アメリカシロヒトリ(幼虫) Fall Webworm Moth
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メタセコイアの森の下草のネザサとそれを覆うキカラスウリの群落のあたりで,見つけた毛虫.写真の幼虫に該当する種類が見つかりませんが,斑紋の様子などはアメリカシロヒトリの幼虫に似ています.アメリカシロヒトリの幼虫には体色が暗色になる色彩変異個体がいるとのことで,そういう可能性がありそうです.
頭部や背面は黒褐色が基調です.
基本情報
- 和名
- アメリカシロヒトリ
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (ガ類) ヤガ上科 トモエガ科 (Erebidae) ヒトリガ亜科 Arctiini 族 Hyphantria 属
- 英名
- Fall Webworm Moth, Mulberry Moth
- 学名
- Hyphantria cunea (Drury, 1773)
- 状況
- IUCN/ISSG 世界の侵略的外来種:侵略的外来種(日本を含む東アジア,ヨーロッパ,ニュージーランドなど),原産(北米) (参考1)
写真とメモ
クワの木の枯れ葉に数頭の毛虫がいました.白っぽい長い毛をもつ明るい色の毛虫はアメリカシロヒトリの終齢幼虫のようです.節ごとにある対になった黒斑も特徴.アメリカシロヒトリは広食性で,クワの他,サクラ,クヌギなどをはじめ100種類以上の葉を食べるとのこと.
横から見たところ.
林内の倒木の上を高速で歩いていた幼虫.暗いところで動きが速いのでぶれています.幼虫はアメリカシロヒトリと判明.終齢幼虫の体長は3cmほどとのことなので,上の幼虫は終齢の一つ前ぐらいの齢かと思います.アメリカシロヒトリの幼虫が食べるのはサクラ,ヤナギ,カキ,クワなど広食性ですが,朽ちかけた倒木上にはエサがなさそうですので,どこかの木から落ちてしまったのかもしれません.進むスピードがやたらに速いので,これはすぐにまた木に登って葉を食べ始めるのではと感じます.
アメリカシロヒトリといえば,自分が子供の頃は理科?生物?で,外来種(悪者)の代表のような位置づけで習ったのを覚えています.在来種のシロヒトリに置き換わるだけでなく,日本中で多くの種類の街路樹や果樹などで大発生して丸坊主にするなど.しかし現在,アメリカシロヒトリは,特定外来生物はもちろん,生態系被害外来種にも指定されていません.参考3に面白い記事がありました.戦後から数十年の間は大発生の被害が深刻だったアメリカシロヒトリも,現在はあまり重要な害虫としてはみなされなくなっているようです.鳥などの外敵がアメリカシロヒトリを食べるようになってきたこと,対策が一般化したことなどが書かれています.外来種ではあるけれど,「侵略的」外来種ではなくなっているみたいですね.
参考
- Global Invasive Species Database (2024) Species profile: Hyphantria cunea. Downloaded from http://www.iucngisd.org/gisd/speciesname/Hyphantria+cunea on 23-09-2024.
- アメリカシロヒトリ. “みんなでつくる日本産蛾類図鑑V2”. http://www.jpmoth.org/Arctiidae/Arctiinae/Hyphantria_cunea.html, (参照 2024-09-23).
- アメリカシロヒトリ. “侵入生物データベース”(国立環境研究所). https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/60010.html, (参照 2024-09-23).
- アメリカシロヒトリ. “芋活.com”. https://www.imokatsu.com/imo-amerikashirohitori.htm, (参照 2024-09-23).
- . “”. , (参照 ).
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