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小合溜沿いの草地,2023年5月3日午後,晴れ

クワの葉で,クワコの幼虫を発見.長さ4cmですので中齢幼虫でしょう.鳥のフンのような保護色ですが,この模様は近くで見るときれいですね.葉を食べているようで葉が欠けていますが,左右対称にきれいに食べています.葉を食べる虫がついているのを目立たなくする工夫でしょうか.



基本情報

和名
クワコ
分類
節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (ガ類) カイコガ上科 カイコガ科 カイコガ属 (Bombyx)
英名
Wild Silk Moth
学名
Bombyx mandarina
状況

写真とメモ

園内の林,2022年5月28日午前,晴れ

園内の道沿いのクワの木にクワコの大きな幼虫を発見.終齢かそれに近い老齢幼虫.カイコガの幼虫(カイコ)と雰囲気のよく似た幼虫です.カイコは体全体が白で胸のあたりなどに黒っぽい斑紋がある程度なのに対し,クワコの幼虫は背面全体が黒から褐色の模様で埋め尽くされていて,腹面は白っぽい色ですがこちらも模様があります.真っ白に比べるとカラスのフンやゴミに似た外見になり,捕食者からの保護色になっていそうです.アゲハ類の若齢幼虫と同じ効果ですね.

園内の林,2022年5月28日午前,晴れ

横から見たところ.



園内の街灯,2021年8月28日夜,晴れ

街灯の支柱の上の方に止まっていた茶色いモフモフ系のガ.ストロボの光が届きにくい距離でしたが,なんとか写真を撮りました.絹糸を採るカイコガの近縁種のクワコで,カイコガと同じくクワを食べます.日本から朝鮮,台湾,中国に分布しています(参考2).

園内の街灯,2021年8月28日夜,晴れ

クワコは初めて見たのですが,腹部が極太で翅が小さめ.カイコガと同じ面影があります.カイコガは飛べませんが,クワコはもちろん飛べるのですね.どんな感じの飛び方をするのでしょうか.クワコとカイコガは同じカイコガ属で,遺伝子を調べると非常に近い関係にあるそうです.別種になった分岐年代は5000年前と想定されていて,家畜化による人為的なものと想定されています(参考1).ヒトが飼育しはじめたクワコが,野生のクワコと生殖的に隔離されて別の変異が重なって別種になったということですね.ちなみに,中国のクワコと日本のクワコは同種にはなっていますが,染色体数が違っていて,カイコガの祖先は中国のクワコのようです.



参考

  1. “クワコ”. ウィキペディア日本語版. 2021-09-02. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AF%E3%82%B3, (参照 2021-11-03).
  2. Bombyx mandarina Moore, 1872 in GBIF Secretariat (2021). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/6544581 on 2022-07-24.
  3. . “”. (参照 ) .