ユキヤナギの狂い咲き(最新の写真)

江戸川河川敷(江戸川ラインゴルフ場),2024年1月2日夕方,くもり

初詣の帰りに河川敷を散歩.ゴルフ場の道沿いに植えられていたユキヤナギがきれいに紅葉していましたが,そこに白い花が点々と咲いていました.ユキヤナギといえば早春の花ですが,この時期に咲くのは狂い咲きということでしょうか.鮮やかな紅葉と一緒に咲く花が非常にキレイでした.春のユキヤナギは枝にすき間なくびっしりと花がつく見事なものですが,ここでは花がぽつぽつ並んだ感じがバラ科のウメなどと同じ雰囲気で,別の趣があります.

江戸川河川敷(江戸川ラインゴルフ場),2024年1月2日夕方,くもり

狂い咲きといえば,園内では同じくバラ科のヤマザクラの狂い咲きをみたことがあります.狂い咲きは,植物が「冬を越えた」という季節をカウントするスイッチが誤作動して,冬の前なのに開花のスイッチが入ってしまう,というように説明されています.春と秋,早春と初冬など,本来の開花時期と同じ気温の時期に間違うということだと思いますが,植物によっては,春と秋を区別するスイッチがそもそも働いておらず,春と秋にどちらも咲くキミガヨランのような種類もあるのが面白いところです.狂い咲きを検索していたら,もっと上品な言葉で,返り咲き(帰り咲き),返り花(帰り花)という言葉もあるようです.「花が狂ってしまった」よりも「花が帰ってきた」ほうが縁起がよさそうです.

江戸川河川敷(江戸川ラインゴルフ場),2024年1月2日夕方,くもり

紅葉と白い花の組み合わせが冬枯れの中でよく映えていました.参考4にも,紅葉と白い花の写真がありました.



基本情報

和名
ユキヤナギ
分類
被子植物類 真正双子葉類 バラ類 バラ目 バラ科 シモツケ属 (Spiraea)
英名
Thunberg's Meadowsweet
学名
Spiraea thunbergii
状況

写真とメモ

水辺の野草園,2023年3月12日午前,晴れ

水辺の野草園の周囲に植えてあるユキヤナギが満開.ユキヤナギは毎年春の長い期間きれいに咲く花です.名前はヤナギですが,シモツケと同じグループで,バラ科.長く伸びた枝に花が並んで重そうに垂れるところがヤナギっぽいということでしょうか.日本,中国原産,日本では東北南部以西で自生する在来種とのことですが,栽培され,園芸品種もつくられている種類.

水辺の野草園,2023年3月12日午前,晴れ

花は,クサイチゴノイバラなどの花を小さくした感じで,たしかにバラ科っぽい花です.中央部にめしべの花柱5本,外側におしべがたくさんあり,その間に黄色い蜜腺が同心円状に輪を作って並びます.

水辺の野草園,2023年3月12日午前,晴れ

ユキヤナギは,この花がびっしり並ぶのがきれいですね.

水辺の野草園,2023年3月12日午前,晴れ

つぼみがピンク色です.原種は白花ですが,これは花色の違う園芸品種のようです.ピンク花は,フジノピンク('Fujino Pink') という品種が有名とのことですが,ユキヤナギは自然状態で変異の多い種類らしく,名前のついていない品種もいろいろ流通しているとのこと.

水辺の野草園,2023年3月12日午前,晴れ

こちらは白花.長い枝に花の並ぶ感じが,ピンク花とちょっと違っています.

水辺の野草園,2023年3月12日午前,晴れ

葉は小さくて細長い形,花と同じようにたくさん並びます.

水辺の野草園,2023年3月12日午前,晴れ



参考

  1. Spiraea thunbergii Siebold ex Blume in GBIF Secretariat (2022). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/7161076 on 2023-03-25.
  2. ユキヤナギ(雪柳). “松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/yukiyanagi.html, (参照 2023-03-26).
  3. ユキヤナギ. “ガーデニングの図鑑”. https://shiny-garden.com/post-23314/, (参照 2023-03-26).
  4. 雪柳の紅葉と帰り花 . “椿壽菴だより”. https://yuuyuu1122.exblog.jp/16929085/, (参照 2024-01-15).
  5. . “”. , (参照 ).