけました(参考3).多数のハシビロガモがみんなで輪になってぐるぐる!回り,まるでフォークダンスを踊っているかのようです.いろいろあるんですね.
息つぎ中のオス.休憩.
特に珍しい鳥というわけではないのでしょうが,水元公園で初めて見つけた鳥です.オス1頭だけで,そばにメスは見つかりませんでした.バードサンクチュアリの観察窓越しに観察できたので,すぐ近くで,じっくり観察できました.
クチバシが,それはもう印象的です.途中がふくらんでなんとも微妙な曲線を描いているのと,色がマットな感じの黒で質感があります.また,頭部の色合いがいいです.マガモの色よりも渋く青みがかっていて,脇腹の赤褐色とのコントラストが映えている.ほれました.
参考
- BirdLife International. 2019. Spatula clypeata. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T22680247A153875944. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T22680247A153875944.en. Accessed on 31 December 2023.
- ハシビロガモのぐるぐる. “メンバラ&身近な自然”. https://new-menbala.seesaa.net/article/200703article_6.html, (参照 2023-12-31).
- ハシビロガモ. “徒然野鳥記(CEC)”. http://www.cec-web.co.jp/column/bird/bird121.html, (参照 2023-12-31).
- ハシビロガモ♂(サブエクリプス). “野口洪志の野鳥日記”> http://h-noguchi.blog.jp/archives/8965320.html, (参照 2023-12-31).
- . “”. , (参照 ).
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