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小合溜沿いの草地,2024年10月6日朝,くもり

林縁のヤブの近くをゆっくり飛んでいた褐色系のイトトンボが,イノコズチに止まったところ.撮影してみたらホソミイトトンボのオスでした,上の写真がストロボ使用,下の写真がストロボなし.

小合溜沿いの草地,2024年10月6日朝,くもり

これから越冬する個体は全身が褐色で,胸部や腹部に濃淡の縞模様があります.複眼に映る縞模様がきれいです.



基本情報

和名
ホソミイトトンボ
分類
節足動物門 昆虫綱 トンボ目 イトトンボ科 ホソミイトトンボ属 (Aciagrion)
英名
Wandering Midget
学名
Aciagrion migratum (Selys, 1876)
状況
千葉県レッドリスト−動物編(2019年改訂版)[B] 重要保護生物 (参考1)
IUCN レッドリスト 2024-2[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend increasing (個体数増加傾向) (参考2)

写真とメモ

園内の林,2022年10月2日午前,晴れ

林のひだまりをふわふわ飛んでいた褐色系のイトトンボ.秋も深まってきた時期なので成虫越冬するイトトンボのどれかかなと思って撮影してきましたが,写真を確認するとホソミイトトンボ.自分はホソミオツネントンボ,オツネントンボは見たことあったのですが,ホソミイトトンボは初めて見ました.ホソミオツネントンボとオツネントンボはアオイトトンボ科ですが,ホソミイトトンボはイトトンボ科で,ホソミイトトンボがもっとも小さく,腹部が細いのが特徴.どの種類も越冬する時期の体色は褐色系で共通ですが,成虫の体色がずっと褐色なのはオツネントンボだけ,ホソミオツネントンボとホソミイトトンボは時期によって青色系のきれいな色になります.

ホソミイトトンボは,夏型と越冬型の特徴の違う2つの型があり,体色と模様,体長などが違うようです.参考4によると,越冬型の体色はメスではずっと褐色ですが,オスでは越冬型が夏に羽化したときはブルーで,越冬する時期に褐色になり,春にまた青くなるとのこと.日本では本州,九州,四国に分布,分布の北限と東限は石川県と栃木県で,公園周辺では千葉県のレッドリストに収録されています.日本の他には,朝鮮,中国,台湾など.IUCNのレッドリストでは個体数増加傾向となっていますが,2007年の調査結果です.

園内の林,2022年10月2日午前,晴れ

最初はホソミオツネントンボかオツネントンボのどちらか…と見ていたのですが,この2種類の区別点は,前後翅の縁紋が重なるかどうか.オツネントンボは重ならず,ホソミオツネントンボは重なるのですが,ホソミイトトンボも重ならないので,ホソミオツネントンボではないということがわかることになります.



参考

  1. 千葉県レッドデータブック・レッドリストについて. “千葉県環境生活部自然保護課 生物多様性センター”. https://www.bdcchiba.jp/reddatebook_redlist.
  2. Karube, H. 2009. Aciagrion migratum. The IUCN Red List of Threatened Species 2009: e.T167113A6303509. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2009-2.RLTS.T167113A6303509.en. Accessed on 23 November 2022.
  3. ホソミイトトンボ. “デジタルトンボ図鑑”. https://www.odonata.jp/03imago/Coenagrionidae/Aciagrion/migratum/index.html, (参照 2024-11-08).
  4. ホソミイトトンボ(細身糸蜻蛉). “自然観察雑記帳”. https://naturalism-2003.com/kansatsu/animal/insect/tonbo_odonata/hosomiitotonbo.html, (参照 2024-11-08).
  5. ホソミイトトンボ(越冬). “ホタルの独り言 Part 2”. https://blog.goo.ne.jp/hotaru-net/e/dd2bcce1514ed2e7db51543016e99536, (参照 2024-11-08).
  6. . “”. , (参照 ).