基本情報

和名
イシクラゲ
分類
細菌界 シアノバクテリア(藍色細菌門)門 ランソウ(藍藻)綱 ネンジュモ目 ネンジュモ科 ネンジュモ属 (Nostoc)
英名
Star Jelly
学名
Nostoc commune
状況

写真とメモ

最新の写真

江戸川河川敷(上葛飾橋),2023年1月22日午前,くもり

先週イシクラゲを見つけた河川敷の道で,乾燥した天気でイシクラゲがどうなっているのか見に来ました.土まみれになっていないところは雨の後はフレッシュに見えていたところですが,乾燥してしわくちゃになって黒っぽくなっていました.乾燥わかめのよう.

江戸川河川敷(上葛飾橋),2023年1月22日午前,くもり



江戸川河川敷(上葛飾橋),2023年1月15日午前,くもり

河川敷の道を歩いていて,道路上に黒っぽいコケか何かの層が分厚く広がっているのを見つけました.前日の雨によって水分を含んでいて,表面の一部にはツヤがありキクラゲかワカメみたいに見えています.

イシクラゲは外見はキノコのように見えるので,キクラゲに対してイシクラゲとはいい名前です.キノコではなく,藍藻類に分類されるネンジュモの一種で,世界中に分布しています(参考1).藍藻は細菌類で,微小な単細胞生物なのですが,ネンジュモ類ではそれが数珠状につながった「細胞糸」という構造をつくっているのが名前の由来.ただ,その細胞糸がたくさん集まった集合体となるので,肉眼で見るとこのような外見になるそうです.ネンジュモ類は,種類によって淡水か陸上に生息しますが,陸上の種類の場合,乾燥するとシワシワ・ボロボロに見えますが,水分を含むとフレッシュになります.

江戸川河川敷(上葛飾橋),2023年1月15日午前,くもり

フレッシュに見えるのはごく一部だけで,ほとんどは枯れたようにガビガビに縮んでいて,20~30cmおきに裂け目ができて,その周囲はめくれ上がって丸まっています.この部分は死んでいるのか,もっとたくさんの水で戻せば戻るのでしょうか.

イシクラゲと同じネンジュモ類で,九州に分布するスイゼンジノリ(水前寺のり)という種類が食用にされるそうです(参考2).もっと範囲を広げると食用の“スピルリナ”(ユレモ類)も藍藻です.イシクラゲも食べられるとのことで,ネット上には「食べてみた」報告がたくさん見つかります.水で戻して洗って砂を落としてから調理するようです.スイゼンジノリもイシクラゲも,食物繊維やミネラルを豊富に含み,保存食にも向いているとのこと(参考3).スイゼンジノリはきれいな水にしか生息しないとのことですが,イシクラゲはどこでも生えているので,生えている環境に注意ですね.江戸川のイシクラゲはあまり食用にはしたくない感じですね.

江戸川河川敷(上葛飾橋),2023年1月15日午前,くもり

舗装道路の端の方,水が溜まりやすいエリアに繁茂しているようです.

江戸川河川敷(上葛飾橋),2023年1月15日午前,くもり

フレッシュな部分を裂いてみたところ.厚みはなく,盛り上がっている部分の下は空洞になっていて,両面に同じようなツヤがありますが,下面のほうが明るい色調をしていました.全体に緑がかっています.

江戸川河川敷(上葛飾橋),2023年1月15日午前,くもり



参考

  1. Nostoc commune Vaucher ex Bornet & Flahault in GBIF Secretariat (2022). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/8225325 on 2023-02-24.
  2. 水前寺のりとは. “水前寺のりくまもとの会”. https://www.suizenjinori.kumamoto.jp/suizenjinori, (参照 2023-03-03).
  3. 石松, 石橋:藍藻類イシクラゲの食品素材としての特性. 日本家政学会誌 45(8): 719-722. Retrieved from https://doi.org/10.11428/jhej1987.45.719.
  4. . “”. , (参照 ).